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君はテトラポッド

第7話 過ごした季節

ケントが「人間になってから、人と上手く接するのは難しいな」と日頃、心の中で思っていた。
ナオが「あなた、もう少し外に出てみたら、どうですか?」とお盆に載せた湯呑みを渡した。
シュウケイがピンポンとチャイムを鳴らし「ワシじゃけど、元気にしているか?」と尋ねて来た。
ケントが「あ、おじいさん。どうしたんですか?」と訊ねた。
シュウケイが「ケント、お前も大きくなったな」と嬉しそうにして居た。
ナオが「あ、こんにちは。今日は如何なさられたんですか?」と聞いた。
シュウケイが「いや、わしが口出しする事では無いんだが、その2人の子供をつくらないのかと疑問に思ってな?」とケントに尋ねた。
ケントが「今まで僕はロボットだったから、子供をつくる気持ちまで持てなくて、でも、今の二人で幸せに暮らしていく方が良いと思いますよ」とシュウケイに今の気持ちを伝えた。
シュウケイが「そうか?じゃ、仕方ないな。でも、今があれば幸せだって事も有るしな」と嬉しそうに笑顔を見せた。
ナオは「私、子供って言われても困っちゃうわ」とケントに話をした。
ケントが「大丈夫さ。僕らは僕ららしく生きて行けばいいだけさ」と笑顔で答えた。
ナオが「そうね?それが一番ね」とケントに笑顔を見せた。
ケントはナオと眠りに就きながら、手を繋いだ。
ナオは「ね?一つ聞いても良い?あの時、ケントがロボットから人間になった時、あの日如何して人間になれたの?」とさりげなく聞いた。
ケントが「あれは女神さまが、ナオに似合う男の子になりたいと願ったんだ。あれから僕は本当に好きな人(ナオ)にキスして貰ったから人間になれたのさ」とナオに本当の事を話した。
それからというもの、ナオは「ケントと暮らせるだけで幸せだし、他には何もいらないよ」とケントの肩に顔を乗せて、2人で外の景色を眺めていた。
ナオはケントと手を繋ぎながら、夜の夜景を見ながらキスをした。
あれから、ナオもケントもおじいちゃん、おばあちゃんになっても楽しい日々を送って過ごした。

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