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乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(積読な日々006※完結済)
先日kindleアンリミテッドに加入しまして、途中読書を断念した作品を読み返しています。性描写と暴力表現が強めなので注意です。
”1420年、ボヘミア王国。戦争により家族を虐殺された12歳の少女シャールカは、フス派義勇軍の英雄ヤン・ジシュカに導かれ、仲間たちと共に反カトリックの戦いに身を投じていく。
15世紀、中央ヨーロッパで起こり「宗教改革」の端緒となった「フス戦争」をモチーフに、少女の視点で、史実に基づいた凄惨な戦争を描く歴史巨編!!”
本編は最終巻まで読み放題で全12巻。外伝1巻も読み放題です。
物語の舞台となるフス戦争は後世への影響が大きいですが、いまいち話の舞台になりません。宗教戦争らしい陰惨さがあるからでしょうか。日本でも似た時期に一向宗や日連系が暴れていますがとりあげられませんしね。
それでも銃火器を使用する戦争のルーツとして、日本史でも長篠の戦いの文脈を語る際に話があがるようになりました。その影響の一つとなった作品です。
神の国は来たれり…
農民に火器を持たして敵を翻弄する名将ヤン・ジシュカ、火器を持たされて波乱万丈の人生を歩まされる少女シャールカの二人を軸に、弱者たる農民たちが強者たる騎士を駆逐していく「始まりの物語」です。
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フス戦争から始まる農民による騎士の”ジャイアントキリング”は、互いに手を変え品を変えながら、2世紀後の三十年戦争頃には騎士階級の崩壊という形で決着します。更に2世紀かけて、主人公たちのラスボスたる王侯貴族が衰退し、現在に近い世界が構築されていきます。
ちなみに
フス戦争に関係する日本語(化)作品は、他にPS4・PCゲーム「キングダムカム」くらいです。これはフスが殺される前くらいが舞台で、本作にでてくるようなジギスムント配下の騎士やクマン兵士が登場します。
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