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雑草詩句短歌 ブランデー詩36.

日本は素晴らしく美しい國だったに違いない   春雨降る海は白い口を開け   沖は茫洋と水蒸気に閉じ   騎馬民族はパワパワと水母のような波に馬の腹を洗わせたろう   仄暗い山鳥もまだ鳴かぬ霧たつ山肌に騎行するものに   梅は静かなこの國の香り高いランタンで慰め荷を緩めさせたろう   この國に人間がつくった全てのものが無かったならば   大地の夕暮れは赤く欄干たる星空は墨色の雄大な山際に覗いたろう   つばきも菜種も油となってじじと花が燃えるように燃え   空気は麻のように清々しく床におりて   神々しい朝の光は蓬髪の平野にしのんできて   白い布を額に巻かしめたろう   松の向こうに海原と雲が広がっていたろう

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