【メンヘラ?】中原岬ちゃんの精神分析【NHKにようこそ!】
メンヘラとは、匿名掲示板5ちゃんねる(以前の2ちゃんねる)のメンタルヘルス板を発祥とする、精神を病んでいる人のことを指すネットスラングです。10~20代の若者達の間で使われるネットスラングで、X(以前のTwitter)で検索するとワラワラと引っ掛かります。
そんな若者達の心を惹き付けてやまない作品があります。
それが『NHKにようこそ!』です(原作者:滝本竜彦)。
◆あらすじ
◆岬ちゃんのプロフィール
※なお、原作小説・漫画版・アニメ版で、生い立ちや半生などの設定に差異がある。この記事では漫画版・アニメ版における設定を扱う。
この作品の最大のミソは、ひきこもりの佐藤君を救おうとしていた岬ちゃん自身がメンヘラで、実は救われる側だったというアイロニーにある。
◆岬ちゃんの生い立ち背景
・酒飲みの父親が母親に暴力を振るう場面を幼少期から幾度となく目撃しており、怯えていた(アニメ版)。
・幼少期に母親を自殺で亡くしており、深い喪失体験を持つ(アニメ版)。
・高校では周囲と馴染めず、孤立していた(漫画版)。
◆岬ちゃんの精神分析
幼少期の家庭環境に恵まれず、深い喪失体験を持ち根は自己評価が低く劣等感が強い。メサイア・コンプレックス(※注)を抱えていると思われる。佐藤君をひきこもりから脱却させるというプロジェクトは、そのメサイア・コンプレックスから来ている行為である可能性が高い。
アニメ版では上は黄と黒のシャツ、下はデニムパンツという服装をしていることが多く、こだわりの強い一面が窺える。高校では周囲と馴染めず孤立していたが知能そのものには問題はない。
以上を吟味すると、強いこだわりやコミュニケーションの障害を主症状とするASD(自閉スペクトラム症)なのでは?という疑問が浮上するが、男性に比べて罹患率の低い女性であること、佐藤君のように心を開いた相手とは円滑なコミュニケーションが取れていることから、どちらかと言えばパーソナリティの問題が核になっていると思われる。真っ先に疑われるべきはBPD(境界性パーソナリティ障害)である。いわゆる「メンヘラ」。
※注:他者を救うことで自分自身の劣等感を拭おうとする心理。
DSM-5では、以下のうち5つ以上に該当するとBPDの診断基準を満たす。
岬ちゃんは①、②、③、⑤、⑥、⑦の6つに該当する描写がある。
今回は以上です。
この企画は個人的に面白いので、別の機会に再びやるかもしれません。
最後まで読んでいただいたことに感謝します。
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