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ポーカーディーラーとしてのキャリアパスについて

「ポーカーディーラーは最高の職業である」
僕は心からそう思っています。まず大前提として、ポーカーディーラーという仕事は本当に素晴らしいです。人と接する楽しさ、ゲームを進行するワクワク感、そして常に新しいドラマが生まれる魅力——そんな要素がギュッと詰まっています。ただ、僕は最近、30代以降のポーカーディーラーとしてのキャリアパスを真剣に考えるようになりました。ここでは、その背景や実際に感じていることをまとめています。


実は、ポーカーという仕事に僕は人生を救われました。もともとはエンジニアとしてキャリアを始めたんですが、ADHDや双極性障害といった特性もあって細かい作業やケアレスミスが多く、どこに行ってもうまくいかない。3年で4社も5社も転職を繰り返して、正直言って毎日どん底で人生に絶望していました。そんな状況だったので、仕事そのものに自信を持てる日は一生来ないんじゃないか、なんて思っていました。

そんなときに出会ったのが、ポーカーディーラー。最初はもちろん大変でした。でも、これまでどんな仕事をしてもなかなか感じられなかった“自信”を、この仕事を通じて初めて手にすることができたんです。カードを正確に配ったり、ゲームをスムーズに進行したり、お客さんとコミュニケーションをとったりするなかで、「あれ?意外と自分にもできるんだ!」と感じる瞬間が増えていきました。

それまでは、自分はエンジニアを目指そうとしてましたがそれが本当に向いている仕事かの実感が持てず、どの職場でも細かいミスや数々の失敗を繰り返しては「またダメかもしれない」と思い込んでいました。
でも、ポーカーディーラーの世界に飛び込んでから少しずつ仕事が出来るようになる実感が持て、次第に仕事についての自信を付けることが出来るようになってきました。
そんな中で大事だと気づいたことは、“自分でミスを生まない仕組みを作る”ということ。人はどうしてもミスをする生き物なので、注意力や根性だけで防ぐのは限界があります。だからこそ、手順をしっかりマニュアル化したり、カウント方法を一工夫したり、配るカードの順番を徹底的にルール化したり、個人の意識に依存しない仕組みづくりを意識してきました。

その仕組みがあるおかげで、ADHD特有のケアレスミスを最小限に抑えられるようになりました。それでも今でも失敗することは時たまあります。たとえ失敗をしても、どこを改善すればいいかがすぐ分かるので、次のゲームに活かして改善することができます。この“仕組みでカバーする”考え方が、自分の特性を補いながらも仕事を楽しめる大きなポイントになったんです。そうした積み重ねの中で、これまで味わったことのない自己肯定感が芽生えてきました。

僕は、このポーカーとの出会いやポーカーディーラーという職業に、ものすごく恩を感じています。その恩返しとして、日本のポーカー人口を“10倍”にしたいという大きな夢を掲げ、日々活動中です。
ADHDや双極性障害のような特性を持っている方にも、ポーカーディーラーは意外と向いているんじゃないかと思っています。細かい作業が苦手でも、ポーカーなら常に変化があり、集中力を維持しやすい環境だからです。仕組みをうまく活用すれば、ケアレスミスを少なくすることもできるし、何より失敗してもすぐ次のハンドへ切り替えられるので、前向きに改善していきやすいんですよね。

今はメインの仕事として業務委託のエンジニアをしつつ、空いた時間にディーラーをしたり、大会でもディーラーとしてお手伝いをしています。ポーカーディーラーの仕事って、人とたくさんコミュニケーションを取れるし、お客さんと仲良くなれるし、新しいこともどんどん形にしていけるから、ほんとにやりがいがあるんですよね。

しかし、自分自身が30代前後からポーカーディーラーを始めてある程度の年月が経ちましたが、ポーカーディーラーとしてのキャリアをこの先どう歩んでいくのかを真剣に考え始めました。実際、ポーカーディーラーとして一本だけでずっとやっていくには、正直厳しい面もあります。特に収入面などで不安が大きくなる人も多いです。ディーラーとして食べていくには、店舗の店長や運営側に回ったり、オーナーを目指したりといったキャリアアップが必要になることがほとんどです。もしそこを目指さない場合は、ディーラー一本で生活していくのは今後の長い人生を考えた時にかなり難しいんじゃないかなと思っているのが正直な感想です。

だからこそ、場合によってはメインの仕事としては厳しいと感じる人もいるかもしれません。僕自身も今はエンジニアとしてのキャリアを大事にしながら、ディーラーはあくまでサブとして続けています。とはいえ、ディーラーの仕事自体は本当に楽しくて、人との触れ合いも多く、やりがいも十分。メインの仕事を持ちながら、週末や空いた時間にディーラーをするスタイルなら、無理なく続けやすいとも思います。


若いディーラーさんへのメッセージ

もしこれからポーカーディーラーとしてキャリアを積もうと思っている方がいたら、まずは“ポーカーディーラーは最高の仕事だ”ということを存分に味わってほしいです。実際、私自身も初めてディーラーの仕事をしたときは、楽しさとやりがいをたくさん感じました。

ただ、同時にキャリアパスについても考えておく必要があります。一生ディーラーだけを続けられるかというと、それはなかなか難しい側面もあるのが現実があると思います。ある程度ポーカーの世界に身を置いてキャリアアップしていく覚悟があるなら、店舗の店長や運営側、オーナーなどを目指す道もあります。でも、そうした道に進まない場合は、ディーラー一本で生活を成り立たせるのは厳しいことが多い気がします。

30代以降は、やはり収入や将来の安定、または家庭を持つなどの選択肢も増えてくるので、いろいろと人生について考える機会が増えます。そのときに「ディーラー一本で本当に大丈夫かな?」という不安を感じるかもしれません。だからこそ、若いうちから将来の自分の姿を思い描き、別の仕事をメインにしたり、スキルを身につけたりしておくのも大切です。

もちろん、ポーカーディーラーが好きでポーカーの世界にずっといたいという方は、その道をしっかり進んでいけばいいと思います。ただ、“もしディーラーだけでやっていくのが難しくなったらどうする?”という選択肢も、頭の片隅に置いておいてほしいんです。

私自身も、エンジニアのキャリアを大切にしながらディーラーを続けるというスタイルを選びました。メインの仕事で安定した収入を得つつ、ディーラーを“サブの仕事”として楽しむ。この二足のわらじを履くことで、ポーカーの世界に携わりながらも将来への不安を減らしています。


今後の展望

僕自身、これからもポーカーディーラーには携わり続けたいと思っています。ポーカーの普及がさらに進み、多くの人が気軽にプレイできる環境になってほしい。最近はホールデムだけでなくミックスゲームも扱う店舗でも働いているので、さまざまなバリエーションのポーカーをディーリングできるようになることにも大きな魅力を感じています。

ミックスディーラーとしてより多くのゲームを正確かつスムーズに進行できるようになるため、まだまだ学ぶことがたくさんあります。ディーラーとしての成長の余地があるのは、ポーカーが単なる一種類のゲームではないからこそ。さらに、今後はフロアスタッフとして大会運営にも少しずつ関わっていきたいという気持ちも最近は出てきました。さまざまなポーカーイベントの現場で経験を積み、プレイヤーの皆さんが快適に楽しめる場を作るお手伝いをしていきたいと思っています。

いろいろ書きましたが、ポーカーディーラーは僕にとって本当に大切な存在です。これからもポーカーを広める活動を続けながら、自分のキャリアとしっかり向き合い、ディーラーとしてもフロアスタッフとしても成長し続け、ポーカーディーラーという仕事の魅力をさらに多くの人に伝えていきたいと思っています。
それと同時にこの記事を通してポーカーディーラーとしてのキャリアを考えるキッカケ作りになればいいなと考えています。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
読んでくれた方で何か感じた方はコメントや感想頂けると嬉しいです。
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