コニャック短歌9. 参照:中西繁アート・トーク2009.4.7
郷隼人、獄中歌人。鹿児島県出身、24歳で渡米。1985年、殺人及び殺人未遂にて終身刑。現在もカリフォルニア州立刑務所で服役中。
『渺茫たるレタスの平原その中に
わが住処なる刑務所たてり』
『人類のいない地球を想像し
夜中に食べるカップラーメン』
『一瞬に人を殺めし罪の手と
うた詠むペンを持つ手は同じ』
『老い母が独力で書きし封筒の
歪んだ英字に感極まりぬ』
『「生きとればいつか逢える」と わが出所
信ずる母が不憫でならぬ』
いったい何があったのか。殺されたアメリカ人とその家族、日本で待つお母さんと家族の思いを背負い、画鋲で留められたチョウのような人生を、淡々と送る日々。