君の描く空は 2
第2話 ミズキ
カズユキが「おはよう。シホ」と挨拶をした。
シホが「おはよう。カズユキ」とカズユキに挨拶を返した。
ミズキが「お父さん」とカズユキの事を呼べるようになっていた。
カズユキが「今、お父さんって呼んだか?嬉しいな」とミズキに声を掛けた。
シホは「そうね?でも、ミズキは少し見る間もなく大きくなって、少し歩けるようになったのよね?」と嬉しそうにして居た。
カズユキが「そうだ。今日、遊園地に行かないか?」と話し掛けた。
遊園地は、とちのきファミリーランドで今日のお客さんは、お客さんでごった返していた。
ミズキが「メリーゴーランド乗りたいよ」と指を差して、乗りたそうにして居た。
カズユキが「お、楽しそうだな。俺は、ここで見て居るからな」とカメラを片手に、写真をパシャリと撮った。
コウジはまだ小さくて、シホに抱っこされながら両手をばたつかせて、見ていた。
コウジを抱っこしながらシホは、ベンチに座って暖かい陽気に誘われて、眠りに就いたシホを他所に、蝶々がヒラヒラとしていた。
コウジが「わぁ。わぁー」と蝶々を追いかけて、ハイハイしていた。
そこにカズユキが居て「あれ?コウジは如何した?」と訊ねられて、シホが「あら?コウジ。何処に行ったの?」と辺りを見回したが、何処にもおらず困って居ると、遊園地のスタッフが「どうしましたか?」と訊ねて来た。
シホが「さっきまで抱っこしていたコウジって言う小さい男の子が寝ている間に居なくなりました」と遊園地のスタッフに声を掛けた。
遊園地のスタッフが「それは大変だ。どういう洋服を着ていたかは分かりませんか?」と訊ねられて、シホが「いいえ、わかりません。でも、緑色の洋服だったかな?今、ハイハイして行ってしまったと思うので」と話をして居たら、コウジが「きゃははは」と笑って居る声が聞こえて来た。
シホが「コウジ?そこに居るの?」と声を掛けると、コウジが「お母しゃん」とシホを呼んだ。
コウジが「お母しゃん」と言いながら、ハイハイして来て居た。
遊園地のスタッフが「そちらが、コウジ君ですね?見つかって良かったですね」と笑顔でその場を後にした。
シホが「ありがとうございました」とお辞儀をして、カズユキが「本当に良かったな?無事でよかった」と安心していた。
ミズキが「どうしたの?皆して泣いているの?」と驚きながら、皆の顔を見ていた。
コウジが遊園地で迷子になって居た事を話すと、ミズキが「私も迷子になる事あるよ」と飴をなめながら話していた。
シホが「そう。でも、まだコウジは小さいから迷子になったら、もしかしたら帰って来られなくなっちゃう事も有るのよ」とミズキに言い聞かせた。
ミズキが「ふーん。私が、迷子になったら心配しないの?」とシホに質問をした。
シホは「もちろん心配よ。当り前じゃない。私達の子だから」とミズキに返事を返した。
ミズキが「だって、私よりもコウジの方が一番大切そうにして居るもの。ちょっと妬けちゃうよ」とシホに話し掛けた。
シホが「でもね?2人居たら、2人同時には見られないから、ミズキはコウジのお姉ちゃんでしょう?そんな事を言わないの」ときつく𠮟っていた。
ミズキは「はーい。分かりましたよ」と少し拗ねていた。
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