起業家の内面の成長と社会の変容は繋がっている。HATSUの起業家支援で大切にしている考え方
神奈川県から委託を受け、HATSU鎌倉を運営しております、
株式会社あゆみのの町塚です。
この記事では、HATSUの起業家支援で大切にしている考え方についてご紹介します。
起業家の内面の成長と社会の変容は繋がっている
HATSUは、これまで通算80名の「チャレンジャー(参加者)」に参加していただき、そのうち「61名」が事業化着手(サービスの有償提供,プロトタイプ完成,会社登記,資金調達,特許取得,共同研究開始等を達成した状態/令和6年6月時点)をしました。
多くの起業家の伴走支援を通じて、確信したことがあります。それは、「社会の変容は、“個人の変容”から始まる」ということ。起業家自身の価値観やメンタルモデルが、周囲との関係性や、事業づくり、ひいては社会に還元される価値に影響を与えると考えています。
これら、起業家の内面のウェルビーイングと社会の変化の関連性については、世界的にも注目が集まっています。
ウェルビーイング・プロジェクト(The Wellbeing Project)という、アショカ、エサレン研究所、Impact Hub、ポルチクス(Portics)、スコール財団、シナゴス(Synergos)が2014年に立ち上げたプロジェクトがあります。その連載シリーズの第一弾に以下のような記載があります。
起業家の内面と社会変化の起こり方には関連性があるといったことが明らかになってきているのが、最近の世界的な流れです。
HATSUの拠点がある鎌倉には、寺社仏閣が多いなど、内面や精神文化を大切にする雰囲気があります。
その"場"の力も借りながら、チェンジメーカーが社会のために自己や家庭を犠牲にするのではなく、まずは自分自身の内面を豊かにしながら、巡り巡って社会も豊かにしていく。そんな、インサイドアウトな循環を生み出したいと考えています。
起業支援ではなく、起業“家”支援。伴走する上で大切にしている考え方
通常のインキュベーションでは、事業を様々なフレームで見て、事業面のテコ入れや助言が行われている事が多いと思います。
事業を見る事はもちろんですが、我々のもう一つの特色は、起業家の想いなど、ヒトのポテンシャルを見ていること。単に起業の支援をするのではなく、起業家自身を支援しているという点です。
具体的には、起業家一人ひとりの支援方法について、事業面以外のヒトの部分の独自フレーム(観点)を用いてじっくりと検討する「起業”家”支援会議」を期間中に2回(キックオフ後のタイミングと、中間発表後のタイミングで)実施しています。
独自の観点は、Heart(心)、Head(頭)、Body(体)、Social capital(つながり)の4つで、それぞれ下記の概念を含んでいます。
これらの要素に触れながらコーチやインキュベーションマネージャー、コミュニティマネージャーなどが参加し、多面的な視点でチャレンジャーのポテンシャルや支援ニーズなどについて話し合い、今後の支援方針を決めていきます。
HASTUのプログラム期間中にWell-beingや繋がりを育む機会も設定しています
では、「どんな場や機会があったら」起業家の「個」を全力で尊重し、伴走していくことができるのでしょうか?
一つは、先日のイベントレポートでも紹介したキックオフでの「事業の目標」と「起業家(個)としての目標」の2つの設定。
お寺という静かに自己と向き合うことが出来る場で、身体の感覚に集中するワークや、実際に場所を移動しながら身体を動かして自己のエネルギーについて感じ、具体的に想像するワークを行うことで、頭だけで考えるのではなく、身体も使って自分自身の願いや想いと繋がるとともに、起業家同士で「人生の道」を使用した対話を行うことで、自分自身の想いの源泉や背景にある価値観などに結びついた個としての目標を立てることを目指します。そうすることで、数字や外的な指標だけに囚われることなく、心の底から実現したいと思う事業に取り組みやすくなります。
また、上記に加え、中間発表会後には起業家の皆さんが一時の間社会や顧客といったコトに向き合う忙しい日々から離れ、足を止めて、社会変容の源となる”わたし”と”つながり”といった、「ヒト」に深く向き合うための特別プログラムも希望者向けに現在計画中です。こちらについては、次回の記事で詳しく触れていきたいと思います。
次回以降の記事もぜひご覧いただけると嬉しいです。
最後に
HATSUを見学したい、次回のプログラムに参加したい方、HATSU起業エコシステムに関わりたいなど、ご興味のある方は、HPよりお問い合わせください。
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