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うつ病患者さん向けチラシのデザインを作っていて気づいた新たな視点
こんにちは。デザイナー歴30年、ハットツールデザイン、デザイン塾の女性デザイナー、松田です。
私は2014年からデザイナー向けに週1回『差がつくデザインの技』というメールマガジンを配信しています。↓よければ登録してくださいね。
世間一般では「チラシは文字が少ない方が読んでもらえる」とよく言われます。ただ、無理やり文字を減らしてぱっと見はスッキリさせたとしても、
商品の値段しか書いていないため、お店の雰囲気が伝わらない…
どんなサービスか内容が分かりにくい…
など…
このように、価値や特徴が全然伝わらないので「これではお客さんはこないだろうな…」と思ってしまうチラシを見かけることが少なくありません。
デザインのポイントを押さえれば文字が多くてもチラシは読まれる
日頃からクライアントに頼まれてチラシを作っていますが、はっきりいうと文字が多くても読まれます。読まれるので、ちゃんと価値が伝わり集客もできます。
ただそのために、読みやすいデザイン的な工夫が必要なのです。
よくやる3つほど書きますね。
見出しや小見出しを細かく入れる
図や写真、イラストを活用する
長い文章はブロックや枠、ラインで区切る
他にもいろいろありますが、このような工夫を加えることで、まずは「流し読み」がしやすくなり、「文字の圧迫感」を減らせます。つまり、デザイナーの腕次第で「文字が多くても読まれるチラシ」を作ることは可能なんです。
文字が少なくないと読めない人がいる
先日、あるクライアントからチラシの依頼があり打ち合わせをしていた際、目からウロコの話を聞きました。
その依頼内容はうつ病の方に見てほしいチラシ制作でして、クライアント自身、かつて布団から起き上がれないほどのうつ病を患っていた経験をしていたとのことでした。
その方曰く、症状がひどい時は文字が並んでいるだけで、目がまわってしんどくなり、もうダメと拒否反応がでるのだそうです。
これまで「文字が読みやすく並んでいれば誰もが流し読みくらいはできる」と思っていましたが、そういうことがあるんですね。この話を聞いて大きな気づきを得ました。
だからこそ、これから作るうつ病の方向けチラシは何がなんでも文字を少なくしなければなりません。
文字が多くなる要因としての「価値を伝える」ことは一旦置いて、まずは「知ってもらう」ことに重きをおいたチラシにすることにしました。
読みやすさを重視したデザインの工夫
ただ文字を少なくするだけでなく、次のようなデザインの工夫も取り入れました。
文字間や行間を広くとる
圧迫感を減らし、ゆったりとした印象に。丸ゴシックなどのフォントを使用
柔らかく親しみやすい雰囲気を演出。優しい印象の淡い配色を採用
心に負担をかけないデザインに仕上げる。
「心遣い」のデザイン
その他もイラストも水彩画タッチのものを使うなど、デザイナーとしての腕の見せどころでもありますが、心遣いも必要になってきます。
今やチラシはデザイナーでなくても、誰でも作ることができます。情報を本当に必要とする人に届けるには、デザインのテクニックだけではなく、心遣いも時と場合によって使い分ける必要があります。
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