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砂漠をゆく

私たちはある日砂漠に産み落とされた。

昼の灼熱を歩き、夜の寒風に耐える。なぜこの場所にいるかと、問う宛がなくて空を見上げる。

行く道どころか、来た道すらも分からない。
一面の砂漠。
そこは小さな粒子の集まりで、なにもないようで、なんでもある。

砂を踏みしめ、少し滑り落ちる。そのたびに、孤独の音がする。

人生の途方の無さは、砂漠の孤独と似ている。
私はそう思うのだ。

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