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日向市坪谷出身の若山牧水は、日本で一番歌碑の多い歌人である

英語の rest には、睡眠、休息だけではなく「仕事・苦労・心労からの解放」という意味あります。

皆さま、rest していますか?
佐野元春さんの SOMEDAY は、その大切さを教えてくれる名曲です。

詩を読んだり、歌を聴いたりすると、安らぎを覚えます。
日本人は、古来より歌を詠んできました。

歌には天地(あめつち)を動かす力があると考えていました。
言葉は、言霊(ことだま)のことで、言葉には魂が宿ると信じていました。

歌は魂を動かすことがあります。
心を癒やすことがあります。

日経新聞の私の履歴書に第一三共の社長さんの話がありました。
女優の樹木希林さんに、テレビのCMに出てもらったときに、色紙を書いてもらいました。
若山牧水の歌でした。

少年のゆめの衣はぬがれたり まこと男の悲しみに入る

色紙は、社長室に飾っていました。
会社が合併するときなど、大きな決断を強いられたときには、色紙を見ると心が落ち着きました。
色紙を見ると元気が湧き、なんとか社長をやりとげることができました。

樹木希林さんは、なぜに若山牧水の歌を?
こんなマニアックな、しかも男の歌をなぜ?
亡くなったので、確かめるわけにもいきません。

若山牧水の歌によって、心が癒やされる人は、日本にはたくさんいます。
昔は軍人、今は経済人です。

日々の戦いの中で、心の平穏を保つためには、牧水の歌が必要なのです。

メンタルヘルス対策としても、牧水は有効です。
とりわけ酒飲みの方々は、牧水に癒やされる方が多いのではないでしょうか。

日向市細島の官軍墓地

白玉の歯にしみとほる秋の夜は 酒はしづかに飲むべかりけり

小学生のときに、焼酎のCMでこの歌を聴いたとき、早く大人になって酒を飲みたいと思いました。
ただ、牧水は飲み過ぎで、43歳でアルコール性の肝硬変で亡くなっています。

臨終のときには、喜志子夫人が、日本酒に浸した布で唇を湿らせました。
看取りをした稲玉医師は、牧水のご遺体はアルコールのせいで腐らなかったと記録しています。

亡くなった母から教えてもらった牧水の歌です。

ふるさとのお秀が墓に草枯れむ 海にむかへる彼の岡の上に

歌に詠まれた日本大学の学生だった日高秀子女史は、早稲田大学在学中の牧水と仲がよかったそうです。

日高秀子女史の墓は、細島にあります。
少し足をのばして、日向市東郷町坪谷にある牧水生家と牧水記念館に行って、rest を感じるのもいいかも。

吾亦紅すすきかるかや秋くさの さびしききはみ君におくらむ

ワレモコウという花を知ったのも、この歌のおかげです。

寂しき極みはもしかして、花でいじわるする歌?
フラワーハラスメントは、認知されてませんよ。

吾亦紅

牧水は、日本で一番歌碑の多い歌人だと言われています。
ただ、関東(静岡県や群馬県)での人気に比べると、宮崎県内での牧水がいまいちなのが少し寂しき極みかも?

今夜は牧水の地元の焼酎「あくがれ」で乾杯!
日本酒ならば「白雪」ですよ。

お秀が墓

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