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弁護士に必要な「検索する力」

弁護士という職業についてよく言われるのが、「六法全書を全部覚えているんですよね」とか「法律がすべて頭に入っているんでしょ?」というものです。でも、実際にはそんなことはありませんし、それができたとしても、あまり意味はありません。
 
本当に大切なのは、依頼者の話をしっかり聞き(聴く力)、その悩みに共感したときに(共感する力)、「この法律が使えるぞ!」とか「最近法改正があったんじゃないかな?」と、適切な法律や情報を素早く見つけ出すことです。知識をたくさん詰め込んでいても、適切なときにそれを引き出せなければ意味がありませんし、依頼者の状況に合ったものを提示できなければ役に立たちません。
 
つまり、弁護士にとって大切なのは「知識力」ではなく、「検索力」だと言えます。イメージとしては、頭の中にたくさんの引き出しを作って、それぞれにインデックス(付箋)を貼っておく感じです。この引き出しの中には何が入っているのか、ざっくりと把握しておき、必要なときにすぐ取り出せるようにしておくのです。
 
もちろん、知識自体は大事です。しかし、すべてを細かく覚えておく必要はありません。「この引き出しにはこんな知識が入っているはずだ」と思い出せれば十分です。大切なのは、必要なときにすぐに引き出して使えるかどうか、その「瞬発力」を鍛えておくことです。細かな内容はその都度調べればよいし、その方がかえって記憶に深く残ることが多いのです。
 
だからこそ、弁護士は、世の中の情報や法律の変化に敏感でなければなりません。依頼者の話に共感し、最適な解決策を提案できるよう、頭の中にインデックス付きの引き出しをたくさん、秩序正しく持っておくことが必要なのです。
 
こうして弁護士は「聴いて」「共感」し、そして「検索」する。これが次に続くステップです。

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