Weekly AR Review vol. 3|8月に登場したARユースケースを再検証!
今回は2019年8月に報道されたARニュースの中から、個人的に気になったARユースケースに関する記事を集めてみました!
Weeklyではない「Weekly AR Review」ですが、懲りずに今回も8月の記事を掘り起こしてきました。
様々な分野で活用されているAR。
今回はそのユースケースをキャッチアップしていきます。
それでは見ていきましょう!
スポーツの現場起きているARの試験実装
2019年8月にはAR×5Gの社会実装に向けた実験がスポーツの分野で積極的に行われました。
まずはこのニュースから
ソフトバンクの支援のもと、さいたまスーパーアリーナで行われていたバスケットボール日本代表国際試合を舞台に5Gを実験が行われ、ARの分野では中国のスタートアップnreal社が開発するNreal Light を使ったデモが展示されました。
以前から話題になっていた Nreal Light ですが、今回はその具体的な使い方が提示されました。今回提案された使い方は主に2つ。『選手の映像にリアルタイムでデータを重ねるもの』と『30台のカメラからの映像を合成した多視点の映像』。スポーツ観戦は今後ARが活用される分野として注目を集めていますが、それは新しい観戦価値を提示できるからだと考えられます。
今回の施策では、ARによる観戦を実現させるための技術として5Gが活用されています。ARは全く新しい体験を可能にしますが、リアルタイム性が重要となるスポーツの分野ではAR単体では不十分です。超高速通信を可能にする5Gの活用はARにリアルタイム性を加え、スポーツの観戦の次の形を提案することが可能になります。
KDDIが力を入れるAR×5G×スポーツ
同様の事例として、KDDIのプレスリリースを紹介します。
近年KDDIはスポーツの分野での5GとARを活用に力を入れているようです。
2019年8月27日のプレスリリースでKDDIと横浜DeNAベイスターズ は5GやIoTを活用した「スマートスタジアム」の構築に向けパートナーシップ契約を締結したとの報道がありました。来場者の利便性向上に加え、新しい観戦体験を提案するためにARをはじめとするXR技術の活用が検討されています。
また、翌日8月28日、KDDIは名古屋グランパスエイトとの新たなサッカー観戦体験の実現に向けたパートナーシップを結んでいます。スタジアムでの体験価値最大化を狙う名古屋グランパスエイトは、『5G環境下での自由視点映像のリアルタイム配信の実績』を持つKDDIを組むことによって5GとARを活用を狙っているようです。2020年春以降の実現を目指しているとのこと。
KDDIは自社の方針として、スポーツ業界への技術支援を積極的に行っています。2018から実施されている『5G環境下での自由視点映像のリアルタイム配信』は主にスポーツの試合で実験されており、5GやARといった最新技術を用いたスポーツ観戦を提案しています。
Source: au
横浜DeNAベイスターズと名古屋グランパスエイトとのパートナーシップ提携では、両者が掲げる未来のスタジアム構想にKDDIが技術的な支援をする形となりました。
スポーツシーズンということもあり、2019年の夏には5G×ARのスタジアムにおける試験的導入が行われました。来年のオリンピックに向けてスポーツの分野でのARの活用は益々増えていきそうです。
アップルのAR×アートイベント”[AR]T”が開催
これまでのAR×アート系のイベントで最も注目を集めたものが、Appleが主催した[AR]Tではないでしょうか。
街を歩きながらAR体験ができる「[AR]Tウォーク」、AR作成を学べるアップルストア内での講座「[AR]Tラボ」、各アップルストア内で見ることができるARアート作品「[AR]T in the Apple Store」の3つのセッションが用意されましたが、やはり最も注目を集めたのは[AR]Tウォークです。
Source: Apple
このアップルが主催したARを活用した現代アートのウォーキングツアーは、サンフランシスコやニューヨーク、ロンドン、パリ、香港、東京にて実施されました。(*なかでも最も賑わったのは東京だったという噂です。)
このイベント、話題性の高さもありますが、何よりAppleのAR普及に対する熱意が感じられました。AppleはAR開発のプラットフォームを提供しているだけでなく、ARの一般への浸透も狙っています。さまざまなARの活用方法を示し、社会全体のリテラシーの向上を図っているのかもしれません。
これから、このような体験の中で『ARの多様性のある楽しみ方』が提案されてくると思います。
ポケモンGoのよう独立したARオブジェクトがスクリーンに現れる楽しみもありますが、同じものが人によって異なって見えるような見方や同じものを別角度から見る見方などが提案されてくると考えています。前者だと、個人に適したパーソナライズがそれに近いと思います。個人に蓄積されたデータを活用してパーソナライズされたアートを見せることも可能になるはずです。後者では、ARクラウドを活用して、複数人が同一のAR空間を共有しながら、別の角度からARを楽しむようになるでしょう。
このように、ARアートでは『多様性のある楽しみ方』が提案されてくると思います!Appleの取り組みもこの一環なのかもしれませんね。
幽霊を倒せ! LEGOが開発するARおもちゃ
玩具業界でもARを活用したユースケースが増えてきました。
なかでも、LEGOは独自の世界観をベースにARを積極的に取り入れています。
このニュースで報じられたLEGOのケースは、ARでゴーストと戦えるというものでした。組み上げたLEGOに専用アプリをダウンロードしたスマートフォンを向けると、そこからアニメーションが始まり、ゲームを楽しめるといったものです。
(ちなみに大人でも楽しめそうなクオリティです!)
LEGOはこれまでにも、ARを活用した楽しみ方を提案してきました。
組み立てたLEGOをARマーカーとして、ダウンロードした無料のアプリでAR体験を提供する。そんな今までとは違った楽しみ方が提案されています。
ARに積極的に取り組むLEGOが打ち出すコンセプトが、「おもちゃ」と「ARテクノロジー」を組み合わせた『LEGO® Hidden Side』です。
LEGO® Hidden Side is a creative building toy, tech toy and AR game all rolled into one. ... With 8 different sets and frequent updates, it’s the bridge between physical and virtual play you’ve been looking for! (LEGO)
公式サイトでも言っているように、『LEGO® Hidden Side』は「フィジカルとバーチャルをつなぐおもちゃ」です。その架け橋となるのがAR。
LEGOのAR活用のようなユースケースが玩具業界で普及すれば、業界は活性化しユーザーはもっと楽しめるようになるので、これから期待したいですね!
これからも追っていきます!
ユースケースを作っていくことは、AR業界を盛り上げていくために必須であり、業界ごとにARの使い方を模索する上で重要である。と考えています。
今後も新しいユースケースが報道されたら、その都度キャッチアップしていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
明日公開になる『Weekly AR Review vol. 4』も宜しくお願いします!
僕が所属しているMESONは「Spatial Computing時代のユースケースとUXをつくる」をテーマに掲げて活動しています。様々なアセットを持つパートナー企業と組むことによってユニークなARサービスを提供しています。
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