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新陰流の伝書!!「始終不捨書」と三磨の位について
新陰流という日本の古武術、剣術があります。
個人的に、この剣術を学んだ経験があるので、少しご紹介しようと思います。
柳生新陰流の伝書
現代では、『柳生新陰流』という呼び方の方がポピュラーでしょうか。
流派や呼び名については、伝承によって様々な問題があるので、深くは触れませんが、この『新陰流』の伝書に『始終不捨書』という伝書があります。
この『始終不捨書』に、『三磨の位』という一節があります。
この内容を、簡単に説明すれば、武術の練功には三つのプロセスを踏むという事です。
それは、『習』『稽』『工』の三つです。
三磨の位、『習』『稽』『工』
『習』とは、習う事です。
師から型や使い方、或いは戦闘理論や練功法などを学び、覚える事です。
『稽』とは、稽古、練習をする事です。
つまり、師から学んだ事を、繰り返し練習する事です。
『工』とは、創意工夫をする事です。
武術を学ぶ場合、日本の古武術であろうと、中国武術であろうと、同じように上記のプロセス踏んで練功を積みます。
しかし、上記のプロセスで現代人に一番不足しているものがあります。
それは、『稽』ではないでしょうか。
現代人と稽古
現代人の日常は忙しく、なかなか稽古をする時間がありません。
また、稽古量が少ないうえに、伝統的な武術は、理論が複雑なため、師より説明を受けただけで満足してしまい、出来るようになった気になる傾向があるようです。
例えば、腕立て伏せをする場合、腕立て伏せの形や練習のやり方は、皆さんもご存知でしょう。
仮に、初めて学んだとしても、形と要領はすぐに理解出来ると思います。
しかし、当たり前の話しですが、ある一定の期間、或いは回数を繰り返さなければ、腕立て伏せの効果は出ません。
武術の型や練功も同じです。
ただ、単純な筋肉トレーニングとは違い、理論や技の質の向上を目的にしているというだけです。
現代武術の現状
腕立て伏せの例えのように、学んだだけで出来るようになるものなどありません。
それが、高度な技術を要するものならば尚更です。
まして、師から学んだ一部の情報と、少ない稽古量で行われた『工』は、机上の空論としかいいようがありません。
そのため、現代では新しい武術、流派が生まれにくいのかもしれません。
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