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23シーズンJ3全20チーム展望①

■ヴァンラーレ八戸

■オフの動向&予想布陣

・昨年は10位
・後半戦順位5位とチームを建て直した志垣監督が退任
・富山を退任していた石崎監督が就任
・17選手が移籍や満了、主力も入れ替え
システムは3バックが濃厚
長身選手を多く獲得し、サイズUP
・ソニー仙台とのTRM(30分×3)は0-1で敗戦

■スカッド雑感&展望

・GKは正守護神の服部が満了に。
・経験のある大西(→鹿児島)や若手の相澤(→青森)の補強で穴は埋まるか

・CBは下堂(→富山)、板倉(→FC大阪)が同カテに移籍。
・藤井、赤松らも満了。主力は近石のみに。
・一方で20代半ばの選手達を中心に補強
左HVの長身・三ツ田(→松本)、JFLからも2人のDFリーダー候補を加える・さらに長身エアバトラー加藤(→秋田)、青森山田出身の蓑田(→湘南)らもレンタル加入
・若返りには成功。空中戦にも強い陣容となっている。

・中盤はチーム得点王・野瀬(→北九州)が移籍
・だが、複数ポジション可能な選手が多く残留
・実力は拮抗しており、並びも流動的か
・その中でも石崎チルドレンの姫野は1歩リード

・FWは軸だった萱沼(→YS横浜)・島田(→FC大阪)が移籍
・宮本(→藤枝、昨年は長野)、佐久間(→千葉)と長身FW獲得
・FWに限らず得点源を早めに確立したい
・ポストプレイヤー+衛星役の組み合わせ、もしくは1トップにポストプレイヤーを置いての2シャドーか

■注目選手

注目選手の1人目は三ツ田(→松本)。
岐阜ではレギュラーを掴んだものの、昨年は山雅でリーグ戦出場機会0。J3で3チーム目の八戸での出来で選手としての評価は大きく分かれるだろう。だが、常田や下川がいた昨年の山雅とは違って、八戸では(補強段階で)左HVはほぼ一人勝ち状態。恐らく相当の期待はかけられているはずなので山雅サポ視点強めではあるが注目したい選手。

もう1人は姫野(→富山)。
石崎監督はこれまでも愛弟子を次のチームに連れていく傾向が強かったが、富山からの満了もあり、姫野もそのまま八戸入りすることに。J3では123試合の出場経験があり、大分時代には準主力として昇格も経験したがまだ26歳。八戸でも中心となって中盤を支えるとともに、石崎監督と既存選手の懸け橋としての役割も期待される。

■いわてグルージャ盛岡

■オフの動向&予想布陣

・昨年はJ2で最下位。1年での降格に。
・クラブを初のJ2昇格に導いた秋田監督が退任。代表取締役オーナー兼代表取締役社長に。
・新監督として解説でもお馴染みの松原氏が就任

・「いろいろな形で攻撃のバリエーション、相手によって攻撃ややり方を変えられる。攻撃的なサッカーを目指す
・「守備ブロックをつくり、縦に速い攻撃を仕掛けたい。攻撃的で、相手を圧倒するというのが私の求めるサッカー

・20人が退団、14人が新加入
・システムは4バックが基本に?
・色摩が未更新のまま
・その他数名も発表が遅れるなど編成は苦労?
・エスペランサSCとのTRM(30分×3)で2-0の勝利
・加賀美が無期限の活動停止処分

■スカッド雑感&展望

・GKは守護神争っていた松原(→鹿児島)・野澤(→東京へレンタルバック)がチームを離れる
・代わりに丹野(→川崎)、田尻(→鳥取)を補強。
丹野を確保できたのは大きいが……C大阪・川崎の6年間での出場は数えるほど。しばらく正守護神から離れているのが不安要素。

・CBはかつてJ3最強と言われた甲斐の残留が朗報
・一方で牟田(→琉球)、戸根(→鹿児島)、小野田(→未定)と主力が移籍・満了
・代わりとして経験豊富な李(→琉球)、田代(→大宮)と実力者を補強。この入れ替えがどちらに転ぶか。
・SBは石田(→相模原)、新保(→山口、昨年は宮崎)と攻撃的SBを補強
・ユーティリティの宮市だけでなく上笹貫、桐、南も経験あり
・守備力のある田平や上下もおり、SBに誰を置くかは興味深い

・中盤は2枚/3枚を使い分ける?
軸だった小松が山形にレンタルバック、石井も満了に
・昨年大卒1年目でブレイクした弓削が軸になりそうだが、松原(→明治大学)も今年のブレイク候補。J3の特性を考えてもこの2人の活躍はキーになる。
・サイドは加賀美の活動停止からの復帰が未定
・南も負傷明けでキャンプに出遅れ
・宮市や桐、藤村らも候補に
・一方、左サイドは激戦区となる

・大卒ルーキー奥山(→町田)が個人残留。他にも個の打開力を持った選手を複数欠くことに
大型FWドウグラス(→札幌からレンタル)でその穴埋めを狙う
・SHを含めた前線の組み合わせはあらゆる組み合わせが可能。交代カードを含めた"カメレオン戦法"がハマれば脅威に…

■注目選手

1人目はドウグラス・オリヴェイラ(→札幌からレンタル)。
前線の主力選手が大量にチームを離れた中で、1年での昇格を目指すのであればこのドウグラスの爆発は必須。まだ素材感が強く、札幌では圧倒的に途中起用が多かったが、Jリーグを3年経験してきたのはアドバンテージとなる。重戦車型のルカオを止めるのにJ3のCB陣は苦労していたのでうまく起用すればフィジカル無双する可能性も……。

もう1人は弓削。
相方の小松が山形にレンタルバック、2番手を争った石井も新宿に移籍。2年目の弓削がボランチの軸候補の筆頭。超強烈ミドルなどJ2で2G3Aを記録するなど攻撃でも持ち味を見せたが、大学時代はCBも務めており、攻守の万能性を感じる選手。J3でも輝く可能性大。

■福島ユナイテッド

■オフの動向&予想布陣

・昨年は11位
・服部監督が続投、2年目のシーズンへ
・昨季は10節まで首位争いも藤枝に大敗後失速
・レンタル組が複数レンタルバック
・補強の中心は5人の大卒選手や古林・宮崎のベテラン2人
・システムは3-4-2-1濃厚
・ザスパ草津チャレンジャーズとのTRM(30分×3)で2-0の勝利

■スカッド雑感&展望

・GKはベテラン山本が健在
・若手3人はまずは2番手争いに

・CBも主力は揃って残留。
大卒の鈴(→青森学院大)と高卒の宝納(→佐賀東)はともに左利き
・左HVは堂鼻が基本だが新人2人も割って入りたい
・WBは左の橋本(→相模原)、北村(→宮崎)が共に移籍
・一方、右は古林(→湘南)が加入。高レベルの争いに。
・現レギュラー田中とどちらかが左へ?

・ボランチは主軸の諸岡が秋田にステップアップ
・昨年夏からレンタルされている大森(→徳島からレンタル)や経験豊富な宮崎(→岡山)が中心となってその穴を埋めたい
・シャドーは新井(→湘南にレンタルバック、今治へ)が移籍
・ただし、関東2部ベストイレブンの城定(→産業能率大)順天堂大学のエース・塩浜はその穴埋め以上の働きをするポテンシャルも
・さらに指揮官の古巣・磐田から三木・清田もレンタル

・FWはチーム得点王の高橋が山形へレンタルバック
・目立った穴埋めはなかったが昨季は中盤がメインだった樋口がFWに回るか
・パリ世代でポテンシャル抜群の長野
はブレイクを狙いたい

■注目選手

注目選手の1人目は古林(→湘南)。
J1で通算197試合、湘南を中心に長年活躍してきたクロス職人。しかもキャリアのほとんどがWBというスペシャリストでもある。32歳という年齢はJ3ではネックになるが、昨年福島はボール保持率2位、被攻撃回数も1位とJ3のオープン合戦は起こりづらいスタイルなので比較的やりやすいのではないか。逆にクロス対応に不安を抱える多くのチームには脅威になる。

もう1人は塩浜(→順天堂大学)。
静岡学園では10番、順天堂大学でも1年から3年まで11番を与えられ、4年次には同じ進路を辿った名古(湘南)、旗手(セルティック)から10番を受け継いだ逸材。今年は怪我で出場数が少ないながら関東1部で6得点でチーム内得点王&総理大臣杯でも得点王に。J1の練習参加も行っていたようなので福島入りの選択は意外だったが、20ゴールを目標に掲げるなど早くも大物感がある。まずは怪我からの完全復活からか。

■YSCC横浜

■オフの動向&予想布陣

・昨年は16位
・序盤未勝利と苦しむが後半戦は勝ち点28の内20を稼ぐ
・昨季途中INAC神戸から途中就任した星川監督は続投
・アシスタントコーチ(兼 Y.S.C.C.セカンド監督)に福島U-15の森戸監督が就任
・システムは3-4-2-1か
・昨季爪痕を残したロリスティネッリは未更新のまま
・FC東京とのTRM(30分×3)は0-10で敗戦
・その他にもYSCC横浜セカンド・水戸などとTRM

■スカッド雑感&展望

・正GKの佐川が残留
・岡本(→岐阜)、児玉(→福山)が守護神争いに加われるか

・CBは大卒1年目の15年からDFラインの中心だった宗近(→讃岐)の移籍が大打撃
インカレ準優勝の新潟医療福祉大の主力・二階堂ら大卒選手がCBでブレイクできるか
・また同じく新潟医療福祉大から加入の沼田も左WBの主力候補

・中盤は古宿が横浜FCにレンタルバック(その後高知へ)
小島(→千葉)、中里(→鈴鹿)と保持を得意とする2人が加入
・松井大輔は今年からコーチと3刀流に
・シャドーは福田(→今治)、吉井(→讃岐)ら他J3クラブで主力の座を掴めなかった2人が加入。新チームで巻き返せるか

・シーズン途中から主力に定着した河辺(→鹿児島)が同カテ移籍、チーム得点王・林が満了に
CFは枚数はいるが計算できるのは萱沼(→八戸)のみ
・他のCF陣はまずはベンチ争いを制したい

■注目選手

注目は二階堂・沼田のルーキー2人。
今年のYS横浜は中京大、桐蔭横浜大など冬のインカレで躍動した大学から新卒選手を複数獲得。その中でも期待値が高いのは新潟医療福祉大コンビ。

二階堂は檀崎、三國とともに青森山田で全国制覇を経験、1年から北信越リーグで活躍してきた。上背はないがボールを大事にするYS横浜のスタイルにはマッチするのではないか。そして、沼田は尚志高校時代からその精度の高い左足が注目され、選手権の舞台では榎本らを擁した優勝候補・前橋育英を相手に決勝点となる直接FKを叩き込んだことも。もちろんその左足は現在も健在。"スカイ砲"をプロの世界でも炸裂させたい。

■SC相模原

■オフの動向&予想布陣

・優勝候補という声も多かったが昨年はまさかの最下位
・シーズン途中から就任していた薩川監督は退任に
元日本代表・戸田氏が就任し、Jでは初の指揮に

契約は3年。選手も複数年契約。
・「エナジーフットボール(お客さんがワッと盛り上がって、高揚感を感じられるような、ゴールを奪う可能性のあるシチュエーションを多く作るために守備も攻撃もより多くチームとして形作って、表現する)」に取り組む
・「(目先の結果は当然重要だが)自分たちが目指すものの中で右肩上がりにいきたい」。3年計画の1年目か。

・高橋HC(→湘南)などスタッフ陣も入れ替え
・選手はレンタルバック・引退含め24人を放出
21人が新加入。内9人が大卒、5人が下カテから
・またDeNAの連結子会社化も発表
・Jの歴史でも例をみない大改革のオフに

■スカッド雑感&展望

・GKは主力の圍・柴崎が共に移籍。
・猪瀬(→琉球)、古賀(→新潟S)が加入
・竹重・川島らと横一線の争いか

CB、SBは総入れ替え
・CBは仙台ユース時代にルヴァンカップも経験したレフティー山下(→拓殖大)が左CB有力
・右CBにはインカレベスト8の中京大でキャプテンを務めた水口、FWからのコンバートが明言されている191cmの栗原、指揮官が古巣の東京都1部・SHIBUYA CITYから引っ張ってきた國廣で争う形になりそう。
・SBは温井(→藤枝)・綿引(→宮崎)らJ3経験組が中心?
福島では左WBを務め、MF→DF登録になった橋本も左SBか?身体能力に優れ、複数ポジションをこなす加藤はCBも兼任になりそう。

・ボランチは数少ない去年の主力・田中とデュッセルドルフなどでもプレーした金城(市原)が有力。しかし、2人とも複数ポジション可能なのでSBに回る可能性も。
・予測に優れ、攻撃にも出ていける牧山(→国士館大)、名門で10番を背負ったテクニシャン佐野(→法政大)、関東2部のベストイレブンでチームを1部昇格に導いた西山(→東海大)などタレントは豊富。

・サイドは昨年長野でジョーカーとして活躍したデュークカルロスが加入。右には昨年特指として試合に絡んだ伊藤(→東洋大)、左にはドリブラー若林(→法政大)が注目株
・前線の複数ポジションをこなす佐相、一美や野田世代の大津高校の10番で九州リーグからの個人昇格となる吉武(→延岡)らもここで使われる?

・前線は昨年チームが苦しむ中で4G2Aを挙げた安藤や藤沼が残留
・インカレ王者・桐蔭横浜大で山田(川崎)や寺沼(水戸)とポジションを争っていた左部、昨季特指でいきなり1トップを務めた前田(→東洋大)、かつてインカレ日本一を経験、再びJの舞台に戻ってきた松澤(→武蔵野)ら様々な特徴の選手が揃う

■注目選手

1人目は田中陸
多くの選手が入れ替えになり、残った選手の中では最多先発、最多出場時間に。J2・山口でも2年主力として活躍しており、様々なポジション・役割でプレーが可能なポリバレント性も魅力。縁の下での活躍も多くなるかと思うが、現在23歳ながらチームに置いてピッチ内外で重要なポジションとなる。

もう1人は左部(→桐蔭横浜大)
ルーキーながら早くもユニフォームやグッズのランキングで上位に食い込むなどサポーターからの期待値も高い。先ほど書いたように大学時代は絶対エースの山田新(川崎)がおり、前半戦はその相方としてプレーしていたが、後半戦は寺沼が存在感を高めてサブの立場に。結局ポジションは奪い返すことはできなかったが、流経大時代に満田(広島)や菊地(鳥栖)、佐藤(京都)に押し出されていた菊井(松本)のようにプロになってからその実力を開花させる可能性も。


続く

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