世界で一番ダサいヘアースタイル

この曲を聴くと 何故か 先日亡くなった猫を 思い出す。
彼女は ピアノの音色が好きで 私が弾き始めると 大抵 ピアノの下に来て 寝てしまう。聴いているのかも知れないが 寝てるようにしか 見えない。
彼女の お気に入りの曲は 幾つかあって その一つが
ドビュッシーの月の光だ。私はこの曲を 満月のたびに弾いている。
そして シューマンの トロイメライも 私たちのお気に入りだった。
もう 聴いてくれる猫はいない。

彼女が亡くなる前、亡くなることは想定していなくて 髪を切るために 予約を入れた。
そして その日は 彼女が亡くなってから 2日目だった。
まるで 気持ちの切り替えが 必要になるであろうことを 事前に 知っていたかのようだ。
そして 念願かなって マレットにした。
切ってみたら あまりにピッタリなので これまで 長い間 躊躇していたのは 意味がなかった。
後ろは残し トップは短く 耳の上は 刈り上げた。3ヶ月もすると ちょうど良い長さになって
今とはまた違った マレットになるだろう。
それも 楽しみだ。
何故か 日本の記事には このヘアースタイルは 世界で一番ダサいとある。
そのダサい髪型が やたら似合うって どういうことだろう?
しかも 波乗りには かなり楽だ。
長い時は 波にまかれるたび 髪の毛が 顔にかぶさったりして いちいち 手で払わなくては いけなかった。波の大きい時は そんなことを している暇が なかったりする。
今は 波にまかれても 顔周りの髪が短いので 全然問題ない。それより 手入れが楽だし コンディショナーも必要ない。
将来的には ソフトモヒカンにできたらいいなぁと
思っている。実は 16の時にも ソフトモヒカンにしていた。あの時も かなり似合っていて 床屋で切ったのだが 店主が驚いていた。

今日 彼女のなくなった日を スマホのカレンダーで
確認したら その日は ローシュ ハッシャーナー(ユダヤ暦の新年)だったことに 気づいた。
私にとっては 彼女なしの人生がスタートした日だった。早朝 暗い空に まだ星の残る頃 近所に波チェックに行くと ミツバチが 運転席側の窓に止まった。
別のポイントに行くのに すぐに車を出さなくては
行けないから 指を差し出して 止まってくれるように
と願った。そして 道端に咲く花を見つけ そこに止まるように促したのだが ブンブン羽音をたてて 指に止まっている。
巣が近いはずだから 車に乗せて移動するわけにはいかない。それで指を振り下ろすように 花の近くで動かしたら なんとか離れてくれた。
車を 発信させながら あの蜜蜂は 亡くなった猫かも知れないと ふと 思った。


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