"ほんとうに心配になって、私は師と仰ぐ人のもとへ助言を求めに出かけた。…その生き物は、復讐心によって私自身の本体から生じたものであって、自身の一部が表に現れたものだと言われた。また何としてもそれを呼び戻して自分自身の中に吸収し、同時に私を傷つけた人物に仕返しをしたいという欲望を捨てなければならないと言われた。奇妙な事に、ちょうどその頃、問題の人物を「やっつける」には最高の機会があったのである。…私には、自分が別れ道に立っており、用心を怠れば、邪道に進む事になると理解するだけの分別が残っていた。もし自分の恨みを実行して晴らす機会を利用したら、狼の形の星幽体は独立した存在となって、私は…実際に悪魔に代価を払わなければならなかったであろう。私は1つのはっきりした感じを抱いた。感じというものは、心霊に関する事柄において重要でありしばしば潜在意識や経験を表しているのである。この感じとは、一旦この狼の衝動が行動として現れるようになれば、御の形をした星幽体は、私のみぞおちとつながっている心霊的臍の緒を切ってしまい、もはやそれを自分の中に吸収する事ができなくなるという感じであった。 私は大事な復讐を諦めて、相手のなすがまま被害を受けねばならなかった。私は意を決して復讐を諦めると、夕暮れになると、すぐ呼び出した。それは再び部屋の北の角から出て来た。(その後、私達は古代の人々は北を邪悪な方位とみなしていた事を知った。)それは炉の前の敷物の上に非常におとなしく人になれている様子で現れた。…それは犬のような臭いさえしており、本物の動物のように見えた。その生き物から私に向かって影のようなエクトプラズムの一本の糸が延びており、一方の端は私のみぞおちにつながり、他方はその毛深い腹の中に消えていた。私は意志と想像力を働かせて、この銀色の糸に沿ってレモネードを吸うように、その生き物の生命を抜き出そうとした。狼の形はぼやけ始め、糸は太さを増しよりしっかりしてきた。私の内面で、激しい感情が湧き上がった。…暴れまわって身近の人間・物を相手構わず引き裂きたいというという激しい衝動を覚えたのである。私は骨をおってその衝動を抑え、激情は静まっていった。狼の形は消えて、形のない灰色の霧になっていた。" (✷‿✷)この事例は、文化や地域を問わず、魔女やシャーマンと呼ばれる特異能力を持つ人々に共通と思われます。日本における、鬼婆、山姥、蛇女房、蛇姫、狼婆そして鬼。生霊。付喪神、式神、蠱術、九尾の狐。このような、人間のまとうエネルギー体を制御して神仏の境涯を目指すのか、或いは…です。