SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、宮崎県の風土病である
宮崎県の新しい風土病(エンデミック)の話です。
宮崎県衛生環境研究所の研究者からFSTS(重症熱性血小板減少症候群)の話を聞きました。
この病気を起こすウイルスを保有しているマダニに咬まれることによるダニ媒介感染症です。
感染症法では、四類感染症に位置づけられています。
そんな病気があることは知識としてはありましたが、人ごとで関東に住んでいたときは全く眼中にありませんでした。
宮崎県の発症の届出数(累計)が全国1位ということで、急に「自分ごと」として浮上してきました。
それもダントツの一位110件で、2位の鹿児島県(79件)、3位山口県(78件)を大きく引き離しています。(2024年4月30日現在。総数は963件)
NHK朝ドラ「らんまん」の主人公のモデル牧野富太郎が生まれた高知県では、74件で第6位でした。
もしかすると明治維新の原動力となった「薩長土肥」が病気と関係しているのでは?
調べてみたところ、佐賀県は16件と少なかったです。
病気の症状は、名前のとおり重症で、高熱が出て、血小板が減少します。
宮崎県での死亡率は約25%。実に、4人に1人が亡くなっています。
県内の患者は60歳以上が全体の90%を占めます。
還暦プラス1を迎えて、これから山歩きや渓流釣りをやろうと決意している私にとっては、SFTSウイルスに罹る危険性が高い!
このSFTSウイルスは、犬や猫といった伴侶動物にも感染します。
県内では、感染した飼い犬や飼い猫から家族に集団感染した事例や、診療した獣医師や動物看護師に感染を起こした事例が出ています。
家族内感染と職場感染を起こすのは、コロナと同じ。
さすがに学校ではないようです。
いや感染した動物が学校で飼われたときは起こります!
宮崎県では、県衛生環境研究所と県立宮崎病院、宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターによるSFTS検査・診断体制ができています。
こうした体制で積極的に検査をしていることから、他県よりも発見されることが多いのかもしれません。
山に出向く際には、肌を露出しないような服を着るなど、ダニに咬まれない対策を忘れずに。
かなり前に、宮崎県が記者発表の際に、記者にダニを容器から取り出して見せていたら、逃げてしまったことがありました。
SFTS感染予防啓発のために生きたマダニを衛生環境研究所から持って行ったのですが、シャーレ越しではきれいに撮れないとのマスコミの要望でシャーレを開けて、マダニに逃げられたという事件です。
記者発表の会場中に、殺虫剤をまきまくったそうです。