【自閉症児への予定の伝え方】少し工夫するだけ、で伝わりやすさが倍増します!
「自閉症児には、予め予定を伝えておくとよい」ということは、自閉症児への対応としてよく聞く話です。
例えば、保育所や学校で事前に一日の流れを説明したり、次にする活動を具体的に伝える等の工夫のことです。
次に行う活動が分かっていると、見通しを持って安心して過ごすことができるという特性を持つお子さんには、有効な手段であるからです。
ところが、その予定の伝え方にちょっとした工夫がいるのです。今回は、事例を通して考えていきたいと思います。
Aくんは、自閉症スペクトラムのお子さんで、地域の保育所に通っています。
次の活動が、とても気になるAくんは、いつも先生に「次は?」と繰り返し聞いていました。
先生が次の活動を伝えても、「次は?」と何度も質問します。
先生は次の活動を伝えているのに、質問が続くのでどうしたものかと困ってしまいました。
実は、Aくんが本当に知りたかったのは、次の活動だけでなく、「次の活動とそれがいつ始まるのか」ということだったのです。
それに気づいた保育所の先生は、次のような伝え方の工夫をしました。
1.これまで通り、前もって次の活動を伝えておく
2.その時に、その活動がいつからはじまるのか、時計盤を見せて伝える
3.ホワイトボードに活動内容と時計盤の絵を描き、いつでも子どもが確認できるようにした
そうすると、Aくんの「次は?」がなくなったそうです。
このように、画一的な対応方法(Aくんの事例でいうと、次の活動内容を伝えておくことのみ)では、子どもによっては、あまり意味がないこともあるのです。
つまり、画一的な指導方法では、本当の課題解決には向かいません。
子どもがどこで困っていて、何を求めているのかを見極めることが大切なのです。
「自閉症には〇〇して関わろう」等の一般的な情報を「その子に合った環境やその子が楽しく暮らしていけるための方法」にアレンジしていきましょう。
それには、まずお子さんの現状や訴えたいこと、あるいは周りの状況をしっかりと確認するという作業が必要になります。
一般的によいとされている対応をしていても、なかなか上手く行かない、とお悩みのママさんや先生方。
一度、本当にその方法が、お子さんに合っているのかどうか、という視点で考えてみてください。
解決方法が見つかることがありますよ。
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