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ノリで立ち上げたシャドバチームがSCL優勝して爆散するまで

小梅と申します。今回はノリでシャドウバースの構築チームを立ち上げてから今に至るまでの2年半の話をここにまとめていきたいと思います。

チームを結成した当時、私は暇つぶし程度でしかシャドバをやっておらず、レートやJCG、RAGEすらほぼ知らない状態でした。
「競技」の「き」の字も知らない私がどのようにチームを運営していき、チームのリーグ戦やメンバー集めなどに取り組んできたか、そしてSCL優勝してから突然チームが爆散した歴史をここに書き綴っていきます。
結構長い記事になりますので、チームの歴史とかに興味がない人は目次から読みたい見出しを選んでください。

チーム運営や、これからチームを作りたい!って方への助けになればと思っています。よろしくお願いします。

はじめに

この記事はシャドバチームを結成➡SCL優勝➡爆散までの流れをリーダーとして経験した私が、チームリーダーとして「こうした方がよかった」「これは悪かった」「ここは良かった」などをまとめています。
また、DSAL常連、レート杯など出すような強豪チームではないことをあらかじめ伝えておきます。予防線。

チーム作りたてから中堅チームまでで「チーム戦に勝てない」「チーム実績を出したい」などの悩みを抱えているチームリーダーの方々向けの記事になりますので、刺さる対象が狭い事を予めご了承ください。

たまたまこれが目に入ったリーダー以外のメンバーはぜひリーダーにこの記事を共有していただきたいと思います、多くの悩めるリーダーの救いの手になりたいと思っています。

今回はToby氏のシャドバアドカレイベントでの記事となっております、私の前にも後にも素晴らしい記事がどんどん出てくると思うので、ぜひ楽しんでください。

シャドバチーム「蜩」の誕生

チーム結成に伴う公募

2020年の4月ごろに私が運営していたYouTubeでシャドバの大会を定期的に開き始め、それに参加いただいてた常連さんでDiscordのサーバーを作ろう!となったのがこのチームの原点です。

当時の大会で頻繁に使用していたTonamelでは大会運営者や運営者にエナジードリンクを配布していたのもあり、かなり盛況だった記憶があります。

集団でシャドウバースをしていくと共に、シャドバにはレートやJCGなどで切磋琢磨しあう「競技勢」というものがあることを知りました。これらは何も知らない私とって新たなシャドバの楽しさを教えてくれました。

そこで私はチームを競技寄りにシフトして、切磋琢磨していこうと決意を固めて「蜩」というチームをそのサーバーから分裂させ立ち上げました。

THE DECISION.「決断」という意味です

でも何すれば良いか分からない。

そんな経緯で蜩が誕生しました。これからレートやりまくり勝ちまくりモテまくり・・・と上手くいけばいいのですが、その時は競技の理解も浅い状態で何をすればいいかわかりませんでした。

とりあえず他のチームの真似事をしようと思ったので内戦やら大会の参戦などから取り組んでいこうと思い、Twitterでの公募も行って他のチームに似たような感じに見せかけていました。

当時の公募文。いかにもシャドバチームだ。

当時の活動内容

結成理由にも書いたのですが、Tonamelが大盤振る舞いをしている状況でシャドバ大会を開くと大会運営者にもエナジードリンクが配布されていたので、チームメンバーの半分ほどがシャドバ大会をTonamelにて運営していました。Tonamelでよくプレイする方々には少しは認知されていたかなと思います。
そこから、当時の活動内容はこんな感じでした。

  • Tonamel大会の運営

  • Tonamel大会の参加

  • 内戦

「あれ、レートとかJCGは!?」って思う方が多くいると思います、その通りでございまして当時はほとんどの人がレートをやっていませんでした。
チーム単位でBO1に打ち込みまくり、エナジードリンクを荒稼ぎするという半ば海賊行為に近いことをやっていたと思います。(法やルールの中でです)

蜩海賊団

チーム戦に出よう➡大きな壁

Tonamel海賊によりチームメンバーも10人を超えてきて、構築チームらしいことをしていこうと「SAリーグ」に参加しました。

SAリーグとはBO9形式でチーム、窓、有志団体が参戦して頂点を決める非公式の大会です。当時から多くのチーム(64チーム以上)で賑わっていて、まずここに参戦していくのがチームっぽいだろうと考えました。

SAリーグのエントリーを済ませメンバーの使用できるデッキを把握して、いざ挑戦!優勝するぜ!

結果・・・あまりにも負けすぎ

  1. 2勝5敗 グループ6位

  2. 2勝5敗 グループ6位

  3. 1勝6敗 グループ7位

以上の戦績のように、最初の3シーズンは通算5勝16敗とあまりにもひどい戦績を出していました。このチームが後々SCL優勝を果たすなんて信じられない話です。

ただ当時の事を考えると、ありとあらゆる所で酷かったなと感じています。

SAリーグに出た蜩


負けの原因とは?

あまりにも負けまくった原因を今の私が考察した結果、以下の3点になりました。

  1. プレイのアドバイスがなかった

  2. 反省会を全然していなかった

  3. 負けるときの雰囲気が最悪だった

まずはプレイ指摘の部分、負け試合でも勝ち試合でも試合中の判断ミスは多く存在すると思います。当時の私たちは勝敗のみを受け入れていて、反省会もせずプレイ部分に関しては全然何も話していませんでした。
この状況ではチーム戦という場を設けているのにもかかわらず、ただランクマッチを回していることと同然の状態になり、プレイヤーの成長につながりません。

チーム内で上手いプレイヤーがいない場合、プレイのアドバイスすら難しい状況になってしまいます、その中でも最低限チーム内で一番実力のあるプレイヤーのアドバイスは受け入れて実行できるような環境を作るべきだと思います。

チーム戦では個人的に雰囲気作りも大事だと私は考えています。当時のチームでは負けた時に煽りや喧嘩などがあり、チームとして機能していないレベルまで最悪な状況になっていました。勝ちに行こうという気が感じられない状況でチームが勝てるはずないですよね。

4回目の参戦で4勝3敗

ようやく勝ち越しができました。取り組み方としては反省会やプレイ面の指摘を取り入れたこと、単純にレートをやっているメンバーが増えていて私自身もチーム戦への準備や用意などをルーチン化していたこともあり、チームの地力、試合の準備という面がしっかりとしてきたのでようやく今後に明るい兆しが見えてきました。

この当時のSAリーグでは各リーグで1位のチームしか通過できないため、予選突破はできませんでしたが、次回の予選突破に向けてより気合を入れていました。

解散危機

犯した3つの大罪

チームが上向きになり始めた途端、私は3つの過ちを犯してしまいました。これはチーム管理に置いて結構大事な面だと思います。その過ちと以下の3つです。

  1. チーム戦の参加漏れ

  2. 発言していないメンバーへの名指し注意

  3. リーダーのワンマン運営

まずはチーム戦の参加漏れについてです、この時のSAリーグは運営体制が大きく変わり、新たにSCL(Shadowverse Community League)として生まれ変わりました。

その記念すべきSCLの第1期の参加募集が先着順だったのですが、見事に寝落ちしてしまい参加切符を手にすることが出来ませんでした。
チームメンバーはSCLへの出場機会を求めて他の窓やチームに入ったこともありチームとして活動する大きな場所を失ってしまったため、チームとしている意味があまりない状況になりました。

そして2つ目の「名指し注意」です。チームとしての活動が落ちてしまっていた時に、通話やチャットの発言すらあまりないメンバーがいたために、チームとして全員で動いて欲しいなという意向でそのメンバーに「参加できていないので活動してください」みたいなニュアンスで伝えました。ただ名指しで注意をしてしまったため晒し上げにした感じになってしまいました。それで嫌になってしまったのか、その方はチームを去っていきました。

3つ目のワンマン運営はその名の通りで、結局最後まで私が一人でずっとチームを動かしているという状態になっていました。
結果他の人の意見というのがあまり通らずにチームの方向性を決めてしまい、チーム方針と個人の目標が合わない人が続出してしまいました。

泣きっ面に蜂のように高3のメンバーが受験で5人くらい一次脱退をしたり、強豪チームにメンバーが旅立って行ったりなど一気にチームの流れが悪くなってしまいました。解散寸前の状況で、この時はアクティブが5~6人しかいない状況になりました。

泣きっ面に蜂いかわ(画:小梅)

当時としては大分杜撰なチーム運営だったなと感じています。少しずつ競技シーンに取り組む土壌が完成していってるものの、チームメンバーの意向をくみ取る力がまだ足りずこのような事態を招いてしまったと反省しています。

ここから学んで欲しいこと

  1. 大会の日程はきっちり抑えておく

  2. 晒し上げや強要行為をしない

  3. チーム皆で方向性を決めよう

私からは特に2の項目について気を付けていただきたいと思います。
人によってはレートを強要すると逆にやらなくなってしまったりなど、性格やモチベーションによって取り組み方は変わってきます。
「レートを~試合やれ」「RD下げ切れ」と言っても達成する人は少なかったです。しかもその強要行為によってチームメンバーでも「競技に取り組む人」「普通の人」「あまり来ない人」で序列が生じてしまい、結果チームの分裂につながっていくので、「強要」行為はなるべくしないようにしないといけないなと思いました。

SCL Season2の軌跡

初の予選突破

前回のSAリーグ参戦から半年が経過し、受験生たちがぼちぼち受験を終えて帰ってきたのでチームとしての状況は好転していました。その時期に丁度SCLも2期目の開催となり、今度はやる気満々で1番乗りで参加申請をしました。

90チーム以上が参戦したリーグですが、蜩は序盤から白星を重ね予選突破ライン上にいました。
予選突破が現実的になってきた時にチームとして一度話し合い、メンバー選定については本気で勝ちに行く構成にすると決めました。

この時のチーム状況はまさに良い感じとなっていました。具体的には以下の点が予選を勝ち抜くことが出来た理由と考えています。

  1. 勝ち試合、負け試合どっちもしっかりと検討を行う

  2. メンバーのメンタルを意識した投入順の策定

  3. 出場選手を本気で選定

負けた理由として挙がっていた反省会や指摘が無かった部分は積極的に改善していた部分です。使用したデッキに関して知見のあるプレイヤーが細かいポイントの部分でもしっかり指摘を行い、「バトルログ」「相手の手札の検討」「思考速度」の部分にまでわたり細かい話し合いが行われていました。

勝った試合でも「ナイス!」よりも先に「ここって~した方よかったね」みたいな指摘があったりしました。ここまでくるとどうかと思いますが、非常にプレイ磨きに貪欲だったと思います。

個人的には3の項目が一番大事だと思っていて、これが出来てないチームが多いと思います。蜩ではまず5つのデッキに絞り、そこから各デッキで一番実力があるプレイヤーを選出していました。
出場候補選手に対して、BO9対面を想定して壁打ちを行ったり、プレイの検討を重ねていくことで出場選手を時間をかけて選定していました。

非常に面倒な風に見えますが、勝てる試合を落とさないためにはメンバー選定は絶対必要だと思っています。

このようにしてBO9に関する取り組みが大きく変わったことで、蜩は予選を5勝2敗で突破して決勝トーナメントに進出しました。

決勝トーナメント

1度負けたら終わりな決勝トーナメントは、32チームが進出し優勝の座を争う方式になっています。

決勝の場でも予選突破したときと同様ストイックな取り組み方をしていました。またレート期間も終わったこともあり、予選よりも多く時間をかけてメンバー選定を行ってきました。
この取り組み方により、決勝トーナメントを勝ち進むことができ蜩はSCLで優勝することが出来ました。

ノリで出来て半年前まで負けまくっていたシャドバチームが、レートも取り組むようになり実績も増えていき、ついにはSCL優勝まで行くことが出来ました。

めっちゃ嬉しかった。

優勝から一転、チーム爆散。

まだまだ好調な蜩さん

SCL優勝したことでメンバーの団結力も上がり、オフでも頻繁に会ったりや別ゲーなどもめちゃくちゃ楽しんでいました。

SCL3期でも予選突破を果たし、さらにRAGEプレーオフ決勝まで進む人が居たり、レートランクインなども複数回出たり、JCG優勝者を出したりと実績を積み重ねていきました。

解散危機から学べなかった

素晴らしいチーム状況だった蜩ですが、当時の私はこんなことを考えていました。

  • レートをメンバーみんな取り組んで欲しい

  • ボトムアップすることで、安定してDSALやSCLで勝ちたい

レートを真剣に取り組む人とそうではない人が結構目立つ状況になり、私はボトムアップも兼ねて学生のメンバーに「RD下げ切り」「暇なら無限レート」の目標を設定していました。

メンバーにレートを強要することで、むしろやる気を下げる結果につながってしまいました。
また真剣に取り組むメンバーのフラストレーションも溜まっていったのかなと思います。
さらにSCLでのプレイ指摘やメンバー選定をより激しくしていったことにより、チーム戦に出にくい雰囲気が出ていました。

「自分が出たら怒られるから出たくない」、「自分より上手い人がいる」などのネガティブ思考が蔓延したため、このような結果を招いたのかなと思います。メンバー選定も過激なところまで行くと悪影響を及ぼしてしまうと認識しました。

真剣に努力している人に対しての劣等感や、チーム内序列がまた生じてしまっている状況になっていき、SCLにも参加メンバーが5人そろうか怪しくなる状況になっていきました。

上に記載した解散危機の部分で強要行為がいかに良くないかをあげていましたが、このようにして気が付いたら私はワンマンでレートを強要するク〇リーダーになっていました。

パワハラリーダー

爆散

レートを真剣に取り組むメンバーのフラストレーションが溜まったことや、あまりやらないメンバーが今後またやる気を出すように見えないのもあり、数人が新チームを立ち上げて活動の場を移すという流れになりました。

レートをやるメンバーがリーダー以外実質0人になることや、他チームの移籍などもあったため、2022年9月にこのチームを窓化してチームとしての活動を終了する決断を下しました。

約2年、SCL優勝というかけがえのない思い出を残せて最高の経験だったなと思っています。

まとめ

チーム戦で勝てるようになった経緯や、チームが爆散してしまったことなど原因を深堀りして分析をしました。チーム運営の参考になったら非常に嬉しく思います。

シャドウバース Advent Calendar 2022では、他にも多くのプレイヤーが記事を執筆してそれが毎日公開されていきます。まだまだいっぱい記事が出る素晴らしい企画ですので、是非チェックしてください。
素晴らしい企画を立案したToby氏に感謝の意を述べさせていただきます。

最後に、今までの経験で培ったチーム運営の3原則を上げてこの記事を終わります。

チーム運営の3原則

明日はにゃんこクエスト氏による記事です、明日以降も沢山記事が出ますので、ぜひブックマークをお願いします!
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