「艦これ」運営の失策
※本記事は艦これのイベントへの批判記事です。もし現在のイベントが苦痛ではないと言う方は気分を害される場合もございます、ご了承ください。
2020年度梅雨イベ(前段作戦)・夏イベ(後段作戦)が始まって幾日か経つ。一つ前に書いた記事では新艦予想を行い、予想していたHelena・South Dakota・Hornetが実装された。その他にも松型駆逐艦や丁型海防艦の実装など、目白押しなイベントであった。はずだった。
「はずだった」と言う意味は運営のツイッターのリプライ欄を見れば分かる。明らかに荒れているのである。それもそのはず、今回のイベントは運営の失策続きのイベントであったからである。ではどのような点が失策であったか。以下ではその概要と経緯を書き記す。
評価の難しい新艦娘
艦これの一つの楽しみとして毎イベントで実装される新しい艦娘がある。性能や使い勝手はもちろんのこと、そのデザインにもやはり注目が集まる。今年は残念ながら実施されることはなくなってしまったが、コミックマーケットなどでもデザインが良い新艦娘の同人誌は多く並び、私も足を運んではよく購入する。
だが、今回のイベントの新艦娘は正直評価が難しいと言うのが私の意見である。
例えばアイコンのチラ見せや前々から実装が予告されていた「松」。ぽよよん❤︎ろっく氏の参戦とあってかなり期待されていたが、性能があまりにも貧弱である上に改装レベルが高いこともあって現時点であまり人気はない。一応遠征要員として使えるが、大発が積めるようになった三日月改の方が使い勝手がいい。兵装については「史実再現」と言われているが、そもそも最近の艦娘はIF改装がほとんどであることを考えるとなぜ「松」だけ忠実なのか、と考えてしまう。
続いて「Helena」。一番物議を醸した新艦娘と言っても過言ではないだろう。絵師は台湾出身のA士氏。過去には艦これの同人誌を発行していたことでも知られており、昨年のイベントでは「御蔵」を担当されている。この記事を見ていらっしゃる方はご存知だろうが、デザインが何とも言えない。これはそれぞれ受け取り方が違うので一概には言えないが、少なくとも「大人気」とは言えないだろう。これに関しては政治的問題が云々という話もあるが、それについてはここでは触れない。性能としては昼戦火力軽巡一位となっており、前述の「松」に比べれば使い勝手がいいと言えるが、なぜSGレーダーを装備として積んでいないのだろうか。書店でも図書館でもWikipediaでも良いから「Helena」の項目をご覧になっていただきたい。サボ島沖海戦でも、第三次ソロモン沖海戦でも彼女に装備されていたSGレーダーが効果を発揮したのである。その史実をまさか運営が理解していないとは考えにくいので、「あえて」装備させなかったと思うのだが(いわゆる掘り防止狙いではないか)、運営の「史実」の扱いに疑問が生じたのは確かである。
上記二隻に限らず、新艦娘に関しては様々な意見が散見される。その一部に「アズレン(アズールレーン)にいそう」というものがある。思うにこの意見は「このキャラクターが気に入らない」ことを暗に言っているのだと思うが、この意見は艦これ、アズレン双方に対して失礼であると考える。そもそも絵師の方は「艦これのために」その艦娘を描いたのであって、それを別ゲームのキャラクターのように扱われることは心外であろう。
「屋代」の表記ミスと対応
後段作戦で邂逅できる新艦、御蔵型海防艦6番艦の「屋代」は一時期誤って5番艦と表記、ボイスも同様に誤った呼称で収録されていた。これについて複数のプレイヤーから報告があったためか修正されることになったのだが、それに伴う運営のツイートに問題がある。詳細は本稿末のリンクを参照していただきたいが、「本件、ご報告とお詫びまで。」という最後の一文はどこか投げやりにすら感じる。各種不具合やメンテ遅れなどでストレスが溜まっているのも分かるが、そもそもそのような事態を引き起こしたのはプレイヤーではない。これらのミスについて「Wikipediaが誤っていたのだから仕方がない」などとアルティメットな擁護をしている方々がいるが、通常ゲームの運営は世界観についての資料を一冊や二冊は持っているものである。あるいは有識者に問い合わせることもできる。大学のレポートですらWikipediaの引用を禁じているのだからそのような擁護は的外れだと言わざるを得ない。
リンガ泊地サーバでの障害
これはリンガ泊地サーバでプレイしているプレイヤーに対して「障害を発見したら詳細な情報を送ってほしい」旨のツイートが発端である。そもそも不具合・障害を見つけるのはゲームの運営がやるべきことであることは当然である。何のためにデバッガーという職業があるのかを考えてほしい。しかもメンテナンスを本来の7月10日中の予定が大幅に遅れてのこのバグ、ツイートである。「提督はデバッガー」なるネタリプライがどうツイートにはぶら下がった。しかし、このネタはのちに現実のものとなる。
基地航空隊に関するバグと対応
基地航空隊は4年ほど前に実装された機能であり、「航空基地」から一式陸攻などで編成される航空隊を飛ばして交戦前に敵にダメージを与えるものである。この機能を利用する際、ある特定のやり方を行うと「猫る(通信エラーの俗称)」のだが、これまで様々な問い合わせがあったのにも関わらず、運営は同バグを解消しなかった。しかし、あるユーザーが同バグを解析し(まさにデバッガーである)、どのような条件下で発生するかを示したツイートを投稿したところ、唐突に修正する旨のツイートを行なった。言い方は悪いが「人の手柄をさも自分の手柄のように」ツイートしたのである。これが「一部提督の方からこのようなご報告を受けました。」という一文があればまだ良かったかもしれない。結局このツイートは前述のデバッガー問題も相まって、イベント攻略やこれまでの対応に苛立っていたプレイヤーを怒らせてしまう羽目になった。
改善するには?
これまでの項目を見れば常識とはかけ離れた状況が目立つのは誰の目から見ても明らかである。では、改善するにはどうすれば良いのか。
まずは戦史研究家とのパイプを作ることである。「史実に忠実」であることを目指すのであればなおさらである。それこそこれまで知られて来なかった艦や作戦などを実装できるかもしれない。
次にカレー機関などの事業に割いている資金をデバッガー雇用などに回すことである。カレー機関の取り組みは確かに面白いとは思うが、ゲームの運営がここまで杜撰な状態でやるものではない。
次は欧州方面作戦だと予告されている。現在の状況が少しでも改善されることを願うばかりである。
出典等
(屋代艦番号の誤り)
(リンガ泊地サーバの問題)
(基地航空隊に関するバグ)