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経理部門における属人化からの脱却 #8 君に任せる(内面化)
お付き合いくださいましたこと、とてもありがたく思います。単純に嬉しいです。
さて、SECIモデルでなぞってみようシリーズ第4弾となりました。
SECIモデル④内面化
マニュアルを作った私が次に取り組んだことは、SECIモデルで言うところの「内面化」でした。
グロービズ経営大学院の解説によると、「内面化」とは、「表出化された知や連結化した知を、自らのノウハウあるいはスキルとして体得すること」だそうです。
実際に取り組んだこと
具体には次のとおりです。
・「私」が業務を通じて「前任」から学習した領域について、「部下」に任せた。作業内容の確認及び部下からのお悩み相談は「私」。
・任せた領域は、連結パッケージのうち注記領域のチェック・修正調整、システムを通じた個別修正仕訳・連結修正仕訳・連結精算表・連結F/S作成・連結C/F作成・セグメント計数作成。
※「部下」が従前担当していた領域は、連結パッケージのうちF/S・内部取引データ・未実現データのチェックや修正調整。
「私」が学習し経験した領域の多くを「部下」に任せました。
狙いは、「部下」の業務について、成果物として完成させるところまで職務を拡大・充実、です。
得られた効果
これにより、「私」1人で作業してノーチェックのまま監査法人に提出するような状態から改善され、「部下」が作業→「私」がチェック、という態勢になりました。
また、「私」の作業量がぐっと減り、見積ネタやイレギュラーな取引など懸案事項の検討に注力できるようになりました。
なお、「部下」は、今まで以上に意欲的に業務推進に取り組んでくれるようになりました。
SECIモデルでなぞってみよう(まとめ)
#5「前任の持つ暗黙知を私が持つ」→暗黙知の共有→共同化
#6「私が持った暗黙知をメールで部下に送る」→暗黙知の形式知化→表出化
#7「メールのノウハウを精査してマニュアル化」→連結化
#8「部下にまるっとやってもらう」→部下の職務拡大・充実→内面化
ちょっと無理がありましたかね。。
SECIモデルシリーズはここで終わりです。
次は、「部下」にたくさん仕事をやってもらうにあたって取り組んだことを書いていきたいと思います。(続く)