幽霊は存在するのか?
『幽霊はいるのか…?』
私の考えを結論から言うと、幽霊というものはどこかに【必ず】存在している。
ただし、本来実体を持たない彼ら彼女らは噂や伝承、自己を意識してくれる【誰か】が居なければ生まれることがなく、また、その存在を維持することもできない。
つまり、【そこにこういうものがいる】と知っている人がいなくなれば消えてなくなる。
お伽噺でいうならば【妖精】というもの、神話でいうならば【神】という存在に限りなく近いと言える。
そして現存している幽霊はそこに存在することによって、どんな形であろうとも"誰かに利益をもたらす存在"になっていることが大多数だ。
なぜなら幽霊とは"妖精"や"神"と同じく、そこにそれがいると言い始めた人がいる。
そしてそれを広めることによって利益を得ているのだ。
利益といえば金銭のやりとりを思い浮かべることが普通の考え方だが、"利益を享受する"ということは何も金銭が発生するものだけではない。
ある村では秩序を守るために"神"や"悪霊"を○○様と名付けて崇め奉り、ある人は作り話を広め、人を集めたり、或いは自己満足のため、そこに"霊"を作り出した。ある町では税収が不足し、定住者が減少していったため、観光客を呼び込みたくて町のある場所に"妖精"が出ると謳った。
…仕方のないことだ。
年寄りが力で敵わない若者に対して"指導"をするためには後ろ楯として"何かしらの大きな力"が必要だし、普通の話をしているだけでは周りに相手をしてもらえない人は話す内容の"差別化"をしなくてはならない。
温泉が出ていてもエンターテイメントサービスを行う事業者を招致できない自治体は"他の温泉地にはない話題性"がなければ衰退の一途を辿るしかない。
人を欺くことは悪いこと、道徳に反することか?
力を持たないものが、生きるため、或いは強者に勝つため、他人を欺くことはやむを得ないことなのではないか?
そうしなければ未来が切り開けないとしたら?それは人間社会だけではなく、自然界であっても起こり得る事象だ。
"力の弱い生き物"や"動きの遅い生き物"は何かに擬態したり、自らを大きく見せる仕草をする。
自らと同種であろうが、他種であろうが、他の生物を騙すことはどこにだってあるのだ。
私には犯罪を助長する気も肯定する気も一切ないが、産まれながらにお金に困らない人が詐欺を働き、他人から金銭を騙し取ろうとするだろうか?
自らの魅力だけでいつも周りに人が絶えない人が嘘をついて話を作ったり、怖い話しをする必要があるだろうか?
自らの魅力と存在感、発言力で他人を虜にできる人が『神が◯◯と仰った』と発言するだろうか?
【嘘】は発信し続ければ真実になる。
【嘘】は皆が信じれば事実になる。
騙される側にとって重要な問題なのは、その嘘を受け入れたとき、自分にとって害があるかどうかである。
その点、妖精や神、幽霊を信じたとしても、ごく一部の悪意あるケースを除けば明確な損害を受けることがない存在は受け入れやすいだろう。
ましてや、【救われる】だの【修行】だの、或いは非日常の状況で発生した【心霊現象という刺激】だの、耳にすれば嬉しくなってしまうことも理解できる。
だから少なくとも私は彼ら彼女らが自らの"生存本能"や"人気者になりたい"という考えから作り出した"神"、"妖精"、"幽霊"を否定する気にはなれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?