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【中日新聞杯(G3)回顧~その先へ】血統篇

【中日新聞杯の結果】
レースは、好位追走から直線で抜け出したヤマニンサルバム(2人気)が、後方から猛然と追い上げてきたハヤヤッコ(13人気)に3/4馬身差をつけ優勝)。さらにクビ差の3着にピンハイ(4人気)が入り、大波乱決着??

傾向面からみると、まずは「荒れるローカルのハンデ重賞」は、実績馬の参戦が少ないローカル戦だけに、好走馬の傾向が見つけにくい難解レース!? 今年も2着に13人気馬が馬券に絡んで大波乱決着。次に「短期免許の外国人ジョッキー」に注目。今年は昨年の覇者キラーアビリティ(4着)にB.ムルザバエフ騎手、カントル(15着)にH.ドイル騎手、ユーキャンスマイル(8着)に12月2週目から短期免許で初来日となるL.モリス騎手が騎乗も敗退。最後に「和田竜二騎手」が過去6年で4度騎乗して3度好走、今年はワンダフルタウン(14着)に騎乗も敗退。

血統面で、「母父欧州型」に注目すると、出走馬17頭中6頭内2頭(1着ヤマニンサルバム、3着ピンハイ)が馬券に絡んだ。さらに、「母父ノーザンダンサー系」に注目すると、出走馬17頭中5頭内2頭(1着ヤマニンサルバム、2着ハヤヤッコ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、スピード、瞬発力に加えてスタミナ、底力も求められるレース。

【血 統 傾 向】
スピードの持続性に優れた血統!

2023年
1着ヤマニンサルバム
父イスラボニータ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ハヤヤッコ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
3着ピンハイ
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2022年
1着キラーアビリティ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
2着マテンロウレオ
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着アイコンテーラー
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ミスプロ系/米
2021年
1着ショウナンバルディ
父キングズベスト(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着アフリカンゴールド
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着シゲルピンクダイヤ
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2020年
1着ボッケリーニ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着シゲルピンクダイヤ
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着ヴェロックス
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父スターリング系/欧
2019年
1着サトノガーネット
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ラストドラフト
父ノヴェリスト(スターリング系/欧)×母父サンデー系/日
3着アイスストーム
父ストーミングホーム(ミスプロ系/欧)×母父ロベルト系/米

【中日新聞杯 血統背景】

ヤマニンサルバム(牡4、栗東・中村直哉)は、父イスラボニータ×母ヤマニンエマイユ(母父ホワイトマズル)。ヤマニンペダラーダの下で、ヤマニンエマイユの甥で、母母ヤマニンザナドゥは現フィリーズレビュー3着。牝祖ワンオブアクラインはオークリーフS(米G1・ダ8.5F)勝ち馬で、子孫にヤマニンサンパ、ヤマニンボワラクテ、ヤマニンシルフなどが出る。父イスラボニータは皐月賞馬でプルパレイやバトルクライなどの父。母父ホワイトマズルの重厚さも出た中距離馬で、全5勝が中京と東京のサウスポー。母系にダンジグが入る先行脚質なのも強調材料。

左回りで全5勝を挙げ、特に中京の芝コースは1400㍍、1600㍍でそれぞれ1勝、2000㍍で2勝と相性がいい。春の金鯱賞7着以来となる得意コースで重賞初Vを狙う!!

同馬は、スタート良く先行3番手追走。直線では、スムーズに外側に進路が取れて、早々と抜け出し押し切って優勝。これで、6戦5勝とコースがマッチする中で、いよいよ本格化しての重賞初制覇!? 「中京の鬼」として、以降も要注目!!

ハヤヤッコ(牡7、美浦・国枝栄)は、父キングカメハメハ×母マシュマロ(母父クロフネ)。祖母はシラユキヒメなので、シロニイやブッチーニなどの甥でイトコにソダシ、ママコチャ、近親にメイケイエールなどがいる白毛一族。父キングカメハメハに母父がクロフネらしく、パワーがいる馬場に向き、ダートでも活躍経験があり。オールカマーは久々に崩れ、速い決着にならなければ十分権利のある舞台!?

4走前の金鯱賞では、勝ち馬プログノーシス(次走で香港のG1・クイーンエリザベスⅡ世C2着)から0秒5差の4着と健闘を見せたように、7歳を迎えても高いレベルの能力を維持している。昨年の中日新聞杯でも勝ち馬と0秒1差の5着に好走しており、この舞台なら重賞での勝ち負けを期待できる??

同馬は、スタートの出脚がなく馬群の後方追走。スローな展開が向かない中で、直線を大外から鋭く伸びて2着確保!! タフな消耗戦を得意とするタイプも、キングカメハメハ産駒らしく、1度使って状態も上向いた。戦歴をみる限り中京巧者だけに、以降も要注意!!

ピンハイ(牝4、栗東・田中克典)は、父ミッキーアイル×母レイテッド(母父ジャングルポケット)。アトミックフォースの姪にあたり、曾祖母のタックスヘイブンはヒシアトラスやルミナスハーバーを輩出。ミッキーアイル産駒の牝馬はナムラクレアやメイケイエール、ララクリスティーヌなどが活躍。本馬は母父ジャングルポケットの影響も大きく中距離志向。小柄で400そこそこの馬体も、力強さはあるので中京も問題は無い。揉まれない方がいいのかもしれないので内過ぎる枠は良くない??

2022年の牝馬クラシックで桜花賞5着、オークス4着と上位争いを演じた。近4年の本レースで牝馬が1頭ずつ3着以内に好走、その4頭はいずれも8番人気以下の人気薄だった。今回のメンバーでは唯一の牝馬。人気に関わらず要注意!?

同馬は、出脚が鈍く、中団後方追走。3角過ぎからマクリ気味に進出し、直線も追い上げるもゴール手前で脚が止まり3着まで。おそらく、ベストは瞬発力勝負になりやすい、外回り1800㍍。体も小さく、軽い競馬が合うだけに、次走「京都金杯」辺りが狙い目か??


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