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猛毒を持つグロリオサの球根は「大根おろし」、山芋は「とろろ」である

椎葉村にある実家が、昔、旅館をしており、藤の花が咲く季節には、宿泊客に藤の花の天ぷらを出していました。

最初は色に驚き、次に食べて驚くという感じで、好評でした。

椎葉では、藤の花の入った「菜豆腐」を食べたこともあります。
紫色が美しくて、もはや豆腐の概念を超えておりました。

しかしながら、美しい花には毒があるものがあり、これを食することにより、公衆衛生学的な問題が生じております。

特に、外国から来た美しい花には有害なものが多いそうです。
極めつけは、グロリオサです。

2023年4月、延岡市で、グロリオサの球根をヤマイモと間違えて食べた男性が亡くなっています。

グロリオサは、アフリカ原産の半ツル性の植物です。和名では「ツルユリ」、「ユリグルマ」などと呼ばれています。
葉の先端は巻きひげで、絡みながら伸びていきます。

花は、赤と黄色の反り返った独特の形をしており、その花姿が美しく、若者には大変人気があるそうです。

「きれいな花には毒がある」と言われていますが、グロリオサは、植物全体、特に球根に「コルチヒン」という有害な化学物質をためています。

球根は細長くてヤマイモにそっくりで、ぱっと見は区別がつきません。
花が咲いておれば、ヤマイモと間違えることはないでしょう。

しかし、枯れているときに、土の中を掘ってみると、「あーら、こんなところにヤマイモが♪」とほっこりしてしまうことは間違いありません。

収穫したイモをすりおろす台所が、運命のわかれ道となります。

本物のヤマイモはすりおろすと粘りが出てきます。
いわゆる「トロロ状態」になります。

一方、グロリオサの球根は、すりおろすと粘りは全くなく、いわゆる「大根おろし状態」。
「トロロ」対「大根おろし」であれば一目瞭然。
ヤマイモと違うと気がつけば命はつながります。

グロリオサの球根に大量に含まれているコルチヒンは、痛風の発作時に痛み止めとして使われる薬です。

超痛くて我慢できないのを、超急激にシャットアウトする、超危険な薬です。
コルチヒンの塊をすりおろして食べたら、急性中毒症状を起こし、命に関わります。

予防対策は、以下のとおりです。

まず、グロリオサの毒性をよく知っておくこと。
化学物質ならは、袋や容器に「たべるな危険」の表示やドクロマークがあったり、安全データシートが添付されていますが、花の球根の袋や容器にはこうした安全情報はついていません。

次に、グロリオサの球根とヤマイモを、家の花壇や畑に、となり同士に植えないこと。

最後に、すりおろしてトトロ状態になるかどうかを確認してから食べること。

我が国でグロリオサの球根を食べて亡くなる人は、延岡を最後になければなりません。

ノーモア・ノベオカ

グロリオサの悲劇を二度と繰り返さないために、「となりのトロロ」を合い言葉にして、予防活動を展開していきましょう。

延岡市の野口記念館の駐車場

https://note.com/haveleo/n/n64f2b3ae3af0

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