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日銀利上げから米国株投資家が資産を守るには

1. 日銀の金融引き締め政策の背景

日本銀行(日銀)は、長年続けてきた超低金利政策からの転換を本格化させている。日銀審議委員の田村直樹氏は、2025年末までに政策金利を1%まで引き上げる可能性を示唆している(出典:日本経済新聞)。この方針は、国内の物価上昇が持続していることへの対応や、円高対策と言われているが、そもそも為替を理由に金融政策を変更は禁じ手であるというのと、実質賃金がマイナスの現状では非常に悪手である。

2. 政策金利引き上げの直接的影響

• 短期金利の上昇
政策金利が上昇すると、銀行間取引の短期金利(コールレート)も連動して上昇する。
• 預金金利の上昇
預金金利が引き上げられると、個人や企業の貯蓄意欲が高まり、消費や投資が抑制されるリスクがある。
• 長短金利逆転(逆イールド)の懸念
短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」が発生すると、景気後退の前兆と見なされる場合がある。

3. 円高への圧力と米国株投資家の課題

• 円の流通量減少
日銀が金融引き締め(量的縮小)を行うと、市場への円供給量が減少し、円高を招く要因となる。
• 円インデックスの反転兆候
されたチャート(JXY)を見る限り、円インデックスが底打ちし、反転上昇する可能性が示唆されている。ダイバージェンスと逆三尊が発生している。


• 米国株投資家のリスク
米国株を「円建て」で評価する場合、円高が進むとドル建て資産の円換算価値が目減りする。たとえS&P500が10%上昇しても、円が10%高くなれば、円ベースの資産増益は相殺される。

4. 資産防衛策:為替ヘッジ型ETFの活用

円高リスクを回避するうえで、為替ヘッジを組み込んだ米国株ETFが有効である。
• 仕組み
為替ヘッジETFは、外国為替先物契約を利用して為替変動リスクを中立化する仕組みである。例えばS&P500を対象とするETF(2563など)の為替ヘッジ版であれば、S&P500の値動きのみを享受し、円高ドル安の影響を抑えられる。
• メリット
円高局面での資産目減りを防ぎつつ、米国株の成長機会を活かせる。
• 注意点
為替ヘッジには先物の維持費などのコストが発生するため、長期保有を想定する場合はコスト対効果の検討が必要である。

5. 実践的な対応フロー

1. 現状分析
自身のポートフォリオにおける円建て資産の比率や為替リスクを把握する。
2. 戦略選択
為替ヘッジETFや外貨建て資産への分散投資など、自分のリスク許容度に合った方法を選択する。
3. 継続的モニタリング
日銀の政策動向や円相場のトレンドを注視し、必要に応じて柔軟に調整する。

結論

日銀の利上げとそれに伴う円高は、米国株投資家にとって為替変動による資産価値の目減りをもたらすリスク要因である。こうしたリスクに対処するには、為替ヘッジを備えたETFなどの金融商品を活用することが効果的だ。特にS&P500連動ETFの為替ヘッジ版は、リスク管理と収益追求の両面で現実的な選択肢といえる。

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Kay米国株式投資🇺🇸
毎度お読みいただきありがとうございます。冷静なるポートフォリオの分析や、自分なりの投資哲学を今後とも書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします!