黒蝶のサイケデリカ 感想
シナリオ
謎の洋館に集められた記憶喪失の男女5人が、脱出する為に屋敷内を探索したり戦ったり交流するという展開。
最初の週で黒幕や主人公の過去が判明して、後の周回でそこに至る経緯を見ていく……という見せ方が中々よろしかったです。
プレイしながら謎を解くというより、プレイしながら「あれはそういうことだったのかー」って納得していく感じでした。 そしてプレイ後には、しんみりとした余韻を残してくれました。
自分のイチオシポイントとしては、登場人物が記憶を失うまでの話が結構ちゃんと書かれていること。 そして、ゲームを進めるうち、洋館に連れてこられる原因にもなった「過去の事件」が判明するのですが、選択肢によって、この「過去の事件」を回避できること。 ここをしっかり押さえてあるのがいいなあと思いました。
逆に残念だったのは、ゲーム内期間で数ヶ月間経過しているらしいのですがそれが上手く描写されていなかったり、詰めの甘い所があったりすること。 というか見知らぬ屋敷内に数ヶ月間閉じ込められたままっていうのは流石に無理があると思うよ。
そして、恋愛の過程の部分が「サブシナリオ」として本編から切り離されてる所も少し残念。 (細かくはシステムの不満部分として挙げています)
キャラ萌え
紋白さんの萌え破壊力ぱないの。 彼はクール系キャラと見せかけた、無口デレデレキャラでした。 ちびっ子のように主人公にくっついてくる紋白さんをひたすらナデナデして甘やかしたい。 あと、記憶を失う前と記憶を取り戻した後の山都くんがすげー好き。
グラフィック・演出・音楽
ただの要望だけど、もっとダークで救いがなくって、登場人物どころかプレイヤーも疑心暗鬼になるような展開があっても面白いんじゃないかなあと思いました。
システム
ノベルゲーム部分のシステムはいつものオトメイトって感じで無難に仕上がってます。
私が不満なのは「フローチャートシステム」と「ポイント制」部分。
フローチャートシステム自体が不満なのではなくて、日常の小話とか恋愛ネタなんかが「サブシナリオ」として、本筋の外側に配置されていることが残念だなあと思うのです。
この画像の左側のツリーが物語の「本筋」部分で、右側のツリーから外れた枠に「サブシナリオ」として日常の話とかが書かれているのですが、これじゃあ本筋と関係ないところで茶々を入れられているようで、フローチャートの利点が全然活かされていない。
そして「サブシナリオ」を読む為にはミニゲームでポイントを稼ぐ必要があるのですが……。
本編フローチャーの途中には「本編を進めるためにサブシナリオをn個読む」という条件が課せられているので、話の先が気になって仕方ないのに「本編を進める為のサブシナリオを読む為にミニゲームを何度もプレイする」必要があり、これがもうとにかく面倒くさくてストレス。
そして何より、このミニゲームがとんでもなくつまらない。 ポイント稼ぎとトロフィーの為にミニゲーを何回も何回もやりましたが、これがもう苦痛で仕方なかった。 薄桜SSLの時も思ったけど、オトメイトはノベルゲームにクソみたいなミニゲームぶち込むのやめろや。
総括
乙女ゲームと言うより「女性主人公で恋愛要素のあるアドベンチャーゲーム」に近いかも。話自体は悪くなかった。