超激務のクリニック経営のサポート役に弁護士が向いている理由
こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。
私は普段、中小企業の顧問弁護士をメインに活動しています。
クリニックの顧問をさせて頂く機会も多いのですが、間近で実施の経営を見ていると、クリニック経営の大変さは中小企業のそれとはまた少し異なるように感じます。
今回はクリニック経営にフォーカスして、何がクリニック経営を大変にしているのか、超激務なクリニック経営のサポート役として弁護士が向いている理由について、お話しします。
クリニック経営は、やるべきことが盛りだくさん!
毎日の診療に加え、クリニック運営の事務作業、人材採用、テナント契約、機器の契約、トラブル対応などなど、クリニック経営にはやるべきことが山のようにあります。
そして、これらすべてを院長が行っていることがほとんどです。
診療以外に院長の仕事にはどのようなものがあるかというと……
・人材採用、人材育成
・患者対応、クレーム対応
・売上管理、総務管理
ほかにも、新たな治療法やサービスを考えたり、他社との差別化も図らないとなりません。
このように、院長の仕事は多岐に渡り、診療業務と経営業務とが分かれていないことが、クリニック経営を難しくしています。
クリニックが抱える3大お悩み
忙しいクリニックにありがちな悩みには、大きく3つあります。
①人間関係のトラブル
②人材採用の悩み
③クレーム対応の問題
一つずつ、見ていきましょう。
クリニックの悩み①:人間関係のトラブル
どの組織においても起きがちなのが「人間関係のトラブル」。とくにクリニックでは、院長は日々の診療が中心になり、マネジメントまで手が回りません。どうしてもスタッフと距離ができてしまい、その結果、スタッフが離職してしまう……。そんな状況を私はいくつか見てきました。
「スタッフと上手く連携が取れていない気がする」
「どんなモチベーションで取り組んでいるのか、気になる」
そんな声を院長から聞くことも少なくありません。
クリニックには院長、正社員、パートとさまざまな立場や雇用形態の人が勤務しています。さらに仕事内容やシフトも異なり、同じ空間で働いているにもかかわらず、コミュニケーション不足に陥りがちです。
コミュニケーション不足が続くと、一体感はどんどん薄れ、
「コロナ禍なのに出勤しないといけないんですか」
「(手伝ってほしいと頼んでも)それは私の仕事じゃありません」
となり、院長の業務負担がさらに増してしまいます。
仕事に忙殺される院長にスタッフはますます近寄りがたく、さらに距離が開いていく……といった、悪循環に陥ってしまうのです。
クリニックの悩み②:人材採用
人材採用に関する悩みも多く聞かれます。
スキルがあり即戦力になるスタッフを採用したくても、希望通りの人材の応募がなかなか無いといいます。
やっと採用できても、なまじ経験があることでクリニックの方針と合わず、職場の雰囲気が悪くなってしまうことも。辞めていただきたくても、今度はなかなか辞めていただけない状況に陥ってしまいます。
医療業界はとにかく人手不足です。ついつい「誰でもいいから来て欲しい!」と前のめりになってしまいますが、どのような人材に来て欲しいのかを明確にしていないと、せっかく採用しても上手くいかず、むしろ状況を悪化させてしまうことにもつながります。
クリニックの悩み③:クレーム
無いに越したことはありませんが、クリニックを経営していると、時には治療に専念できなくなるほどのクレーマーに出くわすことがあります。重たいクレーマーには院長自らが対応せざるを得ず、ただでさえ忙しい中で、精神的に参ってしまう先生もいらっしゃるほどです。
円滑なクリニック経営に必要な弁護士とは?
このように、クリニックが抱える悩みは、人との関りによるものがほとんどです。ですが、このような悩みをスタッフに話すわけにはいきません。誰にも相談できず、抱え込んでいる院長も多くいらっしゃるのではないでしょうか。誰かに悩みを話すことで問題が整理され、解決の糸口が見つかることも少なくありません。
そんな時に頼って欲しいのが弁護士です。
クリニックの院長は、経営の観点でアウトプットする(=対話をし、実践し、検証する)機会が少なかったりします。そのため、経営に関する課題や悩みを誰かに話して整理するための、いわば“壁打ち相手”が必要だと考えます。その相手として、弁護士はピッタリだと思うのです。
顧問弁護士なら、なおさらです。
クリニックの経営に精通している顧問弁護士なら、院長の方針や気持ちに沿って、的確なアドバイスができるでしょう。
経営課題を紐解いてみると、院長自身のビジョンや戦略をしっかり明確化することが必要な時もあれば、契約書や就業規則など、法令関係をしっかり整備する必要がある時もあります。そのような時、壁打ち相手が顧問弁護士だと、いずれもスムーズに対応することができます。
顧問弁護士がいれば、何かあったときにすぐに相談できる、というメリットもあります。
例えば、患者さんとトラブルがあったとき、患者さんを待たせることなく弁護士に相談、解決が可能です。長時間患者さんを待たせていると、新たなクレームの原因になり、通常業務にも支障が出る恐れがありますよね。
私が顧問弁護士をしている歯科医院の院長は、顧問弁護士をつけたことで「安心して治療に臨めるようになった」とおっしゃってくださっています。
クリニックで顧問弁護士を付けているところはまだまだ少ないかと思いますが、経営で悩みや問題を抱えている院長先生は、ぜひ一度、弁護士に相談してみてほしいです。
クリニックのこと、経営のことを一緒に考えてくれる存在がいるだけで、心強さや決断の速さも変わります。
コーチング弁護士だからできるサポート
私はコーチング弁護士として、「トリガーミーティング」という、顧問先の経営者へのコーチングを行っています。
これは、いわゆる法律相談とは異なり、顧問先の経営者と毎月10分間、電話でミーティングを行うサービスです。「毎月10分間、経営者がワクワクし、行動のヒントを得るために時間をつくる」をコンセプトに行っています。
・これからやっていきたいこと
・業務が忙しくて手をつけられていないこと
そういった、「重要だけど緊急ではないこと」、「“いつかやりたい”といつも言っていること」をテーマに10分間対話し、それを「トリガー」として、行動への推進力をつけることが狙いです。
たった10分ですが、その中で経営者自身に気づきがあったり、クリニックに合った解決策の提案やヒントを提示できたりすることもあります。
「なぜ弁護士なのにそこまでするの?」と思われるかもしれませんが、私は「弁護士だからこそ、ここまで関わることができる」と思っています。
まとめ
やることが多岐に渡り、超忙しいクリニック経営者。
悩みや問題を一人で抱え込まず、ぜひ、弁護士に相談してみてください。話すだけで心の重荷が取れたり、解決策のヒントがもらえたりするものです。そのような相談がいつでもできて、経営や方針に沿ったアドバイスがスムーズに受けられるよう、顧問弁護士がいると心強いですね。
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