衝撃的なキャッチコピーを作っても売上にはさほど影響しない時代がきた

セールスコピーライターの野口です。

書店でコピーライティングや文章術の本を探していると、「魅力的なキャッチコピーの書き方」「文章は冒頭のつかみで9割決まる」「キャッチコピーの書き方100選」的な本をよく見かけます。

確かに、キャッチコピーというのは短い文章なのでとっつきやすいものです。特に、ライティング初心者にとっては「キャッチコピーを変えるだけで売上が上がる」と言われれば、キャッチコピーくらいなら自分でもなんとか書けそうだ、短文でいいならなんとかなりそうだと、希望を抱けるのかもしれません。

しかし、2024年の今、キャッチコピーを変えたところで売上はさほど変わらないというのが私の持論です。

その理由は、私達は日常的に多くのキャッチコピーに晒されすぎるからキャッチコピーがキャッチとしての機能を失いつつあるからです。

キャッチコピーとはその名の通り、「読み手の心や意識をキャッチする、つまり興味を抱かせて捉えるために使うコピー」です。

YouTubeのタイトルやサムネイル、ニュースやブログの記事タイトル、ネット広告など、おそらくあなたも日頃から大量のキャッチコピーを目にしていると思います。

そんな中、一体どれだけのキャッチコピーに惹かれて記事や動画をクリックしたりしているでしょうか?

おそらく、ほとんどのキャッチコピーを見ても「またなんかすごそうな言ってるよ」「どうせ釣りだろ?」「ほんと広告は邪魔だよなぁ」などと冷笑的に一瞥する程度で終わることも多いかと思います。

あまりにも多くの情報が溢れすぎていて、大企業も中小企業も個人であっても、目に止まらせるために多種多様なキャッチコピーを考えては公開して、しのぎを削っているのです。

しかも、チャットGPTのような生成AIを使うことでプロっぽく見えるキャッチコピーなど誰でも一瞬で大量に手に入ります。わざわざ自分の頭で考える必要すらないのです。そんな誰でも簡単に作れるコピーがキャッチコピーになりえるはずがありません。

では、キャッチコピーの重要性が下がった情報過多の今、どうすれば従来のキャッチコピーのような読み手の心を捉えるコピーを書けばいいのか?

それは、具体的かつ直球で読み手の利益を約束するコピーです。

どこかで見かけたことがあるような抽象的でかっこいいイメージコピー、キャッチコピーはいりません。

  • 「理想の自分に、もう一歩!」

  • 「輝く未来へ、今すぐスタート!」

  • 「もう一度、本当の自分に戻ってみたくありませんか?」

このような小綺麗なエステサロンの広告にでもあるようなスタイリッシュ感を醸し出したキャッチコピーはもはや機能しません。

また、

  • なぜ、80kgもあった運動嫌いの主婦がたった一ヶ月で10kgも痩せられたのか?

  • たった一ヶ月で10kg痩せた主婦がいると聞いて信じられますか?信じられるならこの続きをご覧ください・・・

といった含みをもたせたコピーもあまりにも陳腐になりすぎているのでほとんど機能しません。

そうではなく、これらのようなキャッチコピーよりも、長くていいので直球で読者の得られる利益を淡々としっかりと説明して約束する。これが令和時代のキャッチコピーです。

例えば、ダイエットプログラムを売るとしたら、そのキャッチコピーは、

『1ヶ月で10kg痩せるダイエット法を教えます。異性からモテたり、自分に自信がつくようになれます』 

これでいいのです。決してかっこよくはないですし、スタイリッシュさもありません。むしろ直球すぎてダサいと思う人もいるでしょう。でも、いいんです。

時間のない令和人を相手にする以上、抽象的で婉曲的で何がいいたいのかさっぱりわからないキャッチコピーよりも、ださくても長くてもド直球のキャッチコピーのほうが売上に直結するのです。

現に、私が普段書いているLPやセールスレターでも、ページの最初の部分(ファーストビュー)には、少し眺めの読者のベネフィットを書いています。

「〇〇な人が、〇〇を使うことで、〇〇になれる方法を教えます」。だいたいこのパターンです。結局はこれが興味をもたれるし最終的に売れていくのです。

どんなキャッチコピーが受けるかは時代によって異なります。

ぜひキャッチコピーを作る際には意識してみてください。

本日は以上です。


追伸

抽象的で婉曲的なキャッチコピーはもはや不要とはお伝えしましたが、読み手の心理を的確に突いた「訴求」の重要性はまだまだ高いです。この訴求がズレているとどれだけ長文で具体的かつ直球で説明しても効果は薄いです。今回の記事では扱わなかったですが、訴求の重要性についても後日記事にします。


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