原初への跳躍
私達は生まれるときから
星を持たされている
いくつかの星が私達の体内に
幼い頃はその星達と手をつないで
遊ぶ、歌う、無邪気に、時間の無い場所で
そうしているうちに星が激しく動き始め
私達は叩きつけられ痛めつけられ
泣き笑い苦しみ悩み怖れ絶望し希望し
激しい雷雨や苛烈な砂漠を経て
現れた時間と意識に囚われる
ようやく星達と会話できるようになる
星達が言う
僕たちは振動だ渦なんだよ
ひと通り星達の動き振動が出そろってから
星達が言う
君の振動を持てよ強く高く深く美しく楽しく
僕たちを連れ出してくれよこの渦から
私達は頭上に皿をかかげて何かを乞う存在でなく
私達は振動だシンバルなんだと気づき
星の兄弟達とともにシンバルを打ち鳴らす
死の向こうまで死を越えて飛び立ち
教えられたもの慣れ親しんだものと決別する振動無き振動を求めて
聞こえない見えない何ものにも縛られない星になるために
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