窓際からの日差し2-6
第6話 諸刃(もろは)の剣
香子が「何、あれ?」と指を差すと、野乃が「うわ、凄い真っ黒」と驚いていた。
真っ黒の帽子に洋服を着て、高子がその場に立って居た。
高子が「おはよう。私ね?今度から真っ黒な洋服を着ようと思ってね」と香子に話し掛けた。
何処かの男子から「高子どうしたんだよ?その洋服。制服はどうしたんだ?」とけらけらと笑って居る男子の頭をバットで殴った。
男子たちは「痛いな。何するんだよ」と高子に怒っていた。
高子は「男子は皆私に平伏せばいいのよ」と前のような平穏な顔でなく、ふやけた笑みで怖い感じがした。
香子は「恐ろしいな。何でバットを持って居るの?」と高子を見て怯えていた。
高子が「どうしたの?香子ちゃん」と何も無かったように平常心で声を掛けた。
香子は「何でも無いわ。ごめんね」と何故か逃げ帰る様にして帰って行った。
道成が「お前何その恰好?怖いから辞めろよ」とビシッと高子は指摘を受けた。
高子は「何で皆、近寄ってくれないんだろう?」と心の中で疑問が浮かんできた。
その気持ちを映すかのようにして、外では雨が降っていた。
高子は家に帰り、普通の洋服に着替えた。
野乃が「あれ?高子さん、どうしたの?」と心配で高子に声を掛けた。
高子が「聞いて?私、道成君の事が好きなの。でも、あなたのお姉さんの事を道成君が好きみたいで、私に振り向いてくれないの。どうしたら良いと思う?」と直接、野乃に聞いた。
野乃が「あぁ、そうだね。好きだったら素直にその気持ちを道成に伝えてみたら良いよ」とハッキリと高子に気持ちを伝えた。
高子は「そうだね。私、勇気を出して道成君に告白してみるよ」と野乃に返事を返した。
道成に高子が「今、話があるんだけど良いかな?」と声を掛けた。
道成が「話って何だよ」と高子に尋ねると、高子が「私ね?道成君の事が好きなの。私と付き合って欲しい」と率直に気持ちを伝えた。
高子は顔を上げると、そこには道成が居なくて、高子の前に居たのは邦宏だった。
邦宏が「高子、ありがとう。俺、前々から高子の事が好きだったんだ。付き合って下さい」と張り切って告白を返した。
高子が「しょうがないわね?振られた者同士、仲良くしましょう」と快く邦宏と高子は付き合う事になったのだった。
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