君の描く空は 2
第4話 見捨てないで
シホが「ミズキ?」と名前を呼んでも部屋の中では応答がない。
ミズキは部屋から出て行ったのは、白いタオルで繋いで縄にして部屋からこっそり出て行ったのだ。
コウジが「あれ?姉ちゃんは?」とシホに尋ねると、シホが「え?コウジ見てないの?」と冷蔵庫を開けて漁りながら答えた。
シホが「これ食べてね?今から、ミズキを探しに行って来る」とお昼を台所の上に置いて、コウジはおかずをチンしていた。
シホが「ミズキ、何処に居るの?」と外に出て、ミズキを探して居ると、近所のトオコに「あら?さっき、ミズキちゃんならそこの街路樹を抜けて、学校の方に向かって行ったけど」とほうきとちりとりを持って掃除を始めていた。
学校の校庭でミズキが「ほら、走って。1、2。1、2」とサッカー部のマネージャーをしていて、笛を吹いて、一緒に走り込みを始めていた。
カナデが「ね?今日、一緒に出掛けるって話して居たのに、どうしてサッカー部のマネージャーなんかやり始めたのかな」とミズキの事を校庭の隅から眺めていた。
シホが「はぁ。年をくうと走るのは容易じゃないわ」と息を切らしながら、校庭の隅に居るカナデの後ろに立って居た。
カナデが「あれ?もしかして、ミズキのお母さん?」と後ろを振り向いて、シホを見ていた。
シホが「あ、初めまして。私はミズキの母のシホです。カナデちゃんよね?よく、ミズキから話を聞いていますよ」と笑顔で答えた。
ユウリが「あれ、シホ?此処で会うなんて久しぶりね?」と目をキラキラと輝かせていた。
シホが「あぁ、美術部の時に居たよね?懐かしい」とユウリに返事を返した。
アヤメも来て「シホさん、久しぶりです」と後ろから声が聞こえて来た。
シホが「2人とも、元気そうで何よりです。あの後ね?カズユキの間に子供が生まれて、ミズキと、下にコウジって男の子が居るの。で、今はミズキが居るから此処に来たのよ」と話を始めた。
ミズキが「マネージャー。今、練習が終わりました」とサッカー部員が声を掛けて来たので、ミズキが「じゃ、各自休憩をとって下さい」とサッカー部員の皆に伝えた。
カナデが「お疲れ様。ミズキ」と横からタオルを渡して来たのだが、ミズキが「何か用?私はサッカー部のマネージャーをやって居るのに、のこのこ来て、私はもうカナデとは遊ぶ気は無いから」とつっけんどんに突き放した。
カナデは「でも、あの頃みたいに2人でプリクラ撮って、遊びに行かないの?最近のミズキは何かおかしいよ」とミズキに話し掛けた。
ミズキは「知らないよ。そんな事がしたいなら、他の子を誘ったらいいのに」と文句しか言われなかった。
カナデは「もう知らない。そんなに付き合い悪くなって、しかもサッカー部のマネージャー何かやり始めたから悪いのよ」とミズキに腹を立てていた。
ミズキは「私はサッカー部に全てを捧げる気でマネージャーをやり始めたの。カナデに何が分かるって言うのよ」とカナデに辛く当たった。
シホが「そんな言い方ないじゃない。カナデちゃんは、あなたの事を想って言ってくれているのに」とハッキリと言われて、ミズキの頬を叩いた。
ミズキは「何するのよ。お母さんにも私の気持なんか分からないくせに、偉そうに言わないでよ」と涙を流してサッカーボールを磨き始めた。
その後、シホと、カナデはその場を去って行った。
ミズキは「誰にも私の気持ちなんか分かる訳が無いよ」と腫れた頬を撫でていた。
サッカー部のコウキが「大丈夫か?頬腫れているじゃないか?」とミズキを保健室に連れて行き、綿を付けてテープを貼って応急処置をした。
ミズキは「コウキ、今日は家に帰れないし、帰る場所も無くなっちゃった。今日、泊めてくれない?」と保健室でコウキの耳元で呟いた。
コウキは「良いけど、一人で暮らしている俺の家は、少し散らかって居るから片付けないと」とミズキに今の状況を伝えた。
ミズキは「良いよ。片づけが終わるまで待って居るよ」とコウキに話をした。
学校の帰りに、ミズキはウインドブレーカーを着て白い息を出しながら、寒空の下でコウキが家から出るのを待って居た。