VARIABLE BARRICADE 感想
シナリオ
全体的にコミカルで、婚約者候補の男達とワイワイ同居するのがめちゃくちゃ楽しかったです。個別パートもシリアスになりすぎず、でも真面目なところや色々考えさせられる部分もあったりで、バランスが良かった。
私が考えさせられたのは、壱哉ルートで壱哉に告白された主人公が「……それ、私でないと駄目なの?」と返すシーンです。これがものすごく面白くて怖い言葉だと思いました。
主人公は他の男と結ばれるエンディングがあって、壱哉が相手じゃなくても幸せになれるんだよな……と。”あなたじゃなくても幸せになれる”乙女ゲームで”私/あなたじゃなきゃいけない理由”とは何なのか、壱哉と主人公の場合の答えを出してくれるのは面白かったです。
と壱哉ルートについて語った後で申し訳ないのですが私の最萌えは黛汐音で、汐音に主人公が懐柔されて甘やかされて堕落させられていく所にゾクゾクしました。汐音がやっていることは支配的だけど、汐音としては主人公の所有物になっていたい、主人公のことが好きだという気持ちを「ぼくは彼女によく似合う」と表現する彼が大好きです。
真相シナリオは、うーん……兄妹として過ごす彼らは見てて和むけど……って感じです。
グラフィック
薄葉カゲローさんの繊細な絵も素敵でしたが、私としては珍しくちびキャラのイラストが好きになりました。
特に可愛いなあ、と思ったのは主人公と親友の中学時代のイラスト。公式サイトには掲載されていないけれど、有村さんの変身シーンのイラストもお気に入り。
音楽
タイトル画面やバリケードボード(フローチャート)画面で流れる「Get over the BARRICADE!!!」が印象的で結構好き。
オープニング曲の「Sixteen」がゲーム中のクライマックスで流れるのも良かったです。
ボイス
主人公ボイスがとても良かったです。ツンと澄ました声や弱気になった声、怒った声も可愛くて主人公の魅力がぐっと増したと思います。攻略キャラのボイスは、乙女ゲームによく出てる人達なので良くも悪くもソツがないと思いました。Twitterで何度も言ってるけど梅原裕一郎版の壱哉の声を聴きたかった……。
システム
バリケードボードというフローチャートにそって進んでいくシステムなんだけれど、ひとつのシナリオが終わる度にバリケードボードの画面に戻されるのがちょっと面倒でした。エンディング回収のための周回中は特に、バリケードボードに戻されるのがストレスに……。
バリケードバトルの演出そのものは面白くて、Glass Heart Princessのキューピッドの矢の演出を思い出して懐かしくなりました。
総括
2019年に唯一プレイした新作乙女ゲームなんですけど(嘘でしょ……) すごく楽しかったです。駄目なところのある男ほど可愛いと思える人ほど楽しめると思います。
いい意味でオトメイトらしくない作品なので、オトメイトのゲームが苦手な人にもオススメです。