君の描く空は

第４話　俺の空

カズユキが「ただいま」と家に帰って来た。

ミツヨが「あら、お帰り」とカズユキに声を掛けた。

メイが「お帰りなさい。お兄ちゃん」と挨拶をすると、何故かよそよそしく歩いて居るのが見えた。

カズユキが「何をやって居る？メイ」と話し掛けると、メイが一歩ずつ後ずさりをしながらお金が落ちて行くのが見えた。

カズユキは「もしや、俺のお金じゃ」と思い、貯金箱を見るとお金が１円も入って居なかった。

カズユキが「メイ、１枚１枚お金を落とすなよ」と叱られていた。

メイが「嫌だよ。お金は、私の目の前にお金が在ったから、つい出来心で」と泣きながら返事に答えた。

カズユキが「どうして盗んだ？理由を言え」とメイを問い詰めた。

メイが「だって、大好きなお菓子が欲しくて、お金が無かったからお金が欲しかったの」とカズユキの返事に答えた。

カズユキが「しょうがない。１０００円だけあげるよ」と財布からメイにお金を渡した。

メイが「さっきは、お金を盗んでごめんなさい。お金を返すね」とカズユキに残りのお金を渡した。

カズユキは「ありがとう」とメイの頭を撫でた。

そして、カズユキは二十五万円がたまり、カートレーサーの車を購入した。

家でもカーレーシングをやる為に、家の周りを回るコースを作って早速練習を始めた。

カートレーサーのコスチュームを借りて、カズユキはカーレーシングを始めると途端に周りの人の目を奪う程のカーレーシングをやっては、皆の注目を浴びていた。

いつの間にかお金を稼ぐようになっていた、カズユキは妹や家の為にお金を入れるようになった。

何時の日か一人暮らしを始めるようになっていたカズユキは、スズと一緒に暮らすようになっていた。

周りの皆から「優しくなったし、身体はたくましくなった」と言われるようになっていた。

スズが「ね？妹さんは、何時遊びに来るの？」とカズユキに声を掛けた。

カズユキは「その内来ると思うぞ」とスズに返事を返した。

スズが「そればっかりで、全然、妹さんが来ないじゃない」と詰め寄られた。

カズユキは「そんな事を言われてもね？妹の用事も有る訳だし、来られないのは仕方ないだろう？」とスズに返事を返した。

スズが嫌になったような顔をして、「じゃ、私、出掛けて来るから」と外に出て行ってしまった。

スズはバタンとドアを閉めて、スズが居なくなると寂しくもあり、今よりも部屋が広く感じた。

ピンポンとチャイムが鳴ると妹のメイが「あ、ごめんね？さっきスズさんが出掛けて行ったのが見えて、私、バイトも始めたし、学校も有るから忙しくてゆっくりして居られないの。これお土産の抹茶ケーキ食べてね」と差し入れを差し出した。

カズユキが「ありがとう。メイ」と笑顔で返事を返した。

メイは「じゃ、私はこれで。またね」と手を振ってそそくさと帰って行った。

スズが「あら？メイちゃんって帰っちゃったの？」と残念そうにしていた。

スズが「ただいま。さっき、メイちゃん来て居たけど声を掛ける前に帰っちゃったから寂しかった」と寂しそうにしていた。

カズユキが「そうか。バイトして、高校も行って居るから忙しいみたいなんだ」とスズの返事に答えた。

スズが「そうなの。じゃ、忙しいのね」とカズユキに声を掛けた。

それから一夜は過ぎ、カズユキたちは何もなく一緒に夜を過ごした。