波戸岡光太

弁護士、ビジネスコーチ 中小企業をもりたてるパートナーとして、ビジネスコーチングスキルを取り入れ、企業理念や経営者の想い、事業を理解した上で法的アドバイス、対外交渉、リーガルチェックを行うことをポリシーとしています。 https://hatooka.jp/

波戸岡光太

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最近の記事

弁護士に必要な「検索する力」

弁護士という職業についてよく言われるのが、「六法全書を全部覚えているんですよね」とか「法律がすべて頭に入っているんでしょ?」というものです。でも、実際にはそんなことはありませんし、それができたとしても、あまり意味はありません。   本当に大切なのは、依頼者の話をしっかり聞き(聴く力)、その悩みに共感したときに(共感する力)、「この法律が使えるぞ!」とか「最近法改正があったんじゃないかな?」と、適切な法律や情報を素早く見つけ出すことです。知識をたくさん詰め込んでいても、適切なと

    • 弁護士に必要な「共感する力」

      弁護士として、相談者の話を聞くとき、まず大切にしているのは「共感」です。法律の理屈や論理ではなく、まずは相手の感情に寄り添うことから始めます。「それはつらいですね」「苦しいですよね」というように、相手の感じている痛みや困難に共感することで、自然と「この問題をなんとかしなければ」という感情が湧き上がります。この気持ちが、私の弁護活動の原動力となります。   共感から得た熱いハートが、私の脳をフル稼働させ、法律や判例を駆使し、最適な解決策を見出す力を与えてくれるのです。とはいえ、

      • 弁護士に必要な「聴く力」

        困ったことが起きて「弁護士に相談しよう」と思った時、果たしてこんな相談をしていいのだろうか、ちゃんと自分の話を聞いてもらえるのだろうか、と不安になるのは自然なことです。実際、私自身も他分野の弁護士に質問する際には、「こんなこと聞いてもいいのかな…」と少し緊張しながらアポイントを取ります。それでも、考えてみると、自分の問題を解決するために、なぜ弁護士にまで気を使わなければならないのでしょうか。 そもそも、弁護士とは何のために存在するのでしょうか。それは、相談者のためです。そし

        • マッチングサイト利用規約を作成するときの注意ポイント

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。 近年、マッチングサイトの数が急増しています。 会議室や駐車場、民泊などのスペースマッチングや、リモートワークの拡大に伴ってプログラマーやデザイナーのためのスキルマッチングサイトも数多く登場しています。 しかし、これらのサービスの拡大とともにトラブルも増加しているのが現状です。 トラブルが起きると、マッチングサイトの運営者は社会的な批判を浴びるだけでなく、法的責任の追及も受ける可能性も高まります。こうしたリスクを避けるため

          中小企業が顧問弁護士を持つべき理由とその選び方

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。  皆様の会社には顧問弁護士がいますか?多くの経営者が顧問弁護士を持つメリットを理解しながらも、実際に依頼するのはごく一部の企業に限られています。日弁連の調査によると、中小企業で顧問弁護士を採用している割合は2〜3割程度。なぜでしょうか? その理由は、「今、特に相談することがないから」というものが多いようです。しかし、これは言い換えれば「何を相談していいかわからない」からとも言えます。   しかし、ここで考えてほしいのは、

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          退職合意書の作成ポイント&拒否されないためにはどうすればよい?

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。 退職に関する問題は、企業と従業員の双方にとって非常にデリケートなテーマです。特に「退職合意書」の作成やその同意を巡る交渉は、適切に進めなければ後々大きなトラブルに発展する可能性があります。今回のエッセイでは、退職合意書とは何か、そしてそれが拒否された場合にどのように対応すべきかについて詳しく解説していきます。 退職合意書とは何か? まず、退職合意書の基本的な役割について理解しておきましょう。退職合意書とは、会社と従業員

          退職合意書の作成ポイント&拒否されないためにはどうすればよい?

          紹介手数料契約書のチェックポイント

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。 紹介手数料契約を結ぶことは、中小企業や個人事業主にとってビジネスを拡大するために有効な手段です。しかし、その一方で、契約内容が曖昧なまま進めてしまうと、後々のトラブルの原因にもなりかねません。この記事では、紹介手数料契約を結ぶ際に注意すべきポイントと、具体的なトラブル事例を通じて、その重要性を解説します。 紹介手数料契約とは?紹介手数料契約は、契約相手が自社に見込み客を紹介し、その紹介が成功した場合に報酬として一定の手

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          初めての株式譲渡契約。スムーズな契約締結のためのリーガルチェックポイント

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。   会社の規模拡大や組織再編、事業承継などさまざまな目的で利用される株式譲渡。仕組み自体は複雑ではないため、中小企業のM&Aにおいて多く用いられています。   経営者が初めてM&Aで株式譲渡を行う際、契約の話が進むにつれて不安を感じ、ご相談をいただくケースがあります。そこで今回は、株式譲渡の際に確認しておきたいチェックポイントをお伝えします。  弁護士が教える株式譲渡前のリーガルチェックポイント後になって後悔しないために

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          顧客紹介手数料契約書は「紹介成立のタイミング」と「手数料の明確化」が重要

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。   中小企業や個人事業主のひとつのビジネスとして、見込み客を探して紹介してくれたら紹介手数料を支払う、ということは多いのではないでしょうか。   今回は、顧客を紹介してもらった時の紹介手数料契約について、契約書のリーガルチェックポイントをお伝えします。リーガルチェックポイントをおさえて、トラブルを回避する契約書にしましょう。事例も紹介しているので、参考にしてみてください。   チェックポイントは大きく2つ「紹介してくれた

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          毎月第3木am930-1130に「判例タイムズを読む会」を開催しています(Zoom)。次回は11月16日、2023.10号を扱います。 士業又は法務に関心ある方で、会のモットーに共感し、主体的・継続的に参加できる方、ご一緒しましょう!https://hatooka.jp/blog/2021/06/19/%e5%a3%ab%e6%a5%ad%e5%90%91%e3%81%91%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%e3%82%92%e3%82%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%be%e3%81%99%e3%80%82/

          毎月第3木am930-1130に「判例タイムズを読む会」を開催しています(Zoom)。次回は11月16日、2023.10号を扱います。 士業又は法務に関心ある方で、会のモットーに共感し、主体的・継続的に参加できる方、ご一緒しましょう!https://hatooka.jp/blog/2021/06/19/%e5%a3%ab%e6%a5%ad%e5%90%91%e3%81%91%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%e3%82%92%e3%82%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%be%e3%81%99%e3%80%82/

          コンプライアス違反はなぜ起きる?その理由を社会心理学から考える

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。   今や当たり前のように耳にする「コンプライアンス」。企業のホームページでは、必ずと言ってよいほどコンプライアンスについて記載されたページを見ることができます。   コンプライアンスを遵守することは企業の存続を左右する大きなポイントのひとつです。なぜなら、コンプライアンス違反は顧客離れ、従業員離れ、経営悪化につながる恐れがあるからです。   その様な重要なことにも関わらず、コンプライアンス違反をしてしま原因を、今回は社会心

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          人材紹介会社で採用した社員がすぐに辞めてしまった!返金してもらえる?

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。   ここ数年、採用は売り手市場が続いています。 企業は人材確保のため、さまざまな採用を行っていますが、中でも人材紹介会社を経由した採用が増えています。   今回は、人材紹介会社にまつわるトラブル、特に採用した社員が早期退職した場合についてお話しします。  成功報酬型の人材紹介業企業の人材不足を受けて、人材紹介会社は急増しています。 個人でも企業できるなど、比較的、新規参入がしやすく、また、“応募を待つ”従来型の求人媒体よ

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          トラブルを防ぐシステム開発契約書の作り方

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。 今回は、システム開発における業務委託契約、特に中小企業間で行われるシステム開発契約の契約書作成についてお話しします。 工程が多く細かいシステム開発ですが、双方が納得できる契約書作成のポイントをお伝えします。 どの案件にも共通する部分はひな形活用が効率的 契約書を作成する際は、ひな形を活用するのが早くて便利です。ですが、ひな形はどの程度信頼できるのでしょうか。  結論から言うと、システム開発の契約書作成では、案件ごと

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          「システム開発でトラブル発生⁉」は事前の対策で防げる!

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。 IT化が進むにつれ、システム開発を受託したIT企業の方からの相談が増えています。 システム開発に関する法律トラブルでは、クライアントが望むレベルに達していないとか、システムの完成度が低いという理由で、代金の支払いを拒絶されるケースが多いのが特徴です。 今回は、システム開発をめぐる法律トラブルのよくあるケースと、トラブルを回避するための事前防止策を解説します。 システム開発でトラブルが発生する理由システム開発は、建築

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          『世界標準の経営理論』読書会やってます

          隔週日曜朝に開催している『世界標準の経営理論』読書会。 私がファシリを務めさせて頂いて、もうすぐ1年となります。 著者の入山先生は「世界標準の経営理論を体系的に理解し、これを思考の軸として活用し、ビジネスの未来を切り開く」ことを目的に本書を執筆され、 これを実現するには、この本で意見交換し、議論することが大変有効であることも提唱されました。 それを実践する場がこの読書会です。 毎回1章ずつ読み進めており、 今は「生態学」をビジネス社会に応用する分野に差し掛かっています。

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          パワハラ相談は適切な対応で早期解決を!

          こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。   皆さんは、社員からパワハラの相談を受けたとき、どのように対応するのが適切か、ご存じですか?   パワハラは初動対応を間違えると、状況が悪化することもあります。 そうならないためにも、適切な対応で早期解決を図りたいものです。   今回はパワハラの相談を受けたときのNG対応と望ましい対応についてご紹介します。 誤った初動対応の典型例近年施行された「パワハラ防止法」の下で、企業は職場でのパワハラ防止策を設けることが義務付け

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