来世ジャッジメント⑨

こんにちは。
少し早めのnoteです。
もう終わりが近づいています。
早いですね。
今日か明日で終わりますよ。

前の部分を読まれていない方は是非遡ってお読み下さい。
そこまでは長くないと思いますので。
終盤にきてようやく文字列?文体?を揃えました。
最初からやっておけば良かったー。

ん?やったけどスマホで見るとおかしかったんだっけ?
だとしてもやっぱりこれのほうが良いと思う。

次回からはこうします。
それではどうぞ♪

ー・ー・ー・ー・ー

○会議室

審議委員 ミゲル 静香 全員揃って会議再開

審議A「それでは会議を再開するが一度多数決を取ろう。まず小山静香を     元の身体に戻した方がいいと思う者」

審議D 手を挙げる

静香 「え?1票だけ…」
審議A「では次に小山静香を来世に送ったほうがいいと思う者」

審議E、F 手を挙げる

静香 「2票…?残りの方は?」
審議A「では次に」
静香 「次?」
審議A「ここに残したほうがいいと思う者」

審議C 手を挙げる

静香 「ここに残るって、確かさっきの方ともそんな話されてましたよね?    それってずっと彷徨い続けるって事ですか?」
ミゲル「いえ、この彷徨いの場所に残りなんらかの役目をこなしてもらうと    いう選択肢です。僕や審議委員の皆さんのように」
静香 「ということは、皆さんも元人間なんですね」
案内人「ええ」
静香 「そうなんですか…」
審議A「では次に」
静香 「まだあるんですか?」
審議A「そんなことよりも生姜焼き定食が食べたいという者」

審議委員全員 手を挙げる

静香 「それ今関係ないですよね。確かに美味しそうでしたけど」

案内人ミゲルも手を挙げる

静香 「あなたも食べたかったんですね」
案内人「(頷く)」
審議A「よし票も割れているし会議を続けよう」
審議B「私はどれにも手を挙げなかったんですけど~」
審議A「決めかねているのか」
審議B「やっぱり彼女自身の気持ちを聞きたいな~と思って~」
審議A「そうだな、そろそろ本人にも話を聞くとするか。ミゲル」
ミゲル「はい」

案内人ミゲル 静香を中央に連れて行く

審議A「緊張しなくてもいいぞ」
静香 「はい…」
審議A「では小山に何か質問があるもの」
審議B「はい」
審議A「ベジ太」
静香 「ベジ太?」
ミゲル「この段階からそれぞれの名前を略して呼び始めます」
静香 「段階があるんですね」
審議B「あのさ~率直に聞くけど、人生楽し~?」
静香 「え?人生ですか…?楽しい…?もちろん辛いこともたくさんありま    すけど、それなりに、私なりに、楽しい人生なんだと思います…」
審議B「ふ~ん。あんまり楽しめてるように見えないけどね~」
静香 「そう、ですか…」
審議B「まあいいけど~終わり~」
審議A「他にあるもの」
審議E「はい」
審議A「プリン」
静香 「プリン?」
審議E「先ほども少し話が出てましたが、やはり現世に対する執着というの    はお持ちになられてますよね」
静香 「執着、ですか」
審議E「はい。もちろんあなたご自身の人生もそうですが、娘さんの人生も    ございますからね」
静香 「そうですね…。娘はまだ高校生ですし、私がまだまだ頑張らないと    いけません。娘のためにも今死ぬわけにはいきません…。うん。は    い。私、私死にたくありません!」
審議A「主張が出たな、いいことだぞ」
静香 「ここへきて、わけもわからずいろんなことが起きて、何となく自分    のこれまでの人生や、これからの人生を考えてみて、やっぱり私は    生きたいんだ、現世で私としての人生を続けたいんだ。そう思えま          した」
審議E「それは、娘さんのため、ですよね」
静香 「そうです、ね」
審議E「ご自身のためではないですよね」
静香 「え?ですから…」
審議E「もしもの話で恐縮ですし、少々想像し難いとは思いますが、もし                  も娘さんがいなかったとしたら、現世に対しての執着はさほどない    と考えて差し支えないでしょうか」
静香 「娘が、いなかったら?」
審議E「あくまでも仮定の話です」
静香 「ちょっと想像もつきませんが、もし、そうだった場合は、今の状況    よりは、多少薄れるかと思います…」
審議E「わかりました、ありがとうございます」
静香 「でもだからといって…」
審議A「わかっている。他」
審議C「はい」
審議A「ちょむ」
審議C「ちなみにですけど俺たちみたいな生活どうっすか?」
静香 「え?」
審議C「ほら、この彷徨いの場所にいて日々あんたみたいに彷徨ってる人と    接っして過ごすの。結構楽しいよ」
静香 「はぁ…」
審議C「俺はさ、他のみんなよりはここにきてまだ日も浅いんだけどさ、こ    こを選んで良かったなーって思ってるんすよ」
審議A「お前の感想はどうでもいい」
審議C「要するに、生きるか死ぬかじゃない、第3の選択肢も視野に入れて    おいてほしいってことっすかね」
静香 「それは少しお聞きしました」
審議A「この選択肢については、ここにくるまでは想像すらしなかったであ    ろう。ただ、そうなることもあるというのは頭の片隅においておく    がいい。ほか」
審議F「はい」
審議A「委員長」
静香 「そう略すると意味が」
審議F「来世について少しお話させてもらいます。あなたは輪廻転生という    言葉をご存知?」
静香 「はい…、一応聞いたことはあります」
審議F「いわゆる生まれ変わりね。それについてあなたはどう思う?」
静香 「私はそういうことには無頓着なので、あまり深く考えたことはない    ですね」
審議F「じゃあもし生まれ変われるとしたら、どうなりたい」
静香 「いやー、どう、ですかねー」
審議F「それが選べるとしたら」
静香 「選べる?」
審議F「もし来世の人生がいくつかある選択肢の中から選べるとしたら?今    の人生を捨てて来世に向かう?」
静香 「いやー」
審議F「今なら良い人生が揃ってるんだけど(カタログ出す)」
静香 「カタログ?来世ってそんな感じで決めるんですか?」
審議F「普段は違うわよ。今はキャンペーン中で特別に。ほらこのイギリス    の社長令嬢なんていいんじゃない」
審議A「おい来世ありきで話を進めるんじゃない」
審議F「すみません、つい。あ、ちなみに来世って過去にだって行くことも    あるからね」
静香 「へ?来世が過去?」
審議F「理解できないと思うけど実際そういうこともあるのよ。そして、未    来だとしても1年後もあれば100年後だってあるの。今その遠い    未来の魂が不足してて大変なの」
静香 「魂が不足?」
審議A「この話は理解しようとしなくていい。正直言って俺も理解できてい    ない。理解する必要がない。そういうものだ。ほか」
審議D「はい」
審議A「平安」
静香 「平安?もはや略とかでもないですね」
審議D「子供の頃に高台から眺めた景色が、大人になって眺めたそれとは     まったく違って見えた。そんな経験ありますよね」
審議A「ありません」
審議D「そう、誰もがするその経験。それと同じだと思うんです」
審議A「その経験してませんし意味もわかりません」
審議D「あなたが今、元の身体に戻っても、それはもはや元の身体ではな     い。ここでの体験をもとに感じたこと考えたことを踏まえた上で戻    る人生は、これまでのそれとはひと味違います。つまり元の身体の    ままで生まれ変わった人生を歩むことが出来るということです」
審議A「わかりません。おい平安を来世に送るっていうのはどうだ」
審議F「残念ながらそれはできません」
審議A「それは本当に残念だ。質問だぞ。他にあるもの。いないのか」
静香 「あの、私からも質問してよろしいでしょうか」
審議A「質問するのは構わんが、質問には限りがあるぞ」
静香 「限り?」
審議A「そうだ、質問は70個以内だ」
静香 「あ、そんなにはないので大丈夫です」
審議A「言ってみろ」
静香 「えっと、ここって生死を彷徨う人が来る場所ですよね?」
審議A「そうだ」
静香 「生死を彷徨わずに亡くなった方はどうなるんですか?」
審議A「こことはまた違う場所に行く。そこには元の身体に戻るという選択肢は存在しない分、また違う選択肢があるのかもしれないな」
静香 「また違う選択肢?それって天国や地獄、ですか?」
審議A「それは人間が作り出した世界だ」
静香 「では天国や地獄は存在しないんですか?」
審議A「天国地獄とは違うが、それと同じようなものはある。悪いことばか    りしてきた人間は地獄に落ちるのではなく、それに相当するような    場所を通るのだ。通るという事は抜けるということ。十分な苦しみ    と後悔を感じたのちまた来世へと向かう。天国も同様にな」
静香 「そうなんですか…」
審議A「まだ質問はあるか?」
静香 「はい。えっと…、この会議って…、いややっぱりいいです。質問が    たくさんありすぎて70個越えちゃいそうなのでもうやめときま     す」
審議A「そうか。よしじゃあもうまとめるぞ。ベジから最後のプレゼンをし    ろ」
静香 「ベジ」
案内人「さらに短く略す段階です」
静香 「さらに?」
審議B「は~い。私は最初は戻すほうがいいと思って~そのあとは戻さない    派に変えたんだけど~、それはこの人がここに必要な人だと思った    から~」
静香 「ここ?」
審議A「つまり彷徨いの場所にということか」
審議B「そうです。彼女の善悪の行いを見た時に思ったんです。こんなに心    の清い人はいない。この場所に残って彷徨う人々を見定め、行く末    の手助けをする。そしたら長い時間はかかるかもしれないけど、そ    れぞれの彷徨い人の行く末は明るくなるかもしれない、そう思いま    した」
審議A「ということはつまり」
審議B「案内人に推薦いたします」
静香 「私が、案内人?」
審議A「なるほどそういうことか。次、ちょ」
静香 「ちょ?それだけ?」
審議C「俺もここに残す方に1票っすね」
審議A「なぜだ」
審議C「俺自身がそうなんすけど、ここに残れて良かったと思ってるんす     よ。人間として生きた期間も楽しかったような気もするけど、それ    よりもそれをはるかに越える苦悩や絶望のほうが大きかった気がす    るんです。今後そういう思いをしなくて済むというだけでもここが    いいかなと」
審議A「そうか。では次、ちょう」
静香 「ちょ とほぼ一緒ですね」
審議F「私はやはり来世への道を推します。それは別に私が今そこの担当だ    からという事だけではありません。彼女はまだ人間としての歴史も    そこまで長くはありません。もちろん生きてる事での苦悩や悲しみ    など、抱えきれないこともあります。私ももう忘れてしまいました    が、人間だった頃はおそらくそうでした。でもそれらも含め喜びも    悲しみもトータルでフィフティフィフティになるようにできていま    す。来世もその次もまたその次も、全部合わせて人生なんです」
審議A「なるほど。それも確かだな。次、のーぶー」
静香 「これ絶対本番カットなやつだ」
審議D「正直決めかねています。本音は元の身体に戻すほうがいいと思うん    ですが、戻ったあとの事を考えると正直迷うところではあります」
静香 「戻ったあとのこと?」
審議A「それも踏まえて考えなければいけないな」
審議D「正直この病気なら元の身体に戻れたとしても、その後の経過しだい    ではそう長くない可能性があります」
静香 「そうなんですか?」
案内人「ええ…。元の身体に戻るといっても、病気が完治するわけではない    ので」
静香 「そっか…」
審議D「それならば、来世を選べるうちに来世を選択したほうがいい気もす    るし。でもきちんと最後のお別れをするためだけでも、戻るという    手段もあるし」
審議A「保留だな」
審議D「すみません」
審議A「最後、プリングルスサワークリーム&オニオン味皇太子殿下」
静香 「逆に長くなってますね」
案内人「そういう段階です」
静香 「もうわかりません」
審議E「わたくしは直感で来世の道を考えていましたが、それは少し無責任    な気がして。そして何より娘さんのことを考えると現世に戻すべき    かと。輪廻転生があるにせよないにせよ、結局のところ人は今しか    考えられないと思うんです。たとえ現世での残り時間が短いとして    も、やっぱり今を最後まで生き抜いてほしいなと、そう思います」
審議A「なるほど。よし皆の意見はわかった。ここでひとつ大王様の意見も    聞いておくぞ」
静香 「大王様?誰ですか?」
案内人「すぐにわかります」
審議A「では、起立!」

審議委員全員 立つ

審議A「気をつけ!」

審議委員全員 姿勢を正す
審議A「礼!」

審議委員全員 礼をしながら声を合わせる

審議全「大王様よろしくお願いします!」

激しい轟音と共に チカチカと稲光が煌めく
大地を揺らす地響きを引き起こしながら巨大な閻魔大王がセンターに登場(横3m×縦5mぐらい)
桁違いの迫力 異様な出で立ち 恐ろしい表情に誰もが圧倒される

静香 「え、何なに?!ここへきてまた何かあるんですか?!(大王様を見て)わー!!大きい……。閻魔大王?!」
審議A「大王様!ここまでの話し合いを踏まえて大王様の見解をお聞かせ下    さい!」
静香 「大王様の見解…?何か凄い影響力がありそう…」
轟音と稲光が止み 一同が大王に注目する

大王 「何の話?」
静香 「は?」

再び激しい轟音と共に チカチカと稲光が煌めく
大地を揺らす地響きを引き起こしながら巨大な閻魔大王退場 はけきるのを待って

審議A「さすが大王様だ」
審議C「いやさすがではないでしょ。完全に聞いてなかったでしょ」
審議A「最初から大王様に聞いてもらおうなんて思ってない」
審議C「じゃあ呼ばなくていいじゃないですか」
審議A「それは結果論だ。聞いていたらラッキーぐらいの感じだ」
審議C「大王様ってどういうポジションなんすか」
審議A「よし、ではもろもろ踏まえてとりあえず我々の結論を示したいと思    う」
静香 「結論って、もう決まっちゃうんですか?こんなあっさりと?怖い、    聞くのが怖い…」
審議A「現時点での審議委員の票で言うと、ここに残すが2票、来世1票、    現世に戻す1票、保留1票だな」
審議F「委員長はどうなんですか?」
審議A「俺か。俺の意見の前にひとつ言わせてくれ。ここへ来る人間の行く    末、魂の行方がどうなろうと本当のところはどっちでもいい。どっ    ちでもいいというのは別に投げやりな意見ではなく、どうなろうと    もそれがいわばさだめということだ。結局そういう言葉で片付ける    のかと思うかもしれないが、絶対的本質がそうだから仕方のない事    だ。現世でどんなに愛されどんなに惜しまれるような人が早くに現    世を離れることもあれば、そのまったく逆のような人が居座り続け    るようなこともざらだ。それは神のきまぐれや我々の裁量などでは    なく、そうなるしかないさだめだ。かといってこの会議が無意味で            あるということでももちろんない。会議を行うこともまたさだめ。    ここで誰がどんな発言をしようともそれもまたさだめ。それぞれの    意志で話してはいるが、すべては決まっていること。すべてが偶然    であり必然なのだ。まとまりのない話で申し訳ないが、それらを踏    まえて私の意見を言わせてもらう」
静香 「…」
審議A「小山静香、あなたは現世の元の身体に戻るほうがいいだろう」
静香 「え、じゃあ」
審議A「これを今日の会議の決定事項にしようと思う。意義はないな」
審議B「ありませ~ん」

他の審議委員も同調する

審議A「ではこれにて人間小山静香の行く末審査会議を終了する。以上!」

審議委員達 お疲れさまでしたー、と言いながら席を立ちはける

審議A「ミゲル、あとは任せたぞ」
ミゲル「はい、お疲れさまでした」

審議A はける
ー・ー・ー・ー・ー
というところまでで止めますね。
本当は最後まで載せてみたんですが、ちょっと長いかなと思いまして区切りました。なので明日ちょうど⑩で終了ですね。

いろいろ覚えていなくて、自分で書いたのに結末がわからなくなっていました。
そこのところは明日の夜になると思いますがお届けしますね。
お楽しみに~♪

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はっとー
サポートエリア?についても何もわかっておりませんm(_ _)m 感謝を申し上げればいいのでしょうか?当然そうですよね。ありがとうございます!!勉強します!!