湘南ベルマーレへのちょっとしたラプソディ
※OWL magazineのアカウントではなく中村慎太郎の個人アカウントにアップしてしまいました。が、このままいきます。著者は中村ではなくKAZZさんです。
この記事は島根の鳥取サポ、悟りきったような独特の味わいのあるサッカー観を持つKAZZさん(Twitter)に寄稿して頂きました。今回の記事は、OWL's Forestメンバーによる寄稿で、無料公開とさせて頂いております。
前回の記事はこちら。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自分が担当した最初のShort Letterが好評だったらしく大変に有り難いのだが、あれのおかげで、ガイナーレ鳥取のみのサポと認識されているようだ。
しかし、ガイナーレ鳥取は愛好するチームの一部に過ぎない。いわゆる鳥取メインの掛け持ちサポと言って良い。
自分はガイナーレ鳥取を知る以前からサッカーは好きだったし、贔屓チームも持っていた。
その贔屓チームとは……。
湘南ベルマーレ
である。
何しろこんな頃から好きだった。シャツのブランドがミズノだ。
まあ、それはいい。
どうして島根県に住んでいてベルマーレなのか。
実は少しの間、平塚に住んでいたことがある。彼の地にある某大学に行っていたことがあるからだ。
但し、自分は不良大学生であり、諸事情あってドロップアウトしなければならなくなった。まあ、その辺の事情はあまり話したくないので詳細は避けておきたいが、そんなわけで平塚にいたことがある。
実は、今で言うレモンガススタジアム平塚には行ったことがないが、その近隣にある平塚球場には行ったことがある。
大学をサボってウエスタンリーグの横浜大洋ホエールズと西武ライオンズとの試合を、たまたま見ていた。そこであることは知らず、たまたまだ。
で、その頃、湘南ベルマーレことフジタは平塚で練習をしていたはずで、市内北東部の大神にグラウンドを持っていたはずだ。馬入に練習拠点を移すまでは大神のグラウンドで練習をしていたと思う。
そういうわけで、「平塚在住歴があったから」という、何ともしようのない理由で興味を抱き、そして……。
ベルマーレ平塚がJ1で優勝した!
という新聞記事をたまたま見てしまったことから……
「ベルマーレ平塚って強いんじゃないか?」
となり……。面白そうなのでJリーグに来たら贔屓になろうと思った次第。
但し、薄々お気づきだろうが、ここでいうJ1とは現在のJ1ではなく、二部制だった頃のジャパンフットボールリーグ1部、という意味だ。
故に、実は結構ファン歴は古い。
1994年のJリーグ開幕カードをテレビで見ていたりする。
そう。ヴェルディ川崎とベルマーレ平塚が旧国立霞ヶ丘競技場でやった試合を。
データがないが……。
確か、5-0で圧勝した。
ヴェルディ川崎が。
でも、この清々しいほどの負けっぷりで、逆に興味を惹かれた。なんだこのやられっぷりのチームは、という。大敗してるけど、威勢は良かったから。
で、そんなチームを実際に観たのが、1995年。サンフレッチェ広島とのカードを見る機会があった。
高いカネ出して観に行った。まだバードスタジアムができて日の浅い頃の、自由席って概念を知らない頃だから。
確かベルマーレのメンバーの中には、中田英寿もいた。あの中田英寿が、できて間もないバードスタジアムでプレーしたことがあるのだから、実に懐かしい。
この試合は2-1で圧勝した。
サンフレッチェ広島が。
この試合に関しては別に機会を設けて書いてみる。ともあれ、それからしばらくベルマーレ平塚の試合を観に行くことはなかった。
その間、ベルマーレ平塚はJ1を去り、J2に舞台を替え、チームの名前も、知らない間に元々名乗っていた湘南ベルマーレに替えていた。
次に観に行ったのは、そんなベルマーレが松江に来た時だ。
2000年の天皇杯の1回戦に登場し、島根県代表の石見FCと試合をした。今は島根県社会人2部にいる石見FCは当時、島根県内の最強に位置するチームではあった。デッツォーラ島根ECはもう少し後に出てくるし、松江シティFCはその更に後に出てくる。
だが、対する湘南ベルマーレは腐ってもJ2リーグに属するチーム。プロアマの差は如何ともし難かった。
後述の理由から試合の模様は写真に撮ってないが、こういうものはいただいたので後生大事に取っている。
この頃の湘南ベルマーレは、混沌としたわけのわからないチームだった。あの加藤久さんが監督をしていた。そのぐらいならまだいいが、在籍選手も、なんていうかわけがわからない人たちばかりだ。
前園真聖とか松原良香が並立してるのだ。何だこのチームは?
しかも阿部良則やブービーこと渡辺淳一とかまでいる。
そして高田保則がいたり、坂本紘司がいたりする。もうわけがわからないチームだ。
更に若い頃の茂庭照幸もいた。「モニ~、ウェイクア~ップ!」とパラシオスに叱咤される前年である。
監督や監督経験者も何人か出ていて、特に時崎悠(福島ユナイテッド)や堀孝史(浦和レッズで数回経験)などは有名かもしれない。
サナブリアとかオルティスとかレイナルドとか、外国人なんて言われてもパッと思いつかないだろう。
なお、この時の試合に出ていた外国籍選手は通年いたサナブリアだけだったと思う。あとの二人はこの試合の時には既にいなかったと思う。フチカやビタリーという選手がいたようだ。
で、どうして試合の写真がないのかというと、実はこの時、何となく応援に混ぜてもらった。邪魔にならないように、だが。
助勢がほしかったからか受け入れてくださった。応援もやっててとても楽しかった。気分は良かった。まあ、そんなわけで、写真を撮ってる暇がなかったのだ。
試合そのものは結局、確か4-0だったかで圧勝した。
もちろん湘南ベルマーレが。
その次は2003年の天皇杯、清水戦に行った。
これは急に決めて出掛けた。普通なら浦和ー清水というカードになるはずだった。ところが湘南ベルマーレは何がどうしたのか、浦和レッズに勝利したためこのカードになった。
この時期にはカメラ持ってなかったため写真は無し。
というより……。写真どころじゃなかった。
雪で。
2020年12月20日にガイナーレ鳥取がロアッソ熊本と試合した時、折からの雪の影響で開始時刻が二時間遅れたことがあった。
この日はそこまでではなかったけれど、試合開始は一時間遅れた。しかもこの試合、確かTVマッチだったのに。
湘南ベルマーレのサポーターの大多数も遅れた(そのほとんどはバスで来る団体の人たち)。道路事情が今ほど良くなかった。だからバスも遅れた。
自分?
前の晩から鳥取を目指したものの、雪があまりにもアレなので米子市内で小休止をした。少し休んだら雪も止み加減だったから東進したけれど、雪は決して手加減してくれなかった。
明け方、鳥取に着いたらもうダウンした。朝方まで寝てたと思う。で、車の置き場から歩いてバードスタジアム行ったが、ゴール裏方面から見てたら、スタジアムの中で雪かきしていたっけ。
昨年12月の時も同じように雪かきしてたんだが、20年近く前も大して変わらなかった。
試合中はずっと湘南側のゴール裏にいて声を出し続けた。当たり前だろう。彼らの長年のファンなのだから。
それはいいけれど、時々吹雪がこっちに襲いかかってきて、顔に当たって痛いの何の。冗談じゃねえぞ、と思ったけど、吹雪如きに負けてたまるかって思ってたから。
まあ、でも、試合の方はというと……
2-1で圧勝した。
清水エスパルスが。
しかも決勝点を決めたのは、この約14年後にガイナーレ鳥取で監督することになる森岡隆三さんだ。当時、そんなことを誰が想像しただろう。
ま、いろいろ凄まじい試合だったけど、面白かった。
その後も、機会を見てはいろんな試合に行った。
鳥取に来た時はだいたい行ってるし、一度などは津山まで試合を観に行ってしまったことさえある。
津山と言うことでファジアーノ岡山との試合だ。2009年のこと。翌日にガイナーレ鳥取がバードでFC刈谷と試合をするんで、ダブルヘッダーのつもりで出掛けた。
(津山立て看)
(ラインダンス)
結果はこれ。
(岡山と湘南スコア)
しかも、J2リーグに参入したガイナーレ鳥取との対戦だって見ている。
2011年の試合なんて、困ってしまう。
4-0で文字通り圧勝した。
ガイナーレ鳥取が。
何だったんだろう。いや、自分はこの時、ガイナーレ鳥取の応援者としてガイナーレ鳥取側にいた。だけど、ベルマーレにもシンパシーを抱く人間だって一部の人は知っている。
だから、どう声掛けして良いのか困ったんじゃないか。何しろこの体たらくだし。
その後、自分が脳梗塞でぶっ倒れる直前の2012年4月1日の試合も見てる。
写真はないが間違いなく観に行ってる。
この試合の翌々日ぐらいから、脳梗塞の症状が出始めた。まあ、自分の不摂生が招いた結果だから、これは仕方がない。
トップチームの試合を見ることはその後ないけど、アカデミーの子たちは何回か見ている。
出雲カップという大会があって、そこに数年前まで毎年のように来ていた。
(湘南ユース試合中)
これは2012年。
2013年に写したチーム車両。
まあ、こんな感じでベルマーレともつきあいは長い。2020年はユニフォームまで買った。写真は七夕ユニだが、これも含めて三種買った。
では、どうしてこのチーム、湘南ベルマーレにもシンパシーを抱くのかというと……。
これはむしろ、かつて各所で書いているデッツォーラ島根ECを愛好する動機に近いかもしれない。つまり……。
「よくわかんないけど、強そうだし、面白そう」
というのが前提にある。時々期待を裏切ってくれるチームではあるけれど、それでもベルマーレだから何かやるんだろうな、とは思う。
そしてこれからもガイナーレ鳥取同様に、愛好し続けるだろう。
好きに理由なんかないのだから。
ここから先は
OWL magazine 旅とサッカーを紡ぐWeb雑誌
サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…
文章や音声コンテンツが面白いと思った方は、是非サポートをお願いします!コンテンツづくりのための経費や投資に使わせて頂きます。用途については不定期でnoteに公開します。