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テニミュと〇〇は世界を救う

昨日の夜、カラオケで初めてちゃんと(台詞有で)人前でテニミュを歌った。
それでいろいろと思い出したことがある。

2019年の年末、5年付き合った彼氏と破局。
2020年、コロナ禍に突入。
関西から実家の愛媛に帰ることすら叶わなかった。
頼れるものが何一つない孤独で、騙し騙しやっていた人生が何度目かの崩落をした。

当時は週3~4でバイトをやっていた。人生で一番楽なバイト。
服装髪色自由で唯一、年単位で続いた。
そのバイトさえも通えないほどに精神が落ちきってしまっていた。


「すみません、自分この仕事もう向いてないかもしれません」
日々抱えていたストレスで、元々あった感覚過敏がより過敏になり、職場の照明、音、人間全てに耐えられなくなって、
涙を流しながら総務にそう伝えてしまった。
これ以上世の中に安全で楽な仕事なんて恐らく他にないのに。

しかし本当に人生で何の仕事も続かないので、今ここで絶対辞める訳にはいかなかった。
結局通っていた精神科の先生に診断書を書いてもらい、総務に渡してこの件は解決した。


自分は以前より冬季鬱持ちで、三重苦となった。詰みだと思った。
しかし皮肉にも元彼から教わった「テニミュ」で人生を救われる。

昔のニコニコ動画で流行っていたという「テニミュ空耳動画」。
インターネット老人会界隈では、
「2ch」VS「ニコニコ」という、そういう派閥があったのだが、兄のPCのブックマークにあった「まとめサイト」を閲覧することで、2ch派を自負していた。イタタである。


なので二十歳ぐらいまで一切ニコニコには縁がなかったのである。

テニミュの空耳動画を見たとき、初回はあり得んほど爆笑した。
テレビのない無音の生活の中でのBGMはテニミュ一択だった。

次第にテニミュは自分の世界を広げるきっかけになっていく。

ミュージカルの元となったものが気になりはじめ、アニメを視聴し始めた。
そこで初めて「推し」という存在ができる。

バンダナがトレードマークの「海藤薫」だ。
彼は一見不愛想で冷めた印象を受けるが、実は努力家で熱い男なのだ。
アニオリのシーンでやたらと薫をピックアップした回が多く、そのギャップにやられてしまった。


このように「推し」の存在で、暗雲立ち込める人生が段々と明るくなっていくのを感じた。

休みの日には心斎橋に足繫く通い、中古のグッズ、同人誌を求めた。
いつしかそれが生き甲斐になっていた。


アニメを見ているとやたらとナルシで俺様な声のいいキャラが目に付くようになる。そう、今や建国記念日を祝われるようになった人物、
「跡部景吾」だ。
彼のグッズも少し集めたが、どちらかというと声優さんの方に興味が向いた。

諏訪部順一さん。調べると現在「ロンハールーム」というラジオをやっているらしい。
月初めを待って入会した。日々のBGMにロンハールームが追加された。
後に新年の企画で、グッズを購入した希望者には生電話ができるというのがあったのだが、なんと電話が掛かってきて、訳の分からんまま終わった。
でもその時の録画は今でも宝物だ。

余談だがこのロンハールーム、改名前は「工口×工口」(こうぐちこうぐち)という名前で放送していたらしく、名前の通り最初から最後まで下ネタまみれの番組だったらしい。
いずれはCDを入手して聴いてみたいところ。


季節は夏。
更になんと「テニプリ」、現在も連載中でありソシャゲも展開していることを知る。
ソシャゲアレルギーの自分ではあったが、箱推しコンテンツであるテニプリにそんなものがあるとするのならこうしてはいられない。
ジャンルは普段やらない音ゲーだったが即刻DLし、暇さえあればアプリを開いていた。夢中になり、寂しさ、虚しさなんてどこへやら状態だった。


話を戻す。
そうこうしている間に、「テニミュ」が現在進行形のプロジェクトであることを知る。
恒例のテニミュの流れを汲んだものではなく、全く新しい「新テニ」の舞台らしかった。
猫駆除などを期待していたのだが、まあこれはこれで良い。
今更ハマったコンテンツが今も生きていることが奇跡のようなものなのだから。


2021年1月。メルパルク大阪に新テニのミュージカルを見に行った。

ミュージカルや舞台なんてほとんど見たことがなかったため、会場の席に着いて照明が光った時点でもう大号泣した。
しかし持参した望遠鏡でそれぞれの表情や動きを見ることも忘れない。
コロナ禍真っ最中であったので、マスクをしながらだとすぐにレンズが曇ってしまった。
隣の席に座っていた人は暗闇の中頻繁にメモを取っていた。
帰ってツイッターやピクシブに感想や絵を投稿するタイプの人だと思う。


こうして念願の画面越しではない生テニミュを摂取できた。
えらく感動し、同じ公演の配信のチケットをニコニコで購入し、コメントまみれの画面をスクショしまくった。

こうして一時はどうなることかと思った人生をテニミュに救われた。


タイトルの○○というのは直接書くとアレなのでぼかすが、
今もニコニコで人気のコンテンツだ。
どこにでも居て、どこにも居ない、そんな人物が主軸となっているやつなのだが、その実況で知ったゲームや影響を受けたものもたくさんある。
こうして様々なものと出会い、生かされたそんな話。

今でも嫌なことや辛いこと、いろいろあるが、好きなものの存在で自分の中の世界が救われている。
嬉しいことにその種類と数は年々増えている。財布は悲鳴を上げているが。
いろいろあるけどそういうものたちに支えられて人生を豊かにしていこうね。

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