2023年3月の選歌
床ずれにならぬようにと波うてるベッドに夫は海の夢見るやも
岡まなみ
純白の雄鶏庭に通い来てキッと顎上げ猫をあしらう
筒井みさ子
被災地に凍える人らを憂えつつ温き布団にまた潜り込む
鵜川登旨
うつむきて寒風に向かひ歩く道ふと見上げれば香る白梅
山下ふみ子
兎年跳ねてみたいが膝痛にそろりそろりと亀歩きせし
伊藤美枝子
墓参り柄杓の水も凍りかけ我を見守る冬毛の白猫
六甲もこ
温泉に肩まで沈みて見上げればおぼろに光る冬の星座よ
森田郁代
ハワイでは冬の寒波も楽しみにタイツとブーツの出番となりぬ
伊藤美枝子
波の音ききてねむりし北の町亡き父 母のおりし日遠き
原 葉
ビッグウェイブ・サーフィン大会
そそり立つ波の面にちっぽけなサーファー達は挑み続ける
筒井みさ子
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