来世ジャッジメント⑥
こんにちは。
日曜日ですね。
7月ももうすぐ終わります。
良い形で7月を締めたいですね。
中身のない入りをしました。すみません。
それでは今日も続きをお届けいたします。
昨日くらいのボリュームで。
是非ご覧になってください♪
ー・ー・ー・ー・ー
○会議室
審議委員 ABCDEF イスに座っている
審議A「よしみんな戻ったな。ミゲル達はまだだが、先に開始の儀だけやっておこう」
審議B「いつもここは緊張するね~」
審議C「これ終わったら帰ろっかなー」
審議D「だから今帰れ」
審議E「終わったあとなら帰られても特に支障はないかと思われます」
審議F「だから帰るってどこに帰るの」
審議A「ごちゃごちゃ言ってないで始めるぞ」
審議B「お願いします~」
審議A「では、起立!」
審議委員全員 立つ
審議A「気をつけ!」
審議委員全員 姿勢を正す
審議A「礼!」
審議委員全員 礼をしながら声を合わせる
審議全「大王様よろしくお願いします!」
激しい轟音と共に チカチカと稲光が煌めく
大地を揺らす地響きを引き起こしながら巨大な閻魔大王がセンターに登場(横3m×縦5mぐらい)
桁違いの迫力 異様な出で立ち 恐ろしい表情に誰もが圧倒される
審議A「大王様、これより人間小山静香の行く末審査会議を開始させていただきます!」
その声に反応するように、また轟音と稲光
それが止み 一同が大王に注目する
大王 「ラジャー」
再び激しい轟音と共に チカチカと稲光が煌めく
大地を揺らす地響きを引き起こしながら巨大な閻魔大王退場 はけきるのを待って
審議C「これいります?」
審議A「当たり前だろ、何を言ってるんだ」
審議B「大王様今日は機嫌良さそうだったね~」
審議C「うそ?!今のでそれがわかったんだ?」
審議A「じゃあひとまずミゲル達が来るまで小山静香の情報をおさらいするぞ。じゃあベジ太郎から」
審議B「は~い。えっと小山静香43歳、旦那さんとは3年前に離婚していて現在は娘ちゃんとの2人暮らし。日中はお弁当屋さんでパート、家に帰ればてきぱき家事をこなす立派なお母さんです」
審議A「なるほど。他には」
審議C「委員長」
審議A「吉四六」
審議C「娘は市内の高校2年生でテニス部のレギュラーっぽいですが、最近調子が悪いっぽいです。まあこれに関しては今回の件に特に関係ないかと思われっぽいです」
審議A「なるほど。急にぽいを多用するようになったのが気になるがまあいいだろう。他には」
審議E「委員長」
審議A「プリングルス皇太子」
審議E「今回小山さんは解離性大動脈瘤で倒れましたが、これは遺伝性のもので彼女の母親もそれで亡くなっています。くしくも母親が亡くなったのも小山と同じ43歳です」
審議A「なるほど遺伝か。他には」
審議F「委員長」
審議A「次期委員長」
審議F「現在現世の小山は、病院の手術室で手術中で余談を許さない状況です。手術の結果はフィフティフィフティかと」
審議A「なるほど、ちょっと言いにくそうなセリフだったな。ほかには」
審議D「委員長」
審議A「ミス・ピーチウィンク」
審議D「僕の名前をミス・ピーチウィンクからミセス・メロン投げキッスに変えて下さい」
審議A「ダメだ、他には」
審議B「あ、小山が倒れた時、たまたまレンツがその場に居合わせたそうです~」
審議A「レンツが?何故?」
審議B「レンツが担当している女の仮戻り中だったとか~」
審議A「仮戻り、そうかレンツの担当はあれだからな」
案内人ミゲル 静香 戻ってくる
案内人「ただいま戻りました」
審議A「おー戻ったか。じゃあさっそく、これより人間小山静香の行く末審査会議をはじめる。ミゲルさっそくだが、現状を報告しろ」
案内人「はい。現在の現世においての小山静香は、病院にて緊急手術の真っ最中でございます。難しい手術ではありますが執刀医の町田は優秀な名医、かつこの手術においての実績にも優れており、手術自体はかなり高い確率で成功するものと思われます」
静香 安堵の表情
案内人「ただし、言うまでもありませんが、この会議の話し合いしだいではその情報も意味をもちません」
静香 「え?」
審議B「普通に元の身体に戻せば~」
審議A「そんな簡単に決められるものではない」
審議B「とりあえず私は戻す派~」
審議A「ミスピーチウィンクはどう考える?」
審議D「現時点ではどっちとも言えませんね。ひとつ言えるのは、とんかつはマスタードで食べても美味い、って事ですね」
審議A「なるほど。じゃあプリングルス皇太子はどうだ?」
審議E「議論を進めないとわかりかねる部分もありますが、来世が望ましいと感じます。まああくまでもわたくしの直感ではございますが」
審議A「お前の直感は時に的確に物事を捉えるからな」
審議委員達うなずく
審議A「そして時に的外れな結果に終わるからな」
審議委員達うなずく
静香 「ダメじゃないですか」
審議A「時にというかほぼ的外れだからな」
静香 「さらにダメじゃないですか」
審議C「僕はこう思いますね」
審議A「どう思うんだ吉四六」
審議C「本人が現世に対して」
審議A「吉四六ちょっと待て(審議Dを見て)ピーチウィンクさっきのとんかつの話はどういう意味だ?」
審議D「え?伝わってませんでした?」
審議A「誰1人としてな」
審議D「ほらとんかつって普通ソースか塩で食べますよね。でもマスタードをつけて食べても意外と美味いんですよ」
審議A「…だから何だ?」
審議D「だから、彼女の行く末がどうなろうとも、それはそれで良い未来ってことですよ」
審議A「とんかつがマスタードで良い未来…、よくわからんけどまあいいだろう。すまん吉四六、話の途中だったな」
審議C「はい僕の中では決まってるんですが、とんかつにはおろしポン酢っすね」
審議A「その話は今どうでもいいんだ」
審議B「レモン汁も捨てがたいよね~」
審議A「のらなくていい」
審議E「とんかつにはソースですけど、目玉焼きは断然醤油ですね」
審議A「おい」
審議D「そこは塩でしょー」
審議A「おい!」
審議F「いやそもそも目玉焼きよりスクランブルエッグでしょ」
審議A「うぉい!!!」
みんな黙って審議Aに注目する
審議A「お前達何の話をしているんだ!関係ない話をするな!まったく。吉四六話を戻すぞ。玉子かけご飯がどうした?」
静香 「おい!」
審議C「玉子かけご飯に海ぶどうをのせる食べ方が絶品っぽいっすよ」
静香 「またそこ膨らませるんですね」
審議B「玉子かけご飯にレモン汁っていうのもいいかも~」
審議F「それはなしね。玉子本来の甘さが台無しになるわ」
審議D「玉子とレモンの相性は良いぞ。なんせ形が似ているからな」
審議F「どういう理屈よ。それならキウイと玉子だって同じ形だから玉子かけご飯にキウイ混ぜて食べなさいよ」
審議C「キウイって、ニュージーランドのシンボルである鳥のキーウィが語源っぽいっすよ」
審議E「そのニュージーランドのシンボルであるキーウィは『キーウィー』と口笛のような鳴き声なので、ニュージーランドの先住民であるマオリ族がキーウィーと名付けたんですよね」
静香 「よくキウイでこれだけ話が膨らみますね」
案内人「そうですよね。僕がキウイについて知ってることなんて、固いキウイをリンゴと一緒に袋に入れておくと早く熟すってことぐらいですからね」
静香 「十分すごいです」
審議A「お前達いい加減にしろ!今度はどの話からキウイの話になってるんだ!」
静香 「発端は委員長かと」
審議A「吉四六話を戻すぞ」
審議C「はい。僕は現世に対して、彼女自身がどれだけ執着があるかって事も判断材料としては重要かと思うっす」
審議A「もちろんそれも大事だな」
静香 「執着…」
審議F「委員長」
審議A「次期委員長」
審議F「次の世界への斡旋も忘れてはなりません」
審議A「確かにそれも滞らせるわけにはいかんな。他には」
静香 「次の世界っていうのは、来世ってことですか?(案内人に聞く)」
案内人「はい、ただおそらくあなたが思うそれとは違います」
静香 「違う?」
案内人「あなたがイメージする来世というのは、今よりずっと先の未来の世界でしょう。前世というのも同様に遙か遠い過去のもの」
静香 「そう、ですよね」
案内人「実際には来世と言っても同じ時代のまったく違うどこかの国の人として生きることもあります。それは今日生まれてくる赤ん坊かもしれないし、あなたと同世代の人かもしれない」
静香 「え?…それって、その何て言うか、記憶というか、その、性格?みたいなものはどうなるんですか?」
案内人「上書きされます。ただこれはとても説明が難しいんですが、上書きされると一言に申しましても…」
審議A「うるさいなー!」
静香 「はっ!」
審議A「すぐ終わるかなーと思って黙って聞いてたら来世だの前世だのポンセだの」
静香 「ポンセの話はしてません」
案内人「邪魔をしてすみません」
審議A「続けるぞ。じゃあベジ太郎の意見を聞こうかな」
審議B「私は~単純にこのまま現世を終えるとしたら、娘ちゃんが可哀想だな~って」
審議F「そんな単純でいいなら私たちは必要なくなるわ」
審議B「そうだけどね~、会議の第一段階として言ってみただけ~」
審議A「それでいい。様々な角度から意見を投げるのが会議の理想的な進め方だ」
審議E「委員長」
審議A「プリングルス皇太子」
審議E「このあたりで善悪の見定めを行うというのはいかがでしょうか」
審議A「そうだな。よしみんな準備をしろ」
審議委員達中央の機械の前に集まる
静香 「何が始まるんですか?」
案内人「あなたにとっては見られたくも見たくもないことだと思いますが、あなたの現世での善い行いと悪い行いがそこに映し出されます」
静香 「え?!何ですかそれ?!やめて下さい!」
案内人「大丈夫ですよ。ここで見られる善悪の行いというのは、いずれも最たるものを省いたものです。わかりやすく言えば善い行いと悪い行いの平均が映し出されます」
静香 「平均?全然わかりやすくないし、やっぱり嫌ですよ!」
案内人「僕たちは警察官でも裁判官でもありません。これを見てあなたを叩くことも称えることもありません」
審議A「その通り。我々はそんな事にいちいち反応する愚かな人間とは違う。安心しなさい」
静香 「でも…、そもそも何のために?」
案内人「これもひとつの判断材料になります」
審議E「では悪からいきます」
審議E 機械を操作する
審議委員にだけ見えているイメージ
審議A「えー鬼!」
審議B「ひくわ~」
審議C「これはきつい」
など、他の委員達も引いてる
静香 「めちゃくちゃ反応してるじゃないですか!愚かな人間とは違うとか言っておいて!」
審議E「続いて善いきます」
審議E また操作する また審議委員見る
じっくり見た上で何も言わない
審議A「うん、みんな戻って」
静香 「ここは何も言わないの?善い行いもあったでしょ」
審議A「では今のも踏まえて進めていこう」
審議委員達席に戻る
審議B「私やっぱり戻さない派に変える~」
静香 「え?」
審議A「理由は?」
審議B「だって、今の見たら変えたくもなるでしょ~」
静香 「いったい何を…(見た?)」
案内人「知る必要はないでしょう。知ったところで過去の出来事はどうすることもできません。皆さんの判断に身をまかせるのです」
静香 「でも…」
案内人「大丈夫ですよ」
静香 「…。あなたは、この会議には参加しないんですか?」
案内人「え?」
静香 「大丈夫って言われても、あなたが何かしてくれる様子もありませんし…」
案内人「気休めにしか聞こえませんか、でも大丈夫です」
静香 「だからどう大丈夫なんですか。具体的に言ってもらえないと、気休めにすらなりませんよ!」
案内人「今は詳しくは言えませんが、のちのちあなたの力になれる時がきますから」
静香 「のちのちっていつですか!今力になって下さいよ!」
案内人「ですから今はまだそういう段階じゃないんです。わかって下さい!」
静香 「だから今…」
審議A「うるさいなー!!」
静香 「はっ!」
審議A「すぐ終わるかなーと思って黙って聞いてたらポンセとかパチョレックとかレイノルズとか」
静香 「今回はどれも違いますね」
審議A「こんな注意散漫な状態では良い会議はできん。いったん休憩しよう」
静香 「休憩?」
審議D「委員長、僕からの提案なんですが、ここはひとつリフレッシュの意味もこめて一休みしませんか」
審議A「だから今そう言っただろ」
審議D「いや委員長が言ったのは休憩、ですよね」
審議A「そうだ、休憩しようと言ったんだ」
審議D「僕が言ったのは一休みです、だいぶ意味合いが違います」
審議A「だいぶ意味合いが同じだと思うけどな」
審議B「ひと休みよりは中休みの方がいい~。その方がより会議が進んだ感があるし~」
審議A「それはほんの少しわかる気がする、ほんの少しな」
審議C「んーどうっすかねー。より会議の疲労度、充実度を表現するなら骨休めというのもありじゃないっすか」
審議A「それはガッツリ温泉とかで療養するイメージだな」
審議F「全部なんか和風で堅いのよね。ここはやっぱりブレイクタイムで」
審議A「英語にしただけだな。まあでも嫌いじゃないぞ」
審議D「より具体的にコーヒーブレイクってのはどうかな?」
審議B「え~何かコーヒーを強要されてるみたいで嫌~」
審議A「別に必ずコーヒーを飲まなくてはいけないわけではないからな」
審議B「それならティータイムの方がいいな~」
審議A「それだとティーを強要されてるみたいにはならないのか」
審議B「ティーは種類が豊富だから大丈夫~」
審議D「それを言うならコーヒーだって種類は豊富だ」
審議B「コーヒーなんてアイスコーヒーとホットコーヒーぐらいでしょ~」
審議D「何を言ってるんだ。それこそ豆の産地から、挽き方から、クリームから、何から何まで種類なんて無数にあるんだ」
審議B「何から何って何よ、何一つ具体的な名前出てないし~」
審議E「ではもう諸々ひっくるめまして、フィニッシュというのはいかがでしょうか」
審議A「終わってしまってるじゃないか」
審議C「フィニッシュより終決のほうがいいんじゃないっすか」
審議A「だから終わったらダメなんだよ」
審議F「それを言うなら断絶の方がより終わりが強調されるかと」
審議A「終わりを強調する必要はないんだよ。休憩でいいじゃないか休憩で」
審議D「休憩はやっぱり違う気がしますねー。息抜きってのはどうですか」
静香 「このやりとりいつまで続くんですかね…」
案内人「その気になればいつまでも」
審議A「だから休憩も息抜きも意味は同じなんだよ」
審議D「いや休憩よりも息抜きの方がより開放感があります」
審議A「それはお前だけの感覚だ」
審議E「ここはひとつ学生気分を全面に押し出しまして、休み時間というのはいかがでしょうか」
審議A「学生気分は必要ない」
審議B「学生気分なら夏休みのほうがいい~」
審議A「だいぶ意味合いが変わってくるぞ」
静香 「この方達に私の未来をゆだねていいんでしょうか…」
案内人「(苦笑い)僕たちも少し休みましょうか」
静香 「休む?」
案内人「こちらへ」
案内人 歩き出す
審議A「おいミゲル、どこに行くんだ」
案内人「ちょっと、一息いれてきます」
審議A「一息いれる?」
審議全「それだ!」
ー・ー・ー・ー・ー
というところまで。
何か話が全然進みませんね笑
これが僕の脚本の特徴でもあります笑
一応脚本的にはまあまあ進んでおります。
続きはまた明日の夜に載せますねー。
よろしくお願いいたします!