立ち向かう物語
出会い
愛し合い
子を授かり
小さな家の前に寄り添う
家族たちの目の前に
暗くて深くて異常な
断崖が口を開けていた
若い父母には父母と
友人たちの家族しかいない
鳥さえ越えることのできない絶壁を
それでも家族たちは超えてゆかねばならない
父は原始の血にもどり
長男とともに断崖の縁をのぞきこみ
母は大地の力を取り戻し
長女とともに友人たちの家族たちを結びつけた
そして小さな児たちの世話をする
祖父母たちには祈りがもどってきた
そして生活と新しい時間が流れ始めた
やがて精霊たちや祖霊たちが
家族たちと合流して
立ち向かう物語を
夢の中で伝えてくれるようになり
家族たちは出発したのだった
生活と団らんが彼らの力と武器であり
何ものにも妨げることのできない
宇宙の明かりとなったのだった
■画像はナショナルジオグラフィックより。