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酸素は、「万能の蘇生薬」である

英国の災害ルールでは「酸素は万能の蘇生薬である」としています。
初めて見たときに、うなってしまいました。

酸素を「薬」と認識したことはありません。
おそらく多くの医療関係者は、薬とは認識していないのではないでしょうか。

思い起こせば、新型コロナウイルス感染症の治療において、最初から最後まで一番活躍したのは、酸素です。
武漢から出現して、またたく間に世界に広まった新型コロナウイルス感染症は、感染者の肺に、両側性のスリガラス状の肺炎を起こして、呼吸困難を生じさせました。

多くの人が肺炎が悪化して、呼吸困難で亡くなりました。
この呼吸困難の状況を「見える化」したのが、パルスオキシメーターです。

日本人が開発した医療機器です。
治療薬がなかった時には、各病院では、パルスオキシメーターで動脈血の酸素濃度をモニタリングして、ひたすら酸素吸入を行いました

自衛隊中央病院にダイヤモンドプリンセス号の患者が入院したときの治療は、はっきりいえば酸素と栄養だけでした。
多いときには100人を越える感染者が入院し、そのうち約六割は外国人でした。

入院した外国人には、東京にある各国の大使館から自国の料理を差し入れています。
母国の食事をしっかり食べて、栄養を付けてもらって回復してほしいという大使館員の献身的な活動があったのです。

厚労省から貸し出された大量のポケトークは、大変役にたちました。
さまざまな国籍の外国人との日常の会話が、このポケトークで十分可能でした。

今、改めて考えてみると、確かに、酸素は万能の蘇生薬!
イギリス人は、ものごとの本質を特定するのが昔から得意だと思います。

病院には、あらかじめ酸素が配管で供給できるようになっていたり、酸素ガスボンベが配置されています。
酸素ガスボンベの弱点は、重いことと、供給できる量に限りがあることです。

酸素濃縮器は、空気を取り込み選択的に窒素を吸収するもので、文字通り酸素が無限に供給されます。
最大流量は、酸素ガスボンベや酸素が配管で供給されるものよりもかなり小さく、最大で約5ℓ/分くらいです。

このため、重症の呼吸困難の患者さんには使えませんが、軽傷者には呼吸困難の重症化予防には「薬」として大変効果がありました
特に新型コロナウイルス感染症の患者の在宅療養で相当活躍しました。

保健所から貸し出しをしています。
万能の蘇生薬を無限に生み出す酸素濃縮器を地域で効果的に使えるようにすれば、新たな地域包括ケアになるのではないかと思いました。

在宅医療を担う病院やクリニックの外来で貸し出しをしたり、高齢者施設などの入所施設で必要数を常備しておけば、万能の蘇生薬である酸素を予防的に使用でき、悪化させないようにする体制が構築できます。
効果的な酸素の使用は、入院体制の逼迫の予防にもなります。

旭化成の創始者の野口遵は、国産の肥料をつくって国内の農業の生産量をあげようとしました。
肥料をつくるためには、大量の窒素が必要です。

空気中には窒素が無限にあるのですが、この空気中の窒素を利用することができないかと考えます。
そこで、その理論の特許を持っているイタリアのカザレー博士のところに行き、特許を購入してカザレー法に基づく工場を世界で最初に延岡の地に建設しました。

野口遵のように、空気中の無限の酸素を使ってコロナに立ち向かう体制をつくればいいのです。
住み慣れた地域で最後まで在宅で生活することができる「野口遵型の地域包括ケア体制」を構築すべし。

野口遵型では何のことか判らない人には、酸素型地域包括ケアと言い換えてもいいです。
もっと判らなくなったという人に対しては、まず、酸素は万能の蘇生薬である、ということを教える必要があります。

空気中の約二〇%は酸素が含まれています。
これを薬に変える酸素濃縮器を使った地域包括ケアと説明しましょう。
それでも判らないという人には、「空気を読め」と言いましょう。

延岡市の鮎やなと旭化成の工場

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