ニューヨーク単独ライブ「そろそろ、」
行ってきた。
はじめに
ニューヨークは特別ファンというわけではなかったのだけれども、前々から面白いとは思っていて、最近YouTubeに公開された「芸能人飲み会」というネタが大傑作中の大傑作で、俄然興味を持っていた。
観ていない人は絶対に観てほしい。
ニューヨークを代表するネタの根底には「あるある」や「共感」があると思う。
彼らがテレビに出始めた頃は、今以上に誰かを傷つけるネタをやっていたように記憶していて、なんというか当時はまだ「尖った刃物ぶん回しとけばいい」みたいな粗さもあったように思う(もちろんそれでも当時から面白かったけれど)。
その辺りが、芸人として飯を食えるようになってきたり、彼ら自身が様々な経験を経てきたこともあってか、うまい具合にバランスが取れてきて、彼らの持つ感性の鋭さと笑いが完全に融合し、彼らは唯一無二の芸人になった。
この「芸能人飲み会」は、そんな彼らの魅力が詰まりに詰まった最高傑作だと思う。
もう余裕で10回は観てるし、毎回笑える。
まあそれはいい。
そういうわけで、最近ニューヨークに興味を持っていたところ、YouTubeで単独のチケットが余っているという動画が流れてきた。
今回の単独ライブ「そろそろ、」が人気で完売続出だったため、お盆の追加公演を決定したものの時期も時期なだけあり告知が遅すぎた&それが全然周知されていないという告知の拙さも重なって、1000席のキャパの600席が本番1週間前にして余っているという。
面白すぎる。
これを教訓にして、今後こんなに下手くそな売り方はしないだろうし、ニューヨークの単独ライブなんて基本的には即完だろうから、ある意味ラッキーだったとも言える。
行くしかないだろう。
当日〜ネタの感想〜
さて、当日である。
結局、前述の動画を公開後1日でチケットは全て捌けたらしいのだが、よりにもよって公演当日に台風が直撃し、ぱっと見2割くらい空席だったように思う。自分の隣も3席空席だった。
このクラスの芸人の単独ライブをこんなにゆったり見れることもないので、これも個人的にはラッキーだった。
本人からしたらたまったもんじゃないだろうが。
単独の配信チケットも今現在まだ発売中なので、よければ観てほしい。
以下ライブ内容。
内容から適当にタイトルをつけました。
1.漫才「男の趣味」
2.コント「メンズアイドル」
3.コント「ヤンキーの親子」
4.漫才「中田敦彦」
5.コント「神社」
6.漫才「ラップを作る」
7.コント「ギャンブラー」
正直「芸能人飲み会」が自分の中で大傑作すぎて、それを超えてくるネタは今回なかったけれど「男の趣味」「メンズアイドル」「ラップを作る」あたりはニューヨーク節がこれでもかと詰まったネタで最高だった。
「中田敦彦」もめちゃくちゃ笑った。どうやら毎回ニューヨークの単独では芸能人を一人ピックして漫才にしてるっぽい。YouTubeに公開されている「こじはる」もそれと同じシリーズなのだろうか。ある意味フォーマットみたいなものだし、普通にM-1でも戦えそうなネタだった。スィンゴ。
一番印象に残ったのは「神社」。
コントって大体「ここが笑いどころです」「この面白ポイントをコントにしてます」みたいなのが伝わってくると思うんだけど、これ本当に意味がわからなかった。一応火花みたいなことをベースにはしてるんだけれども、意味がわからないことを20分以上続けて、二人ともネタ中にちょこちょこ笑ってて、意味がわからないんだけど面白くて、こういうネタを観に単独来てるんだよなって感じだった。
「神社でボヤ騒ぎ起こして、頑なに警察に電話しない」って文字で書いてても意味不明すぎる。
幕間映像も腹ちぎれるくらい笑った。
内容は秘密ということなので細かいことは言及しないけれど、まだ配信チケットも買えるので是非購入して確かめてもらいたい。
いつか爆発する日を願って。
終わりに
コントも漫才もこのレベルでこなせるニューヨークって本当にカッコいいな。
ただこれまで行ったコントライブでは大体コントの途中に必ず幕間映像が入るのだけれど、このニューヨークの単独ライブでは幕間映像が一本しかなかった。
スーツに着替えて、コント衣装に着替えてって結構大変だと思うのだけれど、その間ちょっとしたアイキャッチみたいな映像が延々と流れていて、待ちぼうけを喰らっていたので、できればあの時間も映像があると嬉しいなと思った。
ニューヨークの単独では毎回こうなのだろうか。
さして、待ち時間がない場合はそれでも構わないのだけれど、結構待ち時間があったのでこれには結構驚いた。
先述した通りニューヨークのネタの真骨頂は彼ら独自の切り口による「あるある」や「共感」であり、今回もそれが随所に散りばめられた素晴らしい単独ではあったけれども、当然その「あるある」と「共感」には人によって当たり外れがあるわけで、今回のラインナップはその「あるある」が深く自分に突き刺さるものではなかったので、その「あるある」が深く突き刺さった時の面白さは、エグいだろうなあと感じた。
また来年行きたいけれど、もう難しいだろうなあ。