あぜ道は夏の終わりに続いてる。
「お兄ちゃん! 起きて!」
元気いっぱいの甲高い声が、僕の眠りをパチンと覚ます。それと同時に、セミの鳴き声が耳に流れ込んできて、僕は朝の訪れを知る。
接着剤でくっつけたみたいな重い瞼を開けると、視界に広がるのは見慣れた天井ではなく、間近に迫ったカレンの顔だった。頭の後ろから垂れたポニーテールが僕の頬をくすぐる。
「ほらもう六時だよ! 早く行かなきゃラジオ体操に間に合わないよ~!」
「分かった分かった……起きるよ。起きるから、ベッドから降りて」
「はーい!」
カレンはベッ