大会なき2020年の「視点」の切り替え
立ち止まり、考える時
2020年、スポーツ大会はない、と想定しておいた方がいい。為末大さんは競技志向アスリートへ、こう語る。
兎にも角にも一旦流れを止め、静かな時間の中で今を見つめ直していただきたいです
全てそのとおりだ。理由2つめ、トレーニング環境が公平ではなくなっているという点は、3月中旬には世界的に明確になっていた。3つめ、メンタル維持という点からも、退くべき時には早く退いた方がいい。
スポーツとは結果を求めて努力するものだけど、こんな状況では、結果を出す場がない。努力の対象を過程へと移すほかない。
その影響は、部活スポーツにも及ぶ。
ちょうど、4.6朝日に、鈴木大地スポーツ庁長官への「部活動改革、広がる時短意識 練習内容、映像で共有 自主・自発を重視」との2,000字超のインタビュー記事。
部活スポーツも、少しづつ改革が進んできたけど、2020年は(少なくとも秋ごろまでは)、立ち止まらざるをえない。強制的な急ブレーキで。
特に高3、大4など最後のシーズンなら
スッパリと諦めて受験勉強に向かう人もいるでしょうし、就職活動をする人も、試合が行われることを願って競技を継続する人もいるでしょう (為末さん)
という選択が現れる。長距離走(や水泳や自転車)なら、卒業後も1人でも続けられるけど、チーム競技などでは本当に最後になることもある。
ただ単に立ち止まるだけなのか、その時間とエネルギーを別のものに向けられるか。そんな選択の時だ。
結果から、過程へ
ここで必要なのは、視点の切り替え。
これまで、結果に対して視点を集中させていたとして、新たに、「結果に至る過程」へと視点をシフトさせる。この過程から得ているものは? その中で、将来も役に立つものは何か?という視点だ。
そして変化した状況にあわせて、ゴールを遠くへ再設定する。
相手の年齢などによって、その問いかけ方は変わるだろう。
先日の僕のツイートへの反応では、小学生サッカーさん:
(大怪我大失恋に似た状況、とは、なるほど)
高校の陸上部さん
「3年生たちがどう思い、どうするかは本人たちの自由」であり、その「選択肢を考えること」が指導者にとっての新たな視点となる。なるほど。
競技成績でスポーツ推薦を狙っていたトップレベルなら、AO推薦などを検討するべきだろう。すると、どうすれば、「競技結果以外」の方法により、自分の力を示せるか? と考え、言葉にすることが何かしら必要になる。
「考えること」がいろんな場面で必要なタイミングだ。
その1つのテーマが、指導現場のコミュニケーション。
少人数セミナー→中止(オンライン化しようかな)
そんな趣旨から、
スポーツ指導の現場における「指導者のコミュニケーション」
をテーマとしたセミナーを、4/18(土) 愛知県幸田町で開催しようかなと思いきや、こんな状況なので、会場開催はやめました。一応、残しておきます。
【セミナー概要】
内容:
・スポーツ指導者は、選手・チームに対して、どのように関わればいいのか?
・自ら考える選手に育てる「質問の仕方」
・選手のモチベーションをアップさせる「声の掛け方」
・選手の潜在的能力を引き上げる為の「具体的なコミュニケーション」
講師: 八田益之(一般社団法人日本スポーツコーチング協会東京支部)
【対象】
スポーツ指導者、スポーツ関係者、教育関係者、スポーツをしているお子さんをお持ちの保護者など
〜たとえばこんな方へ〜
コミュニケーションの重要性を感じている
厳しい指導、叱るだけの指導ではダメだと思っている
指導のレベルを上げたい
選手の能力を引き上げたい
昔は上手くいっていたことが上手くいかなくなった
従来の指導に限界を感じている
チームが伸び悩んでいる
今の時代に必要な指導知識がほしい
指導者としての幅を広げたい
指導に役立つ情報を入手したい
これから指導者を目指している
(日本スポーツコーチング協会「BASIC1研修」参加者アンケート「研修をお薦めする理由」より)
(幸田は実家、以前からの予定通りで、宣言前に移動済です。なお東京では電車外食面談などしていない仮想疎開を1ヶ月以上続けてました)
・・・
(ついでに書くと、為末さんの文の最後、「あの時に恥ずかしくない行為をしたという自分の過去ほど将来の自信になるものはありません」とは、ドーピングについてもそうなのだけど、ランス・アームストロングみてると何しようが全部自信になっていそうで、人間いろいろだとも思う…)