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孤独な変態科学者たちの夕べ(7日間ブックカバーチャレンジ 6日目)

『異貌の科学者』小山慶太

高校の物理の先生が、電流の話の時にしてくれた
「電流計がなかったころの実験では、触ってビリっと来たかどうかで調べていた」というエピソードが衝撃的すぎて、もっと教えてくれと頼んだらこの本をすすめてくれた。

 ヘンリー・キャベンディッシュという名前の科学者は人嫌いでめったに外に出ずに自宅で研究し続けた孤高の科学者だった。彼の死後、大量の未発表原稿が見つかり、それによるとオームの法則をオームより早く見つけていたことが分かるものもあった。
 この原稿を受け継いで研究をしていたのが100歳年下のマクスウェル(電磁場の研究で有名)で、ケンブリッジ大学の研究所で当時最先端の科学者が100年前に行われた実験を改めてやって確証していったという。
 そのなかに、例の「電極を触って体に感じるビリビリで電流の大きさを計る」というのもあった。しかも、きわめて正確な数値にしてあったみたいなので、キャベンディッシュの人間電流計についてはマクスウェルも驚いていたみたいだ。
 マクスウェルはキャベンディッシュの未発表原稿をまとめた『ヘンリー・キャベンディッシュ電気学論文集』を刊行。その翌月にマクスウェルは亡くなった。
 マクスウェルが勤めていた研究所は、キャベンディッシュ研究所と名前がつけられていて、今もある。2012年まで29人のノーベル賞学者を輩出している。

この本にはヘンリー・キャベンディッシュの他に3人のクセの強い科学者が紹介されていて、どれも素敵だ。
科学のめんどくさいことも書いてあるけれど、この本の主眼はへんてこ科学者のもつ情熱と人間のドラマを描いている。
こういう作品をかけたらいいなと、思う。

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