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ヨーロッパ人の詩情って
寒い夜のせいか、20年以上飲まなかった酒とかビールの最小サイズ100から135mlを買って少し再開している。祖父が喘息持ちで心臓の負担もあったのか、晩酌用によく特級酒を買いに近くの酒店に行ったものだ。今はよく祖父の気持ちがわかる。ごく少量の酒が、血流を軽やかに奔らせ心臓にほてりを与えるのだ。日本酒、ウイスキー、ワイン一通り飲んだが、20代から30後半までに、営業マンとしてよく飲みに連れてゆかれ、酔っ払ってトイレのタイルの上を転がったり、横断歩道の旗を持って通行人を追いかけたりしたが、常に酒とは紳士関係を崩さなかったと思う。どちらかと言えば酒精の力をかりてふざけたかったのだ。酒に重たい感情をぶつけなかったからだと思う。哀しみや悔しさ、恨みや怒り、落胆や恋情などを酒に飲ませることはしなかった。目黒の権之助坂の小さなクラブで、24時間戦えますかを吠えて、ママにうるさいと怒られたり、銀座の外れのクラブで、カラオケの曲名に期待する客に下手な朝日の中で微笑んでを聞かせて失望させるくらいのことだった。学生時代の寮友のように、バス乗り場のセメント標識をひこずって部屋に持ち帰ったりはしていない。レミイマルタンの画像のフォルムが好きで良く使わせてもらっているので、そちらの業界の方々から良く好きを頂きましたが、すいません一滴もやりません。ただレミイのフォルムの向こうになぜか荒れ地が見えるんですよ。ルイ・ヴィトンやシャネルにもどこか荒野を感じます。極北のブランドって、人間の荒野なんじゃないか、ヨーロッパ人の詩情って、ゴツゴツした岩場に咲く百合みたいなものなんですかね。少しだけ酔ったようです。おやすみなさい。
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