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あいみょんを聴くならさだまさしも聴けと思う大つごもりの夜
※本記事は、全編最大限の敬意を払った上で敬称略でお送りします※
音楽がそこそこ好きです。(ちなみに歌詞を味わう勢です)
音楽好きです!と言い張るほどでは全然ないので趣味欄に書いたこともないですが、思えば移動中も勉強中も、状況が許せば仕事中でも音楽を聴いています。
特に最近spotifyのファミリープランに姉が加入してくれて、両親やわたしを招待してくれたので、実質タダで音楽聴き放題というラッキーに恵まれており、今まで聴いてこなかった音楽も気軽な気持ちで聴いています。
J-popでいえば、やっぱり去年あたりからはあれですよね、あいみょんがすごいですよね。
関ジャムで知ったあいみょんのスゴさ
御多分に洩れず、カラオケで歌えるレベルには聴きこんでます(まだそんな機会ないけど)。アルバム曲までしっかり聴くほどにはハマっていないけど、「生きていたんだよな」とか「君はロックを聴かない」とか、音楽性もそうだけど、歌詞が刺さるんですよね。
君はロックなんか聴かないと思いながら
少しでも僕に近づいてほしくて
ロックなんか聴かないと思うけれども
僕はこんな歌であんな歌で
恋を乗り越えてきた
うんうん、いいよね。シンプルなんだけど、音楽好きの男の子(高校生くらいと思料)が、好きな女の子に焦がれる気持ちが手に取るように伝わってくる。
そういえば、「関ジャム 完全燃SHOW」であいみょんの特集をやっていたのをたまたま見ていたのだけど、音楽評論家的な人が「自分の経験を曲にするシンガーソングライターが多い中、あいみょんは”フィクション”を書けているのがすごい」みたいなコメントをしていて、深く納得した訳です。
確かにフィクションだわ、経験の切り売りではないわ…と心の中で頷いた後に、ふと思ったのです。
いや、それを言うならさだまさしなんじゃないの?と。
さだまさしこそがフィクション曲の王者説
両親の影響で、ここ数年(幼少期に聴いたとかではなく、普通に社会人になってから好きになった。会社のおじさん方と大抵分かり合えて楽しい)さだまさしブームが来ているのですが、いやもうね、すごいんだ、さだが。
さだまさしの楽曲の大半が、誰かが誰かに対して抱く気持ちを歌っていたり、何らかの設定があることが聞き手にそれとなく伝わったり、むしろ映画が一本できちゃうほどストーリー性に富んでいたり…さだまさしはフィクション曲の王者といっても過言ではないと思う。
歌詞舐め回すように味わう勢とさだまさしの相性はばつぐんだ!
わかりにくいと思うので、例を挙げましょう。サブスクで大体さだまさしの曲は聴けるので、さあお手元にご準備を。
明日への荷造りに手を借りて
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし 元気でと
何度も 何度も くりかえす母
ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます 私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もう少しあなたの
子供でいさせてください
ギャーーーーー、やばーーーー。秋桜です。名曲です。
たったこれだけの文章で、縁側で嫁入り準備を手伝っている母とそんな母を見つめる娘の姿が、そして娘が抱く母への感謝と、寂しさと、愛情の渦が、もう、流れ込んでくるやないかい…!(絶句)
去年のあなたの想い出が
テープレコーダーから
こぼれています
あなたのためにお友達も
集まってくれました
二人でこさえたおそろいの
浴衣も今夜は一人で着ます
線香花火が見えますか 空の上から
死んでしまっている…ッッ!ってなりませんか。でもね、死んだとか去ったとか一言も歌詞の中には出てこないんですよ。それでも聞き手はすぐに「あっ…(察し)」となる訳ですよ。「精霊流し」ですよ。
手紙が無理なら 電話でもいい
「金頼む」の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる
おふくろに聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
ふるさとゥ………!わたしは東京生まれなので上京という概念が無いのですが、もしわたしが上京してたら、この曲を聴くたびに体育座りして泣くと思う。(ちなみに最近まで、この曲やおとん目線なのだとばかり思っていたけど、実は兄目線らしいです。長男は地元にいるんだね…そういうことなんだね…)
あとは、さだまさしと言えば外せない「償い」「風に立つライオン」などの、実話に基づくストーリー仕立ての曲、これも外せませんね。
さだまさしのストーリー曲を肴に酒が呑みたい
「償い」は、実際の裁判において、裁判長が被告人に対して反省を促す意味でこの曲の存在に触れたことが話題になりましたね。
(詳しい内容はウィキさんをご確認ください)
ぜひ、全編歌詞を読みながら聴いていただきたい。
すごいなあと思うのは、さだまさしの知人は、「ゆうちゃん」じゃなくて「被害者の奥さん」の方だというのだよね。そこから、「ゆうちゃん」の方に想いを寄せて、歌を作るっていう、発想がすごいわ…(脱帽)
「風に立つライオン」は、大沢たかおさん主演で映画化しましたね。珍しく出張で海外に行った時の機内で見て、一緒に出張行った同僚と感想を言い合ったことを思い出します。
2017年にケニアに行ってきたのですが、ナイロビに着いた時には「これが風に立つライオンで歌われた…ナイロビ…」と思ったし、サファリで太陽が地平線に沈んでいく様子を見ながら脳内ではめちゃくちゃこの曲が流れてたり、思い出深い一曲でもあります。
あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在(いま)」を生きることに
思い上がりたくないのです
空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命(いのち)を生きたい
あんぎゃーーーー!この曲を聴いて医療の道を志す若者がいるらしいですが、超納得です。
他にも好きな曲、プレゼンしたい曲がたくさんあるんだよな…「まほろば」とか「遥かなるクリスマス」とか「修二会」とか「無縁坂」とか、「飛梅」とか…むにゃむにゃ
大つごもりの夜に国技館に行った話
タイトルに大晦日と書いたのはですね、行ってきたのですよ、2019年の12月31日、さだまさしのカウントダウンライブに…!(急な自慢)
升席ですふふふ。
セトリ(なんか違和感あるなセトリって笑)はこんな感じでした。
長崎小夜曲
精霊流し
案山子
落語「芝浜」
夢見る人
〜休憩〜
望郷
いのちの理由
道の途中で
落日
CM曲をちょっとずつ歌う
償い ※ももクロライブに中継
残春
秋桜
北の国から
檸檬
主人公
大晦日
春爛漫
このエピソードを書くとわたしが座っていた位置が大体バレるのだけど、芝浜の途中から、酔っ払ったおじさまが「俺は歌を聴きに来たんだ!」「さだの馬鹿野郎!バカまさし!」と割と大きな声で喚き始めて、もう途中から話が全く頭に入ってこなかった。笑
噺家さんの耳に届いてなかったらいいのだけど…
わたしはとことん事なかれ主義なので、「大してファンでも無いのにこの会場に友達を連れて来てしまって気まずい…申し訳ない…帰りたくなって来た…」とすっかりしょげかえってしまったのだけど、休憩に入った途端、おじさまの周辺に座っていたお客さんたちがおじさんに文句を言い、するとおじさまも大声で言い返したりして、もうてんやわんや。最終的には、ちょっと遠くに座っていた着物を着た若い女性が「つまみ出せェ!」と気炎を上げた(いや本当に。かっこよすぎて痺れた)こともあり、おじさまは係員さんに連れられて会場を出ていきましたとさ。
ちょっとしたアクシデントもありましたが、21時開演でそのまま年越し、そしてそのままNHKの「年の初めはさだまさし」の番組観覧もできて、国技館を出たのは26時半。
長丁場でしたが、さだまさしも、会場のお客さん(当然ながら、両親と同年代の人ばかりだった。元気で草)も、生き生きと楽しい雰囲気で、いい年越しになりました。また行きたいな。
セトリにも書きましたが、毎年カウントダウンライブでは「大晦日」という歌を歌うのが恒例だそうなのです。この歌詞もね、新しい年がやってくるというウキウキ感、多幸感が溢れ出てて、とても良いのですよ。これをカウントダウンライブで、みんなで歌うとね、深夜のテンションも相まって脳内物質ドバドバですよ。
クリスマスが過ぎたなら 全ての生命にありがとう
みんなで一眠りしたなら 幸せになろう
大晦日の夜には ゆく年に心からありがとう
みんなで一眠りしたなら 幸せになろう
なんだこのハッピー感は。最高やないかい!
この曲の次、ライブの最後の曲「春爛漫」も相当あっけらかんとした曲で、「ちいさなはずれは当たりの貯金」と歌いながら円形のステージを回りながら歌うさだまさしを、お客さんがニコニコしながら立ち上がって手を振っていて、ああ、楽しかったな…としみじみ思った。
正直ライブでは知らない曲もそこそこありましたが、知ってても知らなくても関係なく楽しめる(ファンでは無い友達も楽しんでくれてて安心した)、素直に良い曲だと思える、さだまさしの奥深さはすごいぞ。
余談:中島みゆきもすごい
歌詞の世界が深いシンガーソングライターとして、さだまさしと双璧を成すのが中島みゆきだと思います。今回はもう多くを語りませんが、「海鳴り」は一度聞いてみていただきたい。
やばっ…と思った「海鳴り」の歌詞を引用して、記事を終えたいと思います。最後までお読みいただき、有難うございました!
海鳴りが寂しがる夜は
古い時計が泣いてなだめる
遠く過ぎて行った者たちの
声を真似して 呼んでみせる
覚えてるよ 覚えてるよ
この足元で はしゃいでいたね
覚えてるよ 覚えてるよ
時計だけが 約束を守る
海鳴りよ 海鳴りよ
今日も また お前と 私が 残ったね
ヒッ……時計だけが…約束を守る…!(待ち人は守らない…ッ!)
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