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あるターミナルの月に

ターミナルは大陸の中西部、南部大砂海との境界となるデカイ山脈の北西に存在する、ある地域を指す名前だ。 普段は人が住んでいるわけでもなく、時期をわきまえずに訪れてもただ広がるステップをながめるだけになるだろう。だが、毎年ある時期にだけ、大変な活況を呈することで知られている。 ターミナルはバス飼いの聖地だ。 秋の終わり、地平線を形づくる緩やかな丘陵を越え、大陸西部じゅうからバスとバス飼い達が集う。 伝統的な柄の頭巾を巻き、身の丈ほどのバス棒を持った、よく日に焼けたバス飼い達。

    • 魔女chのカデット

      ややこしい事になったぞ、と思ったのが私とユウの二人で、実際に口に出してそう言ったのはリュグレーヌだった。 「ややこしい事にならない?」「なる。先生に連絡とってみよう」 色違いの魔女帽子を寄せ合って役割分担を決めると、ユウが自分のパクトを開き、猛烈に指を動かし始めた。 私は私で、リスポーン地点のカザホに連絡を取らなければならない。 「落ち込んでないと良いけど…」「あの様子だと無理デショ。でも切り替えてもらわないとだよね」 パクトの通信機能でカザホを呼び出す。だが応答はない。

      • 勝手にニンジャスレイヤー第3部エピソード巻割

        ニンジャスレイヤー第三部の物理書籍には収録されていないエピソードがかなりあり、第三部のエピソードを全部そろえた時の読む順番を自分で並べてみたいというのは以前から考えていたことでした。 また、最近ですと公式のフジキド・トリロジーのエピソード再録も第3部後半にさしかかっていますが、それを眺めるほどに自分ならどういう順番にしてみるだろう、という思いが募りました。 ので、やってみたのが以下。 多少の前後はあるけどゆるく作中時系列順になっていて、大胆な並べ替えの面白みには欠けるか

        • 天気の子、AOMのスピリッツがAOM以上に明瞭に提示されてたように思って衝撃を受けたんですけど、月破砕後の世界における警察官の身の振り方が示されてるのはAOMの大きな長所だよなとも思いました。

        あるターミナルの月に

        • 魔女chのカデット

        • 勝手にニンジャスレイヤー第3部エピソード巻割

        • 天気の子、AOMのスピリッツがAOM以上に明瞭に提示されてたように思って衝撃を受けたんですけど、月破砕後の世界における警察官の身の振り方が示されてるのはAOMの大きな長所だよなとも思いました。

          おれはロックンロールはあまり聞かなかったがそのかわりケイオスヘキサとエアマスターを読んで作者のファンになったのだった。

          おれはロックンロールはあまり聞かなかったがそのかわりケイオスヘキサとエアマスターを読んで作者のファンになったのだった。

          けものフレンズ2について

          『けものフレンズ2』において軸になっていた要素は3つあったように思います。うち2つはキュルルのおうち探しと人類の価値の両義性についてですね。 1のかばんがアイデンティティ喪失者だったのに対して、同様に記憶を失ったヒトである2のキュルルは、故郷喪失者としてパークをめぐります。 また、かつての人類の行いについては3・8話では肯定的に描かれていますが、5話ではその恐ろしさが強調されます。登場するフレンズたちのラインナップは良きにつけ悪しきにヒトの影響を大きく受けたものが多く見受

          けものフレンズ2について

          けものフレンズ2の好きなところ

          けもフレ2、アラが多いのはまあその通りだよなと思わなくもないですけど、うまくいってる所、やろうとしている事には良さがあるし結構好きなんですよね。 以下好きなポイント 1話:まず「危険極まりない溝」というワードにパワーがあってすごい好き。なにかを分断する溝と、駅間をつなぐモノレールとの2つの意味の異なるラインが出てくるのも対比が効いていて良いです。 あとゲストフレンズのカルガモの人物描写と得意技の描写が丁寧なのもいいとこですよね。あいつが床でジタバタしてるのは、それがちゃ

          けものフレンズ2の好きなところ

          コッカトリスの地位について

          シックスゲイツには上位の六人を指す場合とソウカイヤ威力部門全体を指す場合の2パターンがあります。 コッカトリスはプロト版においては“ソウカイ・シックスゲイツの一人”とされていましたが、現行連載においては“シックスゲイツの一人“のような六人の上位エージェントであることを強く示唆する表現は適用されていません。 先日の「ベイン・オブ・サーペント」再録の際のN-FILESでも、バンディット・ビホルダー・アースクエイクの説明として使われていた”シックスゲイツ級”という表現がコッカト

          コッカトリスの地位について

          1月の面白かったものについて

          支援BISの小説が2作、同月に書籍化した件については別に上記の記事にも書きましたが、三銃士とかデル戦が好きな人におすすめなめちゃめちゃ良いFT活劇を書く作家さんなので名前を覚えておいて欲しいですね。

          1月の面白かったものについて

          支援BISが好き

          以前読んだ『辺境の老騎士』(既刊3巻)がすごい面白かった支援BIS(←ペンネーム)の新刊が1月に2作同時に発売されたので読んだわけです。どっちもすごい面白い。勢い余ってweb掲載分も全部読んでしまいました。 1月刊の『迷宮の王』『狼は眠らない』はどっちもゲーム的ファンタジーとしての側面が強いですね。 飛行機も新幹線もないがゆえに容易に踏破できないだだっぴろいフィールドに、豪傑を放り込んでうろうろさせることは冒険の本質であって、それが現代においてロールプレイングゲームという

          支援BISが好き

          ユーレイ、どいつもこいつもテンションがおかしいし、フジキドの過去やヒラのソウカイニンジャの仕事ぶりといった意外に描写される事が少ない所に光が当たってて、初読時よりずっと面白く感じます。

          ユーレイ、どいつもこいつもテンションがおかしいし、フジキドの過去やヒラのソウカイニンジャの仕事ぶりといった意外に描写される事が少ない所に光が当たってて、初読時よりずっと面白く感じます。

          シンウインターについて他(最近のニンジャの感想)

          シンウインターが死にました。 過冬の幹部集団ワイズマンにあれほどの人材が集まっているのがなぜなのか、ラオモト・カンとロード・オブ・ザイバツを滅ぼし月面でアガメムノンとカラテして生還したフジキドに向けて「お前の知らぬ俺の世界、俺の歩み」と言い放てるシンウインターはいったいどんな戦いをくぐり抜けてきたのかにたいする疑問と興味は、個人的に第四部第2シーズンを読みすすめる最大の動機になっていました。 あらためて振り返ってみると、フリージング・フジサンでの回想を見る限りでは、シンウ

          シンウインターについて他(最近のニンジャの感想)

          牧野なおきさんのブラッドストームインジアビス、異邦人ヒーローがカッパのかっぺいなの、モンキー絶対殺すワンちゃんとして知られるしっぺい太郎に響きが寄せてあって良いですよね。

          牧野なおきさんのブラッドストームインジアビス、異邦人ヒーローがカッパのかっぺいなの、モンキー絶対殺すワンちゃんとして知られるしっぺい太郎に響きが寄せてあって良いですよね。

          AOM第1シーズン、思い返してみるともっと早い段階でブラスハートのチラ見せはやっといたほうが良かった気はしますね。読み返してはじめて気づく程度で良いので。

          AOM第1シーズン、思い返してみるともっと早い段階でブラスハートのチラ見せはやっといたほうが良かった気はしますね。読み返してはじめて気づく程度で良いので。

          8作品書けました

          逆噴射小説大賞に8作品つっこむ事ができました。 賞の方は予想の10倍くらいの盛り上がりで先生も大変ですね。いらん仕事を増やしてしまうのは本意ではないので、受賞者の発表は気長に待ちます。 自作については、書けそうな時にだけ書いたのでどれもお気に入りです。 自分で思ってたよりもいろいろ書けたこともあり、たいへん楽しいイベントでした。 D&D的な異世界ファンタジーと、ぴえろ魔法少女の系譜上にある近年のカードゲームアイドルものマッシュアップ。三枚のお札は昔話モチーフですが。

          8作品書けました

          サブマリン横綱航海記

          「怖ッ!地獄の生き物かよ!」 海底から伸び上がってきた巨大な鎌を受け止めながら、私は叫んだ。今の攻撃に対応できたのは私の反射神経の成せる技だろう。 複合海洋研究施設を襲った深海の古代生物は、どうやら予想を超えたモンスターのようだ。 海が好きで引き受けたこの仕事、海の藻屑となるならそれも本望だけど、コイツに食われるのはノーサンキューです。 「うわ、間近で見るとますます怖いわ」 メガゼブラマンティスシュリンプ(仮称)の無機質な顔が厚さ15センチのアクリル越しに迫る。種の

          サブマリン横綱航海記