罪悪感マーケティング 〜罪悪感は人々の消費行動に影響するのか? (2021)
青山学院大学 経営学部 服部ゼミ:松崎 二千奈・上室 桃香・荒井 香奈
概要
本研究では、被験者 (N=164) をランダムに 3つのグループに分け、1つのグループ(コントロールグループ: N=58)の被験者には、罪悪感を想起させない質問を行った後、様々な商品に関する購買意思額を聞き、もう1つのグループ(「自己への罪悪感」トリートメント: N=57)の被験者は、「自分で決めたことを守れなかった経験」から、自らに対する罪悪感を想起してもらった後、コントロールグループと同じ商品の購買意思額を、さらにもう1つのグループ(「他者への罪悪感」トリートメントN=49)の被験者には、「他人を傷つけてしまった経験」から、他人に対する罪悪感を想起してもらった後、他2グループと同じ商品の購買意思額を聞き取り、比較しました。
実験結果から (1)自らへの罪悪感の想起は、男性における他者貢献の意欲・甘いものへの購買意欲を高め、(2) 女性における自己のため(嗜好品)の購買意欲を高めること、 (3) 他者への罪悪感の想起は、男性における他人のための商品(ギフト)への購買意欲を高めることが明らかになりました。これらの結果は、罪悪感は種類や性別によって購買行動に対し異なる影響を及ぼすことを示し、商品をPRする際の広告に利用できると考えられます。
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